更新日:15年10月29日

2015年9月定例会 田中光明議員の一般質問(30分)



2015年9月定例会 本会議一般質問と当局答弁(9月14日 月曜日)

田中光明議員の一般質問(30分)

日本共産党市会議員団を代表して質問します。

1.下関北九州道路について質問します。

本市は下関北九州道路の調査費を昨年度は225万円計上し、その建設を国に要請する活動などに使用しました。

本市は過去の大型開発で、多くの「負の遺産」を残し、市の財政悪化を招いてきました。今年の6月議会では、港湾整備特別会計の埋め立て事業の破たん処理で、三セク債の借入れ414億円が新たに負の遺産として加わりました。売れ残った土地がすべて売れても152億円の赤字、利息等の52億円を加えると、少なくとも204億円が市民負担になります。独立採算にもかかわらず、事業が失敗したら、「市に貢献したからよいではないか」と言わんばかりに、税収や企業誘致、雇用などの数値を並べ、誰も謝罪せず、責任も取りませんでした。このことは、モノレール事業の破たんの時とよく似ています。本市は2005年にモノレールの破たん処理で、債権と出資金放棄で293億7500万円をつぎ込みましたが、今回同様、「モノレール沿線が発展したから、良いではないか」という言い訳で、事業の失敗の反省はありませんでした。

本市の前年度決算では、ひびきコンテナターミナルの赤字は1.9億円です。また、エイムビルの負担7.8億円をはじめ、「負の遺産」の処理に、多額の市税をつぎ込み、自治体の本来の役割である、市民の福祉の増進の事業が制約されています。

「負の遺産」を作り出した原因は、港を作れば船や貨物が来る、海を埋め、駅周辺にビルを立てれば企業が来るといった、採算性や必要性を度外視した、安易な企業の呼び込み方式の破たんです。この教訓を生かさずに、新球技場は予算をどんどん膨らませ、負の遺産がまた増えるのではという懸念を抱かずにはいられません。そして、下関北九州道路は、その必要性、採算性などが鋭く問われています。

下関北九州道路の必要性について市長は、現在ある関門橋、関門トンネルの位置が隣接し、どちらも不通になった場合の代替道路が必要だと説明しています。しかし、道路を管理しているネクスコ西日本によれば、「欧米では100年以上使用している橋もある。関門橋も関門トンネルも、メンテナンスをきちんとすれば、まだまだ長期に使用できる。阪神淡路大震災並みの地震でも大丈夫」と太鼓判を押しています。さらに、関門海峡の一部には小倉東断層が走り、ルートによっては、現在ある関門橋や関門トンネルよりも、下関北九州道路はむしろ危ないという指摘もあります。

当局の説明では、下関北九州道路は、まだルートも定かではなく、橋かトンネルかも不明で、そのため構造も、建設費も実施主体も本市の財政負担も不明だといいます。

そこで、本四架橋を調べてみました。本州と四国を結ぶ道路3ルートは、通行料では建設費の借金を返せず、そのため周辺の自治体が大きな財政負担を強いられてきました。建設費は当初予算の7478億円が3.8倍の2兆8662億円に膨らんだうえ、交通量も予測を大きく下回り、国と自治体が出資金という形で、赤字の埋め合わせをする事態になりました。出資金の割合は国が2に対して自治体が1で、大阪府、兵庫県、岡山県、広島県、四国4県と、大阪市と神戸市、8府県2政令市が、2013年4月末までに5622億円を負担しています。出資金といっても返済のめどは全く立たず、事実上の負担金となっています。関係する自治体は、もうこれ以上は負担できないと悲鳴を上げています。

本四架橋の自治体負担の例を、下関北九州道路に当てはめて、本市の負担を大まかに計算しました。本四架橋の自治体の出資金は建設費の約2割にあたりますので、仮に下関北九州道路の建設費が2000億円であれば、自治体の負担額は約400億円になります。本四架橋は10自治体ですが、下関北九州道路は福岡県、山口県に政令市である本市を加え3自治体の負担になると想定されますので、本市は400億円の3分の1、つまり133億円の負担となります。さらに、取り付け道路、例えば都市高速道路の延伸などの負担も必要になるでしょう。

政府はかつて6大海峡道路を計画しましたが、2008年に凍結した経緯があり、今年7月に民主党の緒方林太郎衆議院議員が提出した質問主意書に対しても、「下関北九州道路はを含め、海峡横断プロジェクトについては個別プロジェクトに関する調査は行わないこととしている閣議決定をした」という、ゼロ回答がありました。本四架橋に見るように、国も多額の負担をしてきた教訓に立ってのことと思われ、採算が取れない建設に政府も否定的ということではないでしょうか。

わが党は、公共事業が悪いことだと決めつける立場はとっていません。公共工事政策で大切なのは、国民のいのち・安全、くらしに必要な事業は何か、何を優先すべきか見極めることです。新規の下関北九州道路は優先度が高いとは言えません。今やるべきことは、耐震化対策や老朽化対策などの既存の社会資本の維持管理や更新です。防災・減災対策を言うなら、土砂災害対策、河川改修や、生活道路、上下水道、公共施設などの、より住民に密着した事業を優先すべきです。生活に身近な工事を優先してこそ、地域経済と雇用を守ることができます。

