更新日:16年01月06日

2015年12月定例会 大石正信議員の議案質疑(60分)



2015年12月4日(金)

◎大石正信議員の議案質疑(60分)

私は、日本共産党北九州市会議員団を代表して、議案質疑を行います。

1)マイナンバー制度について 

まず、議案第174号北九州市個人情報保護条例等の一部改正について、議案第181号北九州市個人番号の利用に関する条例について及び議案第183号北九州市市税条例の一部改正について伺います。

今回の条例改正は、マイナンバーを利用するために、国が定めている事務以外に本市が社会保障、地方税、防災に関する事務等を取り扱うことや執行機関の部局間で行っている情報連携をマイナンバー法施行後も引き続き行えるようにする等のために所定の改正を行うものです。

わが党は、国会で関連法案に対して、マイナンバー制度は、納付に見合う給付の名のもとに社会保障削減と税や社会保険料の徴収強化に使われる危険があり、加えて国民一人一人に原則不変の個人番号を決め、個人情報を簡単に照会できるシステムをつくることは、プライバシーの侵害、なりすまし犯罪を常態化させる恐れがあることから反対しました。

また、今年5月、日本年金機構から125万件の年金個人情報が洩れたことは記憶に新しく、最近では、厚生労働省情報政策担当参事官室長補佐が情報関連会社に便宜を図った見返りに、現金100万円の賄賂を受け取った事件や、茨城県取手市で、住民票を発行する自動交付機の設定ミスで誤ってマイナンバーを記載した住民票69世帯分を発行した事件に見られるように、情報漏洩を100%防ぐことは、不可能であり、マイナンバー制度の運用開始を前に国民に大きな不安が広がっています。

以下、2点質問します。

◆第1に、マイナンバー制度は、導入費用3,000億円が見込まれながら具体的なメリットも費用対効果も示されていませんが、議会、市民等に対し、本市での費用対効果、予算額と職員の体制強化を明らかにすべきです。加えて、マイナンバーの導入により、市民にどのようなデメリットが生じるのか、市民が自分のマイナンバー提示を拒否した場合や忘れた場合、各種の届出を受付けないのか。また、未提示の場合、不利益はあるのか。答弁を求めます。①

◆第2に、内閣官房における第9回マイナンバー等分科会で示された、「マイナンバー制度利活用推進ロードマップ」(案)では、3年後に銀行などの預金口座に任意でマイナンバーが付番されるほか、個人番号カードの利用を、運転免許証、医師免許、教員免許、学歴証明、健康保険証、お薬手帳にも拡大することが明らかにされており、国民がカードを待たざるを得ない状況にして、政府が国民を監視できる権限を強化しようとしており、近い将来、際限なくプライバシーが侵害される恐れがあります。

また、何らかの原因で個人情報が流失すれば、市民のプライバシー侵害はもとより、不正な犯罪に市民が巻き込まれるリスクが高まることは言うまでもなく、将来の制度破綻が予想される中で、制度の運用開始は、容認できるものではありません。マイナンバー制度は国民にとって何のメリットもありません。国に対して中止するように求めるべきです。答弁を求めます。②

2)健康づくりセンター廃止について 

次に、議案第186号北九州市健康づくりセンター条例の廃止について伺います。これは、生活習慣病予防等で市民が利用している施設「健康づくりセンター」を廃止する条例です。

市は「行革」の中で、健康づくりセンター廃止を決めると、その計画を一方的に市民に押し付けるだけのやり方に終始しています。利用者の皆さんからは、何とかセンターを残してほしいと市議会への陳情・署名が提出され、「アシスト21内の保健・医療・福祉情報センターや講堂を利用できないか」など具体的な提案までされています。しかし、当局は、これら利用者の声について具体的な検討もされていません。

市は、健康づくりセンター廃止に伴い、代替となる6つの公共施設を紹介しましたが、いずれも健康づくりセンターの代替施設としての機能を有していません。例えば、市が紹介した施設の1つであるムーブのフィットネスルームは、定員30名で部屋は狭く、午前中の利用者は満員状態で、8人も人が入ると圧迫感があります。その他の施設においても、低料金で、医師の判断下での生活習慣改善プログラム・トレーナーの指導などが行われる健康づくりセンターと同じ機能をもった施設はありません。

