更新日:16年01月06日

2015年12月定例会 山口涼成議員の議案質疑(60分)



2015年12月4日(金)

◎山口涼成議員の議案質疑(60分)

議場の皆さんこんにちは、日本共産党の山内涼成です。私は、日本共産党市議団を代表して議案質疑を行います。初めに、議案178号、北九州市職員の給与に関する条例等の一部改正について伺います。

人事委員会の勧告制度は、地方公務員の労働基本権が制約されていることの代償措置として設けられているものであり、本市職員の給与水準を社会一般の情勢に適応させるよう、市内民間事業所の従業員の給与水準との均衡を図ること、いわゆる民間準拠を基本に市長と議会に対し勧告を行う制度です。

この民間準拠を基本に勧告を行う理由として、職員も勤労者であり、勤務の対価としての適正な給与の確保が必要である中で、その給与は、民間企業と異なり、市場原理による決定が困難であることから、労使交渉などによりその時々の経済・雇用情勢などを反映して決定される市内民間事業所の従業員の給与に準拠して定めることが最も合理的であり、職員をはじめ広く市民の理解を得られる方法であるとしています。

本年の給与勧告等のポイントは、月例給については、民間給与との較差解消のため833円、(0.20%)引き上げるものの若年層に重点を置いたものとなっており、期末・勤勉手当は、0.1月分引き上げ勤勉手当に配分する、また、給与制度の総合的見直しを平成28年4月から実施するとしています。

人事委員会は、本市職員と民間従業員との給与調査で、企業規模、事業所規模ともに50人以上の市内民間事業所406事業所のうち無作為抽出された158事業所について人事院と県人事委員会と共同して調査したとしていますが、人事院と県人事委員会はどのように関与しているのでしょうか。また、若年層に重点を置いた引き上げとしていますが、初任給については民間の大学卒が198,503円、本市の行政職上級が186,018円と較差の是正が進んでいません。優秀な人材の確保のためにも民間並に較差を縮める必要があるのではないでしょうか。見解を伺います。①

次に、給与制度の総合的見直しについて伺います。

昨年8月に人事院が勧告した国家公務員の給与制度の総合的見直しは、民間賃金の低い地域における官民給与の実情をより適切に反映するため平均で俸給表の水準を2%引き下げ、官民の給与差を踏まえた50歳代後半層の俸給表の水準を最大で4%引き下げるとし、これに伴って、それまで3%から18%となっていた地域手当の支給割合を、東京都特別区などを最大20%に引き上げるものです。

しかし、地方公共団体の約75%はこの地域手当は非支給地域に属しています。

そもそも本市には人事委員会制度があり、地域の民間賃金の水準をより的確に反映されているはずです。国家公務員給与の地域間較差の見直しに準拠する必要は全くなく、本市の勧告では地域手当は3%に据え置かれ、給料表水準のみ平均2%、最大4%の給料表水準の引き下げとなれば、職員の単なる生涯賃金の引き下げと人件費抑制にしかとらえられず、労働基本権制約の代償措置としての人事委員会の信頼は得られません。また、地方公務員の給与は民間賃金の指標となっていることから負のサイクルを引き起こし地域経済にも影響します。

国の総合的見直しは本来、地域ごとの民間賃金をより的確に公務員給与に反映させるための制度です。本市においては、地域の民間給与水準が本市職員の給与水準を上回ったことにより、本市職員の給与水準を引き上げる勧告を行いました。その一方で、人事委員会として事実上、民間給与を下回る国の制度導入を勧告するのは人事委員会制度そのものに不信感を抱くことになりかねません。見解を求めます。②

次に報告について伺います。

まず、これからの人事・給与制度についてです。

今回、人事委員会が行った「職員の給与等に関する報告および勧告」では、これまでも職員の能力及び実績を適切に評価する人事評価制度の実施と、その結果を人事配置や給与などに反映してきたところであり、職員の士気高揚や組織活力の保持のため、引き続き、適切な人事給与制度についての検討を行う必要があるとしています。

国は、2009年10月、国家公務員に対して新たな人事評価制度を本格実施し、2010年6月には勤勉手当への評価結果を反映させ、2011年1月から昇給への評価結果の反映という流れを経て、2016年4月から改正地方公務員法が施行されます。