そこで質問します。関門橋と関門トンネルが同時に破損して通行不能になる事態は、具体的にどのような事態が想定されるのか。またそのような事態が、今後30年ないし50年以内に起こる確率がどの程度あると想定しているのか。答弁を求めます。①

本四架橋のような自治体負担が発生することはないと断言できるのか。自治体負担が発生しても建設を要請し続けるのか。答弁を求めます。②

 

2.学校給食の直営校で働くパート調理員の大量雇い止めについて質問します。

本市の学校給食の直営校は現在34校で、そこで働く調理員は、正規職員が98人、パート調理員が303人です。来年の3月末で、委嘱上限の4年が経過するという理由で、パート調理員266人、パート調理員の88%が雇い止めになろうとしています。

この20年間、学校給食は民間委託を進めるために、正規の調理員の新規採用はしませんでした。そのため、学校給食の直営校では、パート調理員が全調理員の約75%を占め、正規の職員同様の調理業務につき、まさに、安全・安心、おいしい給食を支えてきました。

パート調理員は、毎年教育委員会が行う衛生管理、健康のためのストレッチ、メンタルヘルスや「ひやりはっと」などの研修を、正規職員同様に受講し、健康にも気遣い、衛生管理にも細心の注意を払ってきました。食中毒の予防のため、好物の「牡蠣」を何年も食べていないという気遣いをしているといいます。おいしい給食を目指し、野菜は機械ではなく、手で切ってきました。熟練の技があるからこそできることです。

今回委嘱上限の4年が経過するので、雇い止めと言うことですが、この4年という期限は、今から4年前に新たに設定された期限で、それまで、委嘱期間の上限はありませんでした。パート調理員の勤務期間は、最高で足かけ30年をはじめ、20年以上や10年以上のベテランも多く、学校給食で働いてきた熟練のパート調理員が多数含まれています。

学校給食のパート調理員は専門性が問われます。子どもたちに、安全でおいしい給食を食べてもらう仕事です。衛生管理、調理法など、長年に渡って身につけてきた専門性は貴重なものです。一朝一夕で身につくものではありません。一度に266人ものパート調理員を雇い止めして、安全安心の給食、おいしい給食が継続してできるのか、とても心配です。

北九州市まち・ひと・しごと創生総合戦略(案)では、「女性の活躍日本一を目指した女性活躍施策の充実」がうたわれ、施策として「女性の就業、就業継続、キャリアアップ、創業など、女性の活躍を総合的に支援」するワンストップ窓口の設置などが盛り込まれています。学校給食のパート調理員はすべて女性です。266人もの女性を一度に雇い止めすることは、女性の就業継続やキャリア形成に反しているのではないでしょうか。「今まで一生懸命働いてきた。研修も受け、日々の健康にも気をつけて、おいしい給食を目指している。子どもたちとも仲良くなり、愛着を感じている。何としても働き続けたい。」と、多くのパート調理員が雇用の継続を強く望んでいます。多くの女性労働者をやめさせて、その一方で女性を多く雇ったのだから、新規雇用が増えたと言うのでしょうか。女性労働者を道具のように使い捨てにする今回の雇い止めは、考え直すべきだと思います。答弁を求めます。③

 

田中光明議員への答弁(2015年9月14日、本会議一般質問)

 

■市長

(下関北九州道路について)

下関北九州道路については、山口県、福岡県、下関市、北九州市の2県2市をはじめ、地元の関係者とともに長い間政府に対して要望してきた歴史がある。市民の生命、財産を守り抜くことは行政の重要な使命で、防災、減災の考え方に基づき強くてしなやかな地域づくりが求められている。そのためには地域間の交流や連携の強化、施設の老朽化対策、代替機能の確保などが必要だ。

関門地域においては、今後も北九州市と下関市が経済、産業、観光、文化、市民交流など様々な分野で協力し合うことが必要だ。地域間の交流や連携の強化を支援する広域道路ネットワークの形成は重要だ。これが必要性の一つだ。

その次に関門トンネルは、開通から57年が経過した。老朽化に伴う維持、補修や事故などによるトンネルの通行止めに伴い、周辺道路においては渋滞が生じる。関門橋も強風、これは毎秒20メートル以上を指しているが、強風や大規模な事故などによる通行止めが考えられる。

このような事態がいったん起こると、関門海峡間の陸上交通が遮断されてしまうことになる。これからは施設の老朽化へのなお一層の対応や長期的な視点に立って、機能の補完を考えることが必要だ。

必要性の3つは、代替機能の確保だ。関門橋と関門トンネルはほぼ同一の位置にある。この地域で災害などの緊急事態が発生すると、長期にわたって交通が寸断される可能性がある。経済活動などに深刻な影響を与えることも予想されるため、このような大動脈の代替機能を確保する必要があると考えている。

