更新日:15年10月29日

2015年9月定例会 柳井誠議員の一般質問(30分)



2015年9月定例会 本会議一般質問と当局答弁(9月15日 火曜日)

柳井誠議員の一般質問(30分)            

現在本市は政令市で1番の高齢化率です。国立社会保障・人口問題研究所が発表した本市の将来推計人口のうら、高齢者数は2025年問題といわれる10年後に30万3千人、高齢化率33.5%と見込まれています。さらに深刻なことは、75才以上の後期高齢者が高齢者の6割以上の18万7千人に増加すると見込まれることです。6月定例会に報告された高齢者支援計画では、平成22年国勢調査をもとに、高齢者のいる世帯の5割以上が高齢者のみで生活し、うら32%が単身世帯であるとされています。この国勢調査と同じ年に公表された政府の「平成22年度男女共同参画白書」では、高齢単身の相対的貧囲率は、男性38%、女性52%となっており、現在の本市では更に相対的貧困率が高<なっているのではないかと考えられます。

いまから的確な対策を取らなければ、昨年のNHKスペシャル「老後破産」で放映された状況、すなわち生活保護基準以下で生活し、必要な社会保障をうけられない、いわゆる「下流老人」といわれる高齢者が増えることが懸念されます。

本市の生活保護世帯のうら高齢者世帯比率は平成22年度の51.2%から平成26年度54.4%に、世帯数では1700世帯増加しています。これらの数値は、生活保護を受けていない、膨大な数の生活保護基準以下の高齢者世帯が存在し、増え続けていることを示すのではないでしょうか。

市長は、3年前、平成24年9月議会本会議での私との生活保護問題の議論において、「限られた一般財源総額の中で生活保護の関連経費が増加すると、政策的な経費に回すことのできる一般財源、例えば高齢者福祉や子育て支援、緑の成長戦略などの事業の実施に支障を生じさせる可能性がある」と答弁されました。当時私は、強い違和感をもちました。このようなことを言えば、市民は生活保護を受けることの恥辱感を強め、福祉部局の職員は、生活保護制度の啓発と周知に腰が引けるのではないかと、私は懸念します。私は、本市の高齢者の実態から、日本国憲法第25条の生存権で裏付けられた生活保護のより一層の適用をふくめた高齢者の生活を守る対策をもとめるものです。

そこで、生活保護行政についてうかがいます。

1、生活保護の扶助費の3/4が国庫負担金でありますが、残り1/4も地方交付税で100%財政措置されるべき制度です。さきの答弁では、関連経費も含めて市の生活保護の実質負担額は36億円にのぼると言われました。

生活保護費の支出済額は平成23年度決算450億440万円から平成26年度決算466億7060万円に16億6620万円・3.7%増加しましたが、その間、市の実質負担額はどのように変化したのか、また、本年4月人事において相談担当係長7名が削減されていますが、今年度、生活保護に係る人件費がどのくらい削減される見込みなのか、答弁を求めます。

2、生活保護制度は第一に近代国家の根幹である社会保障の権利として確立していること、第二に生活保護受給の実態が高齢者福祉そのものであること、という点で他の施策と対立させる考え方は納得できるものではありません。市長は高齢化・ひとり暮らし世帯が広がる中で、生活保護の制度を理解していない要保護者にたいする漏給防止策、また今後要保護水準になる可能性のある高齢者への啓発をどのように進めるつもりか。取り組みの現状と今後の方向性について答弁を求めます。

つぎに、高齢者の相談についてうかがいます。

第4次北九州市高齢者支援計画では、地域包括ケアシステムの構築にむけて、高齢者と家族を見守り支えあうまちを目標として見守り・支えあいネットワークの充実、住み慣れた地域で安心して暮らせるまちを目標として地域包括支援センターを中心とした身近な地域での相談と支援体制の充実の施策が出されています。

地域包括支援センターの機能強化は、国会でも重要な点として議論され、参議院では附帯決議がつけられて、新たな業務として、医療連携や地域の社会資源の開発が大きな課題となり、そのための人員体制、センター間の役割分担、運営協議会による評価・点検の強化などが課されました。そのもとで、10月からすべての市民センターを巡回する「高齢者いきいき相談」が始まります。そこで、高齢者いきいき相談事業の目的や予定している保健・医療・福祉・権利擁護の相談内容、また小学校区の地域団体・市民センターとの連携構築をすすめる上での課題について、答弁を求めます。

 

柳井誠議員への答弁(2015年9月15日)

 

■市長

 (高齢者いきいき相談について)