この改正地方公務員法のポイントは、能力及び実績に基づく人事管理の徹底です。一つ目は、能力本位の任用制度の確立として、任用(採用、昇任、降任、転任)の定義を明確化するとともに、職員の任用は、職員の人事評価その他の能力の実証に基づき行うもの。二つ目には、職員がその職務を遂行するにあたり発揮した能力及び挙げた業績を把握したうえで行われる人事評価制度を導入し、これを任用、給与、分限その他の人事管理の基礎とする。三つ目には、分限事由の明確化として、その一つとして「人事評価又は勤務の状況を示す事実に照らして、勤務成績が良くない場合」と明確化する。等です。

この制度導入の目的は、民間の手法を取り入れ、職員の能力や実績を的確に把握した適材適所の人事配置やメリハリのある給与処遇の実現と、業務遂行意欲を向上させることによる公務能率の一層の増進をうたっていますが、そもそも民間と公務には組織の目的の違いがあります。民間は利潤の最大化を目的とし、市場がシグナルとなり、目的を達成したかどうかが明確になります。一方公務においては、住民の満足度の向上を目的とし、多種多様な住民ニーズを満たしているかどうかを把握することは非常に困難で仕事の成果が見えにくく評価する側もどのように評価するべきか不明です。増してや評価する側の恣意的な評価や納得できない人事が蔓延すれば、職員の自由な発想は埋没し、職員間の協調性は削がれ、士気は下がり市民サービスにも影響を及ぼすことになります。人事・給与・評価制度についてどのような検討がされているのか、また、その課題について、どの様な認識を持っているのか、見解を伺います。③

次に、雇用と年金の接続について伺います。

本市における再任用制度は、国家公務員の高齢雇用対策として2001年から始まった公的年金の基礎年金部分の支給開始年齢の65歳への段階的引き上げに対応し、同年度に60歳定年後の継続勤務のための任用制度を受けて同様の趣旨で導入されたものです。

当初は、60歳で定年後、年金と合算して70%程度の賃金設定とされていたために、年金支給が段階的に引き上げられている現在は、60歳で定年後には賃金はおおむね50%に据え置かれたままで、無年金での生活を強いられています。再任用職員は職場では定数として位置づけられ、他の職員と同様の仕事をこなし長年の経験を活かし行政サービスに貢献していることを考えればあまりにも理不尽です。

2010年の人事院勧告では民間の定年以降の賃金は定年退職前の70%程度、30数万円が支払われていることが報告されています。さらに民間では、高年齢雇用継続基本給付金の制度が用意され、定年退職後に働く者に対する所得の激減を緩和する措置もあります。

無年金の期間が発生することを知りながら問題を放置し、本年も引き続き調査研究をするにとどめるのではなく、早急に定年後の賃金水準を民間並みに引き上げ、年金との接続可能な制度に改善すべきです。見解を伺います。④

次に、仕事の見直しと時間外勤務の削減について伺います。

時間外勤務の削減については、報告の中でも触れられている通り、職員の健康保持はもとより、女性職員の活躍やワークライフ・バランスを推進するための環境整備として必要不可欠です。しかし、その実態は、部署により異なる時間外勤務時間や1時間位なら申請しないなどのサービス残業、年次休暇の取れない職場など解決されていない問題は山積しています。上司は超勤の削減を迫りますが、休めば自分の仕事が溜まるだけ、時間外勤務時間が人より多くなれば勤務評価につながるのではなど、実際の職場の環境は数字に表れていない職員の苦悩に満ちています。

任命権者や所属長は、この実態を踏まえた環境整備を行うための意識改革と時間外勤務の適正管理に努めなければなりません。一向に進まない時間外勤務の削減についての見解と今後どのように仕事の見直しに取り組むのか答弁を求めます。⑤