経済活動に与える影響だが、九州、中国の地元経済団体が中心になって設立された下関北九州道路建設促進協議会が行った調査によると、交通が遮断された場合、ヒト、モノの移動コストが高くなり、生産活動における原材料や部品の調達に支障が生じる。このためこうした経済損失額を全国的に積み上げると、年間14兆円程度になると算出されている。

この調査結果は、もしもこうした事態が生じれば、我が国全体に大きな影響力を及ぼすということを指している。このデータからもいざという時のための代替機能の確保は極めて重要だと考えている。

議員お尋ねの、橋とトンネルが同時に破損して通行不能になる事態については、あってはならないことだが、大規模地震と同様、ないともいいきれない。そのため両道路を管理するネクスコ西日本では、日常的な点検や補修工事、およびトンネルでの概ね10年周期で、関門橋では平成23年度から約10年かけて大規模補修情事にとりくみ、安全性の向上や長寿命化を図っているところだ。またトンネルの大規模補修工事においては、一度につき平均131日間、全面通行止めを行っている。この補修工事中に橋で事故が発生し、同時通行不能が発生することは十分考えられる。ことしのゴールデンウイーク中には、事故により関門自動車道上り線が5時間余り、関門トンネル上下線が1時間、同時に通行不能となり、交通に大きな支障が出たところだ。

安定的な交通の確保は、喫緊の課題となっている。

地元自治体負担については、現状では、国に自ら調査を行うように働きかけている段階だ。ルートや構造、事業費、事業手法などが何も決まっていない中で、お答えは差し控えさせていただく。

今年8月には、山口、福岡県両県知事と下関市長や議員連盟会長、経済界のトップとともに、太田国土交通大臣、麻生財務大臣をはじめ政府関係者に対し、早期整備の必要性を強く訴えてきたところであり、一定の理解が得られたものと受け止めている。今後とも、国家プロジェクトとしての下関北九州道路の早期実現に向けて、様々な方法で国への働きかけを行っていく。

 

■教育長

 (学校給食パート職員の雇い止めについて)

学校給食調理業務に従事する嘱託のパート調理員をはじめ、現在、本市の嘱託員の委嘱期間については最長1年間としている。また勤務実績が特に良好であれば、再度の委嘱はできるが委嘱者の身分、処遇の固定化を防ぐために委嘱要件を設けている。

パート調理員については、異色上限を年としておりその旨は勤務条件を示した委嘱条件通知書を交付して、毎年度の委嘱の際に明示しているところだ。

今年度、委嘱上限をむかえる266人の方に対しても同様で、4年前の平成24年度の委嘱のときから毎年度,明示してきている。今年度末で委嘱満了となることを認識されているものと考えている。

このなかには古くから学校給食調理業務に携わってきた方もおられ、豊富な経験を持った方が多くいることは承知している。来年度、改めてパート調理員として働くことを希望される場合は、公募選考試験に申し込むことができるため、女性労働者を道具のように使い捨てするとの指摘は当たらないものと考えている。

公募選考試験にあたっては、委嘱満了となるパート調理員の方も含めた幅広い人材の中から、学校給食調理業務に必要な能力実証(?)を適切に行い、安全安心な給食に必要な人材を確保していきたいと考えている。

 

 <第2質問への答弁>

■建築都市局長

 (関門橋、トンネルは100年持つというが、市の認識は)

下関北九州道路については、地域間の連携強化、施設の老朽化対策、代替機能の確保ということで必要性をいっている。破損によって通行不能になる事態について,ということも市長からあった。これはあってはならないことだ。大規模地震も含め、そのような事態を想定して備えておく必要があると思う。

先月、台風15号があったが、関門橋は14時間全面通行止めになっている。トンネルにおいても渋滞が発生している状況だ。このような工事、自然災害、事故、このようなことも十分考えられるので、代替機能の確保は非常に重要だということで、下関北九州道路の取り組みについてはやっていきたいと思っている。

 

 <第3質問への答弁>

■建築都市局長

 (関門橋等は阪神・淡路大震災程度の地震では壊れないのではないか)

地域防災計画については、考え方というのがあるが、関門トンネル、関門橋、こういうものが通行止めとなると、関係機関と協議しながら空中輸送、水上輸送、そういうことで行うということで考えているということだ。

地域防災計画に基づいては、もし必要なことがあれば対応していくということだ。

 

 <第4質問への答弁>

■建築都市局長

 (地震で壊れることがあるのかないのか、聞いている)

答弁の繰り返しになるが、そういうことがあってはならないということを言った。大規模地震と同様に絶対にそういうことがあってはならないと。しかし、そういうことのなかで、ネクスコ西日本については日常点検、補修工事、そういうものをちゃんとやって大規模補修工事に取り組んで安全性の向上、長寿命化をはかっているということだ。

 

 <第5質問への答弁>

■建築都市局長

 (緒方衆院議員の質問主意書への答弁について、どう考えているか)

まず質問主意書については、これは政府の見解を述べているが、それについて答えていると理解している。

以上

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