本市は、健康づくりセンターの廃止をはじめ、八幡市民会館・八幡図書館の移転整備・市立幼稚園の閉園など、当局が計画した内容を市民に押し付けるだけで、こうした手法は、住民合意の形成といった重要な視点を欠いていると言わざるを得ません。こうした当局の手法について、市民から批判の声が広がっています。

さいたま市は、公共施設マネジメントの先進事例のひとつとされ、総務省のホームページにもその取り組みが紹介されています。さいたま市においてマネジメントの責任者として取り組んできた西尾真治氏は、公共施設マネジメントについて、「最大のポイントは、市民、議会、庁内にわたる『合意形成』である。公共施設の老朽化をめぐる状況は極めて深刻であるが、『あるべき論』を振りかざすだけでは反対や抵抗を誘発し、結局遠回りをすることになる。取り組みの各段階において、常に『合意形成』に気を配り、市民とともに着実に推進していくことが重要である」と語っています。本市は、当局の計画を市民に押し付けるだけのようなやり方ではなく、さいたま市のように市民、議会、庁内にわたる「合意形成」のあり方を学ぶべきです。

公共施設のマネジメント方針についての答申では、「市民の合意形成に十分配慮しながら進めるべきである」としています。また、平成26年2月定例会で、わが党石田議員の質問に対して、総務企画局長は「手法のいかんにかかわらず、各段階に応じまして市民の理解と納得が得られるよう、丁寧な対応をしていきたい」と答弁しています。健康づくりセンターについても利用者との合意形成を前提に進めるべきです。

以下、2点質問します。

◆第1に、健康づくりセンター利用者の皆さんは、(仮称)北九州市認知症支援・介護予防センターの整備には賛同されています。しかし、認知症・介護予防と一体となって行われるべき市民の健康づくりをすすめる健康づくりセンターの廃止は容認できません。政令市で最も高齢化が進む本市で、認知症・介護予防・高齢者の健康づくりの分野で先進的な役割を果たすべきであり、健康づくりセンター廃止の方針を撤回すべきです。答弁を求めます。③

◆第2に、本年9月議会で保健福祉局長は、丁寧に説明を行うことにより、廃止についての理解を求めていきたい」と答弁しましたが、実際には「個別的な相談」を行った程度です。具体的にどのように「丁寧な理解を求める」努力をおこなってきたのか、答弁を求めます。④

 

3)指定管理者制度について 

次に、指定管理者の指定について伺います。指定管理者「候補」が選定され、指定管理者を指定する議案が提出されています。今回提出された議案の中では、社会福祉法人北九州市福祉事業団が、特別養護老人ホームかざし園の指定管理者「候補」として選定されています。この指定管理者検討会の会議録によると、構成員から「人件費が一番多いのは介護職員の人件費だと思うが、提案資料では、数字上5年間は昇給しないように見えるが、これで良いのか」と質問がだされ、応募者は「昇給しないという意味ではない」と言うだけで、資料の中からは賃金・労働条件などの労働環境は不透明のままです。

全国的に、「民間にできることは民間に委ねる」という掛け声のもと、民営化、民間委託、PFI、独立行政法人化などが進められてきました。自治体は仕事を発注する際に、コスト削減のみに目が向き、その結果、労働法制を守らずに不適切な労働環境で働かせる事業者も出てきました。平成18年に発生した、ふじみ野市のプール事故、大分県マリンカルチャセンター転落など事故が相次ぎましたが、これらは不適切な労働環境が原因であったことが指摘されています。

そこで、平成22年12月28日、総務省が全国の首長に出した通知では、「指定管理者が労働法令を遵守することは当然であり、指定管理者の選定にあたっても、指定管理者において労働法令の遵守や雇用・労働条件への適切な配慮がなされるよう留意すること」とされています。