政令指定都市で最も高齢化が早く進んでいる本市において、高齢者が生きがいを持ち住み慣れた地域で心身ともに健康で安心して生活を送ることができる社会を作ることは大変重要だ。そのため市長の公約において医療、介護予防、住まい、生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築に向けて、地域包括支援センターの体制の強化、市民センターを地域包括支援センターの相談窓口とした相談支援体制の充実、各区への地域支援コーディネーターの配置など、地域づくり、見守り支え合いのネットワークづくりの推進を掲げ、今年3月に作成した第4次の高齢者支援計画に基づいて高齢者支援政策の充実強化に着手している。

その一つとして、地域包括支援センターにおいてことしの10月から新たに実施する高齢者いきいき相談は、市民センターに出向き高齢者に身近な地域で相談を受けることや、仔細な困りごとも相談していただくこと、自治会やまちづくり協議会など地域住民と定期的な情報交換を行い、日ごろの地域の見守り助け合いを支援することなどを狙いとしている。

中でも地域団体との連携については、地域の実情をしっかりと踏まえることが課題と考え、ことしの3月から8月までの半年間ですべての市民センターを回り、地域住民との協議を行ってきた。その結果、具体的には高齢者いきいき相談という親しみやすい名称をつけPRすること、おおよそ月2回、当該地域の実情に合わせ市民が集まりやすい時間帯に実施すること、また市民の目につきやすい1階のフロアーに待機することなど、各地域の意向を踏まえた実施方法を考えている。

また相談内容については、介護にとどまらず保健医療、福祉をもとより生活支援全般にわたる幅広い相談への対応を考えている。例えば、高齢者からのゴミ出しができないという生活上の仔細な困りごとや、家の中で転ぶことが多くなったという身体の不調に関する相談、また民生委員や福祉協力委員からの一人暮らし高齢者が地域の集まりに来なくなったという心配や、高齢の介護者が疲れているといった気づきの声、まあそうした声に傾聴して安心していただくとともに、適切に支援し早めに問題を解決することを想定している。

それ以外にも生活困窮など専門的な支援が必要なものは、ことしの4月に開設した命をつなぐネットワークコーナーや保護課との連絡調整を行い、高齢で窓口に来ることができない市民に対しては、地域包括支援センターから直接自宅を訪問するなどきめ細かく対応していいきたいを考えている。

 

■保健福祉局長

 (生活保護について)

まず平成23年度から平成26年度までの生活保護における市の実質負担額の変化、および今年度の人件費削減見込みについて。

本市の生活保護行政は、平成19年以降保護の入り口と出口で丁寧な対応を行うなど、漏給防止に取り組んできている。また市民から信頼される生活保護行政の推進のためには、不正受給の防止などを含めた乱給防止の取り組みも大変重要だと考えている。

リーマンショック後、本市では就労自立支援等の生活保護の適正化にとり組んできた結果、平成23年度以降、保護廃止件数が増加するとともに保護人員は平成24年12月をピークに減少し、現在は月平均2万4100人前後で推移している。一方で、高齢者世帯を中心に保護世帯数、および医療扶助費の増加が続き生活保護の決算額は平成23年度の450億円から平成26年度は466億7000万円と、3年間で16億7000万円の増となっている。このうち、生活保護の市が実施すべき負担額については、過去5年平均で平成23年度決算時は36億円だったが、平成26年度決算時では3億円となっている。

これは本市をはじめとする政令指定都市市長会が要望を継続してきたことなどにより、国の財政措置が改善されてきた結果と考えている。また平成27年度の生活保護関係職員については、全市的な相談件数の減少に伴い各区の相談担当係長が7人減、八幡東区においては保護世帯数の減少によりケースワーカーが1人減、そのほか本庁の課長ポスト廃止や再任用職員、嘱託職員等の配置見直しにより8人減、合計16人の減とする一方で、小倉北区および八幡西区の保護世帯数の増加等により、保護係長を2人増、ケースワーカーを2人増、そして医療介護扶助適正化業務新設による看護師やケアマネジャー職の嘱託職員の11人増の15人増員をしている。このほか、ケースワーカー3人を正規職員化している。

これにより平成27年度の生活保護にかかる人件費の削減見込み額は3450万円となっている。生活保護関係職員の配置については、社会福祉法に基づく配置基準、年度ごとの保護動向や適正化に向けた取り組みを総合的に判断し、増減するものだ。必要な人員配置のもとに必要な人件費を計上している。