また、27年度の職員全体の29.8%を占める臨時・嘱託職員も臨時的・補助的な位置づけであるにもかかわらず時間外勤務を強いられている現実も無視できません。本来、臨時的・補助的な位置づけであることから時間外勤務など想定していないためにほとんどの嘱託職員の所定内労働時間は週30時間となっています。労働基準法では、週40時間を超えた場合に割増賃金を支払わなければならないとされており、週30時間を超えても週40時間までは割増賃金が支払われていません。臨時的・補助的な職として所定内労働時間を週30時間に設定して、安い賃金で雇用し時間外労働が生じたら通常の時間単価で10時間分働かせていることになります。時間外勤務が生じる職場で任用されている嘱託職員は、職員と同じ所定内労働時間に改めるべきです。もしくは週30時間を超えた時点での割増賃金率を設定し、時間外労働時間と位置付けるべきと考えますが見解を伺います。⑥

次に、勤務環境の整備について伺います。

本市においては、平成23年4月に策定した「北九州市職員の心の健康づくりのための計画(第2期)」に基づき、職員のメンタルヘルスに関して様々な施策を実施してきた結果、精神疾患による休職者は減少傾向にあるものの、休職中の職員の約7割は精神疾患によるものとなっています。精神疾患は、一度患うと、長期化や再発を繰り返すことも少なくないことから、一次予防の取り組みが重要になります。

本年12月から、労働安全衛生法の改正に伴い、従業員50人以上の事業者には「ストレスチェック制度」の導入が義務付けられます。

「北九州市職員の心の健康づくり計画(第2期)」の最終年度となり、これまでの施策に対する評価・検証を十分に行ったうえで、次期計画においてさらに効果的な取り組みが期待される中で、メンタルヘルス不調となることを未然に防止する一次予防を主な目的とした「ストレスチェック制度」を本市としてどのように取り組むのか見解を伺います。⑦

 

次に議案191号北九州市教育施設の設置及び管理に関する条例の一部改正について伺います。

北九州市行財政改革大綱に基づき、公立幼稚園では、幼児教育の課題解決に必要な教育・研究実践機能を担うこととし、そのために必要な園数で運営することにより、本市幼児教育の維持向上に努めることを目的として、現行の8園から4園に縮小するとしています。

本市の公立幼稚園の特徴は、第1に、小学校との人事交流により小学校での教員経験がある幼稚園教諭を配置していること。第2に、近隣に小学校や特別支援学校があり、行事や教員相互の交流が比較的容易であること。第3に、幼稚園及び小学校、特別支援学校における教育が「北九州市子どもの未来を拓く教育プラン」において連続性・一貫性をもって構成されているため校種間連携の場合に、体系的な教育を組織的に行うことができること。第4に、子ども家庭局や保健福祉局、市の機関との連携を図りやすいことなど公立ならではの強みを持っています。

これまでの公立幼稚園における成果は、幼稚園教育要領に基づいた多様な教育活動を展開するとともに、文部科学省や国立教育政策研究所の調査研究委嘱、全国幼稚園教育研究会の全国大会や研究発表会など、幼児教育に関する研究を行ってきました。そしてその成果を公開保育や私立幼稚園との教育課程合同研修を通して広く発信するなど、本市の幼児教育水準の維持・向上に一定の役割を果たしてきました。

北九州市教育委員会は平成27年5月に公表した公立幼稚園の今後の方向性の中で、昭和40年から50年代にかけて、ベビーブームによる幼児数の増加に伴い、就園機会の地域格差の是正などを目的に、各区に公立幼稚園を設置してきた。現在では、私立幼稚園が市内に91園(休園中の6園を除く)あり、通園バス等を利用することにより市内全域を通園エリアとしてカバーしていることから、就園機会の格差は解消していると考える。また、平成26年度の公立と私立を合わせた園児数は、すべての行政区で認可定員を下回っている。さらに、全市合計では、認可定員20,125人に対して、園児数は14,055人となっており、認可定員に対する充足率は69.8%と、6,000人を超える余裕が生じていることからも、市内幼児の幼稚園への就園機会は確保されていると考えられる。こうしたことから、公立幼稚園における単なる就園機会の提供という役割は終えつつある。

しかし、近年の幼児教育においては、基本的な生活習慣の欠如やコミュ二ケーション能力の不足、自制心や規範意識の不足や発達障害などの早期発見、早期支援の充実、また、小1プロブレムといわれる小学校生活への不適応などの課題が指摘されている。