次に、要保護者への漏給防止策および今後、要保護水準になる可能性のある高齢者への啓発の取り組みについて。

生活保護制度は、まずは資産、稼働能力、他法多施策等を活用することを要件として定められているものであり、それらを活用してもなお生活に困窮するかたを対象とする、いわゆる最後のセイフティーネットだ。このため本市では、高齢者、障害者、ひとり親家庭、国保年金、介護保険など区役所の担当窓口において様々なサービスや制度についての相談を受けるとともに、それらを活用してもなお生活に困窮するような方に対しては生活保護制度を紹介することとしている。

また区役所まで来ることができない方については、保護課職員が出張面接により制度の説明を行っている。生活保護制度の広報については、生活保護のあらましというパンフレットを各区役所の保護課、市民ロビー、広報課広聴係窓口などに配置、そして市のホームページやくらしの便利情報に掲載をしている。またひとり親家庭のガイドブック、福岡県障害者福祉情報ハンドブックなどにも掲載している。こういった取り組みを行っている。

一方、地域においては民生委員、命をつなぐネットワーク担当係長、地域包括支援センター職員などが支援が必要な高齢者等の個別事案に対し、必要に応じて訪問し生活保護制度の周知や保護課窓口の紹介を行っている。さらに平成27年4月に各区役所に開設した生活困窮者のための相談窓口である、命をつなぐネットワークに来られた方で、保護が必要と判断した場合には、相談概要を添えて保護課に速やかにつなぐこととしている。

今後とも真に保護が必要な方が着実に生活保護につながるように、引き続き広報や関係機関との連携に努めていく。

 

 <第2質問への答弁>

■保健福祉局長

 (保護の広報等)

実施方針については、従来決算時にあわせてホームページにアップしていたが、議員の指摘で現在、ホームページにアップしている。生活保護の広報、啓発については、まず生活に困窮される方、いろいろな区役所の窓口に相談に来られるわけなので、保護のあらまし等は区役所等で配置するようにしているし、相談窓口において様々な相談を受ける中で、保護が必要だと考えれば、職員が判断した場合には保護の窓口に速やかにつなぐようにしている。

 

 <第3質問への答弁>

■保健福祉局長

 (生活保護のあらまし等、広く活用すべきではないか)

ホームページについては福岡市と北九州市で内容に相違はあるが、改善するべき点は改善につとめていきたい。本のあらましを市民センター等に準備すべきではないかという質問だが、今現在市民センターでは市政に関するさまざまなリーフレット、パンフレット、情報類が非常にたくさん置かれている状況がある。そういったことで、関係部局とも調整をしなければいけないと考えている。

 

 <第4質問への答弁>

■保健福祉局長

 (生活保護相談員の減員について)

手元に18年度の数字はないが、21年度の数字だと相談件数が9000件あった。26年度ではこれが約6000件と3分の2に減少している。これを受けて相談担当係長を7人、各区について1人ずつ削減している。

 

 <第5質問への答弁>

■市長

 (生活保護での市負担はわずか。今後必要な人には受給措置を積極的にするのか)

平成19年に着任して、当時全国的に本市の生活保護行政が問われていたこともあって、関係者に集まっていただいて公開の場で議論を深めていただいて、漏給、乱給がないように適正な保護行政への転換をめざして第1歩を踏み出した。

財政の話もあったが、一昔まえは十分な国の措置がなされていなかった。先ほどから数字が出ていたが、24年の9月議会の時にこの質問があって、関連経費を含めて約36億円実質負担が生じていたわけで、これは全国的にも自治体としても重要な課題ということで政府に対してしっかりと手当てをするように強く求めてきて、それが改善されたという状況だと思っている。

今後、この課題については、この間テレビでも放送されたが、実際に深夜労働をしていて保護を受けていたという事例もあった。市民の皆さん方には、大事な税金だから、ほんとに困っている人はしっかりと手当てするのは当然だと。ただ適切な受給で、そして働ける人はできるだけいいチャンスを作って自立できるように行政も支援してほしいというのが、素朴な市民の生活保護行政に対する関心だと思っている。

そういうことからして、漏給・乱給がないようにしっかりと行政に取り組んでいきたいと基本的に考えている。

 

■財政局長

 (生活保護費の市の負担問題)

地方交付税については、市税と同じ一般財源だ。直接その事業費を充当するというかんけいではない。まず市の予算については、全体の収入と支出の状況を勘案して決定している。地方交付税の個々の行政分野の算定状況をもって個々の事業費を決めるものではない。生活保護など義務的経費については必要な経費なので、財源の多寡にかかわらず必要な額を確保してきたし、(以上、時間切れ)

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