こうした、幼児教育の課題解決のために求められる教育・研究実践に取り組み、その成果を広く私立幼稚園等に発信し、本市全体の幼児教育水準の維持・向上に努めることは、教育委員会の責務であると考える。としています。

私は、その時代が求める課題に応えることが公の役割だと思います。今、子どもの貧困や、子育ての困難が広がる中で質の高い幼児教育の提供が求められています。そして、その教育を誰もが平等に受けることができるようにするためにも現行の8園の公立幼稚園は存続させるべきです。

アメリカの国立小児保健・人間発達研究所(NICHD)のデータでは、保育の質が子どもの発達にどう影響するかを世帯の年収別に見ると、年収が高い世帯では保育の質による子どもの発達にあまり差はありません。ところが経済的に苦しい世帯では、保育の質が子どもの発達に大きく影響し、質の高い保育を受けることで子どもの発達における格差を緩和できるとし、格差は雪だるま式に累積するため経済的に恵まれない層も含めて幼児教育・保育の質を高めていくことが、社会保障政策的にも意味があることを指摘しています。

これまで公立幼稚園の特徴を生かし培った質の高い幼児教育の研究成果の発信力を低下させ、平等に就学前教育を受けることができる公立幼稚園を廃止すべきではありません。

そこで、2点伺います。

現在、就園奨励費補助は年2回に分けて保護者に助成されていますが、生活保護世帯等は、もともと所得が少ない中で、さらに就学前教育を受けるために生活費を削らなければなりません。公立幼稚園がなくなれば、2、3倍となる私立幼稚園の保育料は負担が大きく私立幼稚園に行かせることはできません。また、公立幼稚園は、段階的に保育料を引き上げるとしていますが、質の高い幼児教育を広く提供できる場が狭められることになります。見解を伺います。⑧

単なる就園機会の提供という公立幼稚園の役割は終わりつつあるとしていますが、これまで、幼児教育の必要性を教育委員会の責務と位置づけ、その役割を担ってきた公立幼稚園をこれ以上削減すべきではないと考えますが見解を伺います。⑨      以上で第1質問を終わります。

 

山内涼成議員の質問への答弁

■市長

(市職員の時間外勤務削減等について)

健全な市政の運営を進めるためには、それを担う職員が心身ともに健康であることがその大前提だ。本市においては、職員の健康維持・増進やワークライフバランスの実現のため、時間外勤務の削減に継続的に取り組んできた。

具体的には総務事務などの見直しを全庁的視点から行う事務改善の推進、年に2か月定時退庁を行うノー残業マンスの実施、所属長に対する時間外勤務適正管理の通知など様々な観点から時間外削減に取り組んできた。その結果、ピーク時だった平成11年度と比較すると、平成26年度には25.6%の削減を達成している。

一方で18時以降の退勤時には、守衛室前のタイムレコーダーを使用させるなど退庁管理を徹底するとともに、退勤時間のデータを活用し時間外勤務申請が適正になされているか調査するなど、いわゆるサービス残業の防止等も図っている。

しかしながら平成23年度以降の時間外は、ほぼ横ばいの状態にあるためより一層の削減に向けた努力が必要と考えている。そこで今後、継続強化する全庁的な取り組みとして、予算や人事に関する事務などの見直し、ノー残業マンスの拡大、課長職を対象としたタイムマネージメントなど時間外勤務削減のための研修、時間外に行われるイベントに従事する際などの勤務時間の柔軟な運用などに取り組むことにしている。

また時間外勤務を削減するにあたっては、職員個人の努力に頼るのではなく組織として仕事をマネ―ジメントすることが重要だ。このため、職場ごとの取り組みとして会議の進め方の見直しや資料のスリム化などによる業務効率の向上、時間外勤務状況の見える化、業務分担の適正化などによる職場環境の改善、事業のさらなる効率化や必要性の再検討などによる抜本的な仕事そのものの見直しなども進める。時間外勤務の削減につながる仕事の見直しを行っているところだ。

職員の健康保持、ワークライフバランスの実現にとって時間外勤務の削減は重要な取り組みだ。このため今後とも継続して取り組んでいく。

(ストレスチェック制度について)

本市では国の指針などを踏まえ、平成20年4月に北九州市職員の心の健康づくりのための計画第1期を策定して、さらに平成23年度からは第1期計画を継承する形で第2期の計画を策定し、メンタルヘルス対策に取り組んできた。全国の政令市の状況を見ると、長期病休者、休職者ともかつて北九州市は、平成21年度だが、非常に多いという時期があった。9位だ。しかしそれから着実に低減してきて、現在は15位というところにきている。本年はこの第2期計画の最終年度だ。専門家による評価と分析を行い、おおむね良好との評価を受けるとともに、今後はより一層の啓発、教育に努めることとの提言も受けている。

平成26年度に労働安全衛生法が改正された。職員のメンタルヘルス、不調の未然防止、一次予防を目的に医師、保健師などによる心理的な負担の程度を把握するための検査、ストレスチェックを年1回実施することが事業者に義務付けられた。ストレスチェックは調査票を用い、ストレスの程度を点数化し、評価するという方法で実施することとなっている。

制度のポイントとしては、まず検査の結果、高いストレスと判定された職員から申し出があれば、医師による面接指導を実施すること。次に面接の結果に基づき、必要に応じ就業上の措置を講じること。第3に努力義務だが、組織単位の集団分析の結果を踏まえ、職場環境の改善に活用すること、などだ。

本市ではストレスチェックを平成28年度から始まる第3期計画の主要な事業と位置づけている。来年度に向けて実施方法などのルール策定や職員への周知、情報提供などを行うこととしている。議員ご指摘のようにメンタルヘルス対策においては、一次予防の取り組みが大変重要と認識している。このストレスのケアにとどまらず、ストレスチェックを受けた職員が自分のストレスの状況を知り、セルフケアのきっかけとなるよう事前の周知、啓発に努めるとともに、多くの職員に受験を促したいと考えている。

また職場単位のストレス要因の分析を活用し、職場のストレスを低減させる職場環境改善の実施方法も検討していく。

 

■人事委員会事務局長

(職員給与等について)

人事委員会では、市職員の給与と市内民間事業所従業員の給与の水準を比較するため、民間事業所において各従業員に支払われた給与月額等の調査を、人事院が定めた全国一律の方法により、人事院及び県人事委員会などと共同で実施している。調査の内容は、4月分給与、初任給、賞与、給与改定状況などで、調査対象は企業規模、事業所規模ともに50人以上の市内民間事業所から人事院が無作為に抽出した事業所となっている。

実際の調査にあたっては、調査を効率的に行うため人事院及び各人事委員会が分担して各事業所を訪問し、実地で調査を行っているところだ。またこの調査で得られたデータを人事院が取りまとめて、その内市内分について本市人事委員会が提供を受けているところだ。

初任給の公民格差については、近年、民間給与実態調査の結果、市職員の初任給が民間の初任給を下回っている状況であることは認識している。人事委員会としては昨年に引き続き本年も、公民給与格差解消のための給料表の改定にあたっては、若年層に重点を置いた改定を行う必要があると言及したところだ。しかし人事委員会としては、公民格差が0.2%、833円と小さい状況にあって初任給部分を一気に引き上げることは、給料表の構造上、また格差原資内の改定という制約からは技術的に困難だと思うので、初任給の公民格差解消までは具体的に言及していない。

(給与制度の総合的見直しについて)

昨年人事院が給与制度の総合的見直しを勧告したことを受けて、人事委員会としても昨年、国の改定内容や他都市の見直し状況などを勘案し、本市の給与制度および本市職員の実態を踏まえながら、本市における給与制度の見直しの必要性や実施方法などについて調査、研究を進める必要があると勧告した。

地方公務員に給与に関しては、地方公務員法により生計費、国及び他の地方公共団体の職員の給与、民間事業者の給与などとの均衡を図らなければならないとされており、人事委員会としては、従来から給与制度は校務としての類似性から国の制度を基本とし、給与水準は市内民間給与を重視する中で給与勧告を実施してきたところだ。

昨年の国における総合的な給与制度の見直しは、給与制度全体において世代間、地域間の給与配分の見直しを行う中で、俸給表構造を変更するものであり、単なる給与コウキュウ水準の引き下げではなく、制度面での見直しという側面も有する。また他都市においても、給与制度総合的見直しに向けた取り組みがなされている状況のもと、人事委員会としては法における給与決定原則に照らして国に準じた見直しは必要であるとの結論に至り、勧告を行ったところだ。

 

■総務企画局長

(人事給与制度の検討状況)

行政需要が高度化、多様化するなかで、市民ニーズに的確に対応していくためには、職員一人一人が困難な課題を解決する能力を持ち、高い業績をあげることがこれまで以上に求められている。こうした状況の中、人事評価制度は任用、給与、分限、その他の人事管理の基礎となるとともに職員の能力開発についても重要な役割を果たしている。

本市の人事評価制度は、定期評定制度と目標管理制度の二つに制度を基本としている。定期評定制度については、実績だけではなく責任感や協調性など、職務への取り組み姿勢を評価するとともに、評価の結果を適材適所の人事配置や上司によるOJTに活用しているところだ。

また成果を重視する目標管理制度については、対象を管理職に限定しており、各職員に求められる役割、職責に応じた制度を運用している。今回、地方公務員制度が改正されて制度の円滑かつ適切な運用のため、評価の客観性、透明性を高める取り組みを重視させるよう要請があったが、本市においてはすでに恣意的な評価や評価のバラツキを防止するための評価基準の公表や希望者等への評価結果の開示、また人事評価に関する苦情に対して、迅速かつ的確に対応するための苦情相談制度についても整備しているところだ。

今後は定期評定制度について、現在の評定項目を検証するとともに職員としてよりわかりやすい具体的な評価基準となるよう見直しを検討しているところだ。また平成26年2月に策定した北九州市行財政改革大綱では、人事評価制度の再構築を進めながら評価結果を昇給や勤勉手当に反映し、より充実させることとしている。その取り組みとして主に管理職を対象に人事評価結果に応じて昇給幅にきめ細かく差をつける制度、いわゆる査定昇給制度を実施するとともに、被評定者自らが数値目標等を設定しその達成度が評価される目標管理制度を拡充するなど、本人の頑張りや努力の積み重ねを正当に評価したうえで給与面でその違いが実感できるような仕組み作りを行っている。

今後とも職員が高いモチベーションをもって職務遂行ができるよう、職員の声にも耳を傾けながらよりきめ細やかな取り組みを展開したいと考えている。

(再任用職員の給与について)

再任用制度については、年金支給開始年齢が段階的に引き上げられることにより、雇用と年金の接続を図り、60歳代前半の職員の生活を支えること、定年退職者が長年培ってきた知識、経験を公務内で活用する観点から、国において平成13年4月に導入されており、本市では国の制度に準じて平成14年度に導入したところだ。

再任用職員の給与について国は長期勤続雇用を前提とする定年前の職員とは異なり、職務に応じて単一の俸給月額を設定していて、本市においても国と同様に職務に応じた単一の給料月額としている。

本市の再任用職員の供与水準だが、国の再任用職員との均衡とを考慮して決定している。国の再任用職員の給与は、現在主任級の再任用職員の年間給与が300万円台半ばであるのに対し、本市においても同様の水準となっていて民間企業における高齢従業員の年間賃金、これは320万円から386万円とされているが、それともおおむね均衡が図られていると考えている。

政府は平成28年度までに、人事院が国会および内閣に行った定年を段階的に65歳までに引き上げるための国家公務員法等の改正についての意見の申し入れ、この申し入れを踏まえて定年の段階的引き上げや再任用制度の活用の拡大、その他雇用と年金の接続のための措置を講ずることについて検討するものとされている。

このような中で人事院は本年の報告で、再任用職員の給与について民間企業の再雇用者の給与の動向等を踏まえ、引き続きそのあり方について必要な研究を行うこととしており、人事委員会の本年の報告の中で国における検討状況を注視し、引き続き調査、研究をしていく必要があると言及しているところだ。

再任用制度は国に準じていることから、本市としても今後の人事委員会の検討状況や他都市の状況等を注視しながら引き続き調査、研究を続けていきたいと考えている。

(嘱託職員の時間外勤務の報酬について)

本市では地方自治法の要請である簡素で効率的な組織、人員体制の確立を念頭にきめ細かな人員配置を行っている。配置にあたっては職員に過度な負担がかからないような配慮をすることが重要であるため、行財政改革等の進捗に合わせ市全体の仕事量を見極めながら慎重に対応している。

その中で、市が直接実施する必要がある業務については、正規職員による対応を基本としつつ専門的知識や資格、経験を要する業務、また短時間で処理が可能な業務について嘱託員を配置するなど、効果的かつ効率的な行政運営に努めているところだ。議員ご指摘の嘱託員の勤務時間については、地方公務員法で国及び他の地方公共団体との均衡が求められている。本市では法の趣旨に基づくとともに、従事する職務の内容等を考慮したうえで概ね週30時間としており、国や他の自治体と同様だ。

また報酬は、労働基準法をはじめ関係法令に基づき、正規職員の給与との均衡を基本に職務内容や困難度に基づいて決定している。さらに、仮に時間外勤務が発生した場合には、労働基準法の定めるところにより、時間外勤務手当に相当する報酬を支給している。本市においては、嘱託員の勤務時間の設定や報酬の支給等にあたって地方公務員法や労働関係の法令等を遵守しながら適切に行っていると認識している。

いずれにせよ嘱託員のみなさんの処遇改善や時間外勤務削減に向けた取り組みを推進していくことは極めて重要だと認識している。今後とも仕事そのものの見直しや仕事の進め方の見直しに取り組むなど、きめ細かな対応に努めたい。

 

■教育長

(子ども子育て新制度での保育料問題)

本年の4月から子ども子育て支援法が施行され、子ども子育て支援制度への移行に伴い、公立幼稚園も私立幼稚園と同一の制度で運用されることになった。新制度では、幼稚園の保育料は保育所と同様に保護者の所得に応じて保育料が設定される、いわゆる応能負担の仕組みが導入されている。従って、自治体が運営する公立放置園の保育料についても私立幼稚園を均衡を図ることとなっている。

このため今後の本市の公立幼稚園の保育料についても新制度に移行する私立幼稚園と同額とすることとし、本年6月の議会で承認をいただいたところだ。保育料の引き上げにあたっては、現在、本市の公立保育園の保育料月額の7700円だが、これが新制度に移行する私立幼稚園よりもかなり低い金額であることから、激変緩和のために平成28年度から3年間で段階的に引き上げる経過措置をすることにより保護者負担の軽減を図ることとした。

このほか、今年度までに入園した在園児の保育料は卒園まで現在のまま据え置くこと、さらに現在徴収している入園料、5550円だが、これについては廃止することとしている。

また生活保護世帯だが、これは保育料が無料だ。市民税非課税世帯については大幅に低減した金額、月に3000円となっているが、この場合でもひとり親家庭は無料だ。それから二人目の保育料に関しては半額、3人目以降は無料となっている。このように保護者の状況に応じた負担軽減を図る仕組みとなっている。

このように公立幼稚園については、保育料引き上げにあたって生活保護世帯等の経済的に困窮している家庭の負担軽減に十分配慮しているが、私立幼稚園についても国基準額より軽減した保育料の設定や就園奨励費補助により低所得者などに配慮した軽減措置が図られているところだ。

(市立幼稚園廃止について)

今回の公立幼稚園見直しの背景だが、まず本市の3歳から5歳の幼児数は昭和50年度には約5万5000人だったが、現在はその4割程度に減少している。公立幼稚園の園児数は昭和50年度には1773人だったが、今年度は312人と大幅に減少している。

市内の幼稚園児のうち、98%、1万3626人は私立幼稚園に通っており全体の98%を私立幼稚園が担っている。園児一人あたりの本市の財政負担額は昨年度、26年度の決算ベースで公立が105万円に対して私立は12万円と大きな格差が生じている。

一方、行財政改革の取り組みにおいては、民間にできることは民間にゆだねるということから、研究実践教育を担うために必要な園数で運営する方向ということで公立幼稚園が位置づけられていて、その方向でこれまで検討をすすめてきた。こうしたことを踏まえて、今後の公立幼稚園の体制については、まず本市の幼稚園の定員に対する充足率は公立と私立を合わせても7割程度であり、供給は満たされていること。複数の課題に対応するには一定の園数が必要なこと、地域的なバランスに配慮すること、こういったことを総合的に勘案し、半数の4園は必要との結論に達したところだ。

今後は、存続する4園において一つは幼稚園教育要領に基づいた保育のあり方や教材の作成、また特別な教育的配慮を要する幼児への対応、さらに小学校教育への円滑な接続、こういったことに関する教育、研究実践に取り組むこととしており、これが今後の公立幼稚園の役割だと考えている。

こうした教育研究実践の成果を活用して、教育センターを中心に従来から実施している私立幼稚園の教員を対象とした資質・能力の向上及び人材育成に関する研修、公開保育や研修での発表、ホームページの充実などによる情報発信、未就園児を対象とした園庭開放や子育て相談の実施、家庭や地域に対する幼児教育の重要性に関する広報、啓発の推進、こういったことに取り組み本市全体の幼稚教育水準の維持向上に努めることが教育委員会の責務と考えており、存続する園でしっかり取り組んでいきたい。

 

<第2質問以下の答弁>

■人事委員会事務局長

(民間給与の調査のあり方について)

調査をするだけということで、とりまとめも、どういうところを調査するかというのも、人事院のほうで決めている。

 

(総合的見直しは給与水準の引き下げになるのでは)

現段階で来年の民間の給与改定の状況はわからないし、また総合的見直しによる給与水準の引き下げ幅についても、今回、条例で提案されているものは減給補償による経過措置が予定されているので、具体的な見込みについて申し上げるのはなかなか難しいかなと思う。

平成18年の給与構造改革時、これも国に準じて給与水準の見直しを行ったが、市内民間給与との均衡は大都市の人事委員会勧告、民間との給与の較差を調べる中で、4月の時点で調べるので、そこで格差を解消して均衡は毎年とれていると認識している。

 

■総務企画局長

(嘱託職員の時間外勤務手当を支払うべき、との質問)

嘱託職員の給与については、国に準拠したものにしているし、時間外をした時の報酬についても労働基準法の範囲内できちんと対応していると考えている。

 

■教育長

(就園奨励費について)

就園奨励費の仕組み上、これの所管は私立幼稚園の場合は子ども家庭局になっているが、後から入ってくるという仕組みだが、仕組み上、そういうことになっている。仕組みとして理解をいただきたい。

(保護者説明会で理解してもらったという認識か)

5月にこの計画を公表してい以来、30回あまりやってきた。各保護者の中にはいろんな意見があるが、その中で一番の懸念は、障害のある子どもさんをお持ちのかたが不安がないかどうかということだったと思う。この件に関しては、先日、市長の記者会見の中でもお話があったが、来年度の予算要求として心配のないようにということで、特別な支援を要する子どもたちを受け入れる、私立幼稚園を、まあ今でもたくさん受け入れていただいているわけだが、より受け入れやすくするための教員配置を手厚くする仕組み、それから専門家などによる相談体制を充実させること、そして保護者に情報提供を充実させる、こういったことについて取り組みたいということで、予算要求をしている。

こういったことで、保護者のみなさんの不安はかなり解消されるのではないかと思っている。

(特別支援教育。後で市立幼稚園を残しておけばよかったということになるのではないか)

すでに全体の98%の子どもさんは、私立に通っているわけだから、8園を4園にするということでも、その公立の役割をきっちり果たしていくということで考えている。

(特別支援教育のことだが)

特別支援教育では、誤解のないようにお願いしたいが、現在でも私立幼稚園で相当数の子どもさんを受け入れていただいている。あたかもすべて公立が受け入れているということではないわけで、それをより受け入れやすくするためにということでの今回の案なので、私立幼稚園、公立幼稚園いっしょになってしっかり受け入れられる体制ができると思っている。

以上

 

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