こうした動きに対して、各地方自治体は、指定管理者の選定における改善の動きが始まっています。具体的には、評価委員に社会保険労務士が必ず参画し、労働条件の法令遵守状況を調査するとともに、従業員へのヒアリングを通じた労働環境のモニタリングを通して、一定の評価を行い、指定管理者の労働分野の問題点を洗い出して、「労働条件審査報告書」を自治体に提出するなど指定管理者の労働環境の法令遵守が徹底されてきています。そこで質問します。

◆現在の本市の指定管理施設では、労働者の労働条件が不透明です。全国的に指定管理者の安全・安心の確保状況や、施設職員の労働環境を確認する労働環境モニタリングを行うなどの取り組みも行われています。

福岡市では、指定管理者の労働者の賃金労働条件が不透明であったことから、今年3月にモニタリングマニュアルを改訂し、「①労働条件モニタリングの実施、②利用者アンケート、③指定管理者の改善・指示・指導を行っており、そのために、指定管理者評価委員のなかに、社会保険労務士を入れて、労働条件をチェック」するなど制度の改善を行っています。本市においても、全国的な指定管理者制度の改善の動きを参考に、社会保険労務士を評価委員に入れ、労働条件モニタリング実施などの指定管理者の労働環境の改善を行うべきです。答弁を求めます。⑤

 

4)学校給食調理業務の民間委託について 

最後に、議案第226号・平成27年度北九州市一般会計補正予算のうち、学校給食調理業務の民間委託について伺います。民間委託校は、8校ふえ、平成28年度は   111校となり、委託率は80.4%にまで拡大しています。

わが党は、昨年2月・6月・12月議会で民間委託校における調理従事者の離職率の異常な高さを指摘した上で、民間委託に一貫して反対し、自校直営方式を求めてきました。しかし、教育長は「受託業者内の雇用関係にかかわること」「これまで大きな事故もなく、日々、児童に安全な給食が提供されており、おおむね順調に運営ができております」と同じ答弁を繰り返すだけで、まともな調査・検証もせずに、民間委託の拡大を進めてきました。

平成21年に施行された「公共サービス基本法」では、公共サービスに従事する者に対して、適正な労働条件を確保し、労働環境の整備を講じるように地方自治体に要請しており、この指摘にもとづき、学校給食調理業務の労働環境を見直すことが必要です。

ところが、今年10月、ある民間委託校で調理師が調理室内の手洗い場付近で嘔吐し、小中学校の給食の提供を中止する事案が発生しています。教育委員会は、ノロウィルスに対する通達などで、業者や従事者に危機管理に対する指導を行っているとしています。しかし、危機意識を備えておくべき従事者が調理室で嘔吐するなど、教育訓練が徹底していないことを示すものです。このような事件が発生しても、「おおむね順調に運営され、安全な給食が提供されている」と言えるのですか。

以下、2点質問します。

◆第1に、そもそも「委託契約書」の10条13項では「従事者の異動、交替又は代替えを行うとするときには、従事者の熟練性を確保するため、必要最低限の範囲に留めるようしなければならない」ことを義務付けています。ところが、民間委託校の従事員の離職状況は、離職率が50%以上の学校が、平成23年度10校、平成24年度12校、平成25年度20校でしたが、昨年の平成26年度には、23校にまで増えています。この高い離職率の状況でも「必要最低限度の範囲」と言えるのか。

ある学校では離職率が120%になるなど交替が相次ぎ、栄養士が毎日学校に通って指導しなければならない異常な状態になっています。今年8月の求人情報誌では、不足した調理従事者を補うために最低賃金の727円ギリギリの「730円、未経験者大歓迎」との求人が行われる等、離職率は改善されるどころか、もはや一刻も放置できない状況であり、労働条件や従事者の熟練性の確保に大きな問題があることを示しています。また、委託契約書にも違反し、離職率の高い原因でもある労働条件・環境について、再調査を行うべきです。答弁を求めます。⑥

◆第2に、平成19年の再評価委員会では、「従事者の交替が多い状況であるため、受託者に従事者ができる限り交替しないように求めるとともに、交替にあたっては、業務体制の確保や新規配置者への教育訓練などの十分配慮するよう求める必要がある」と指摘しています。

この再評価委員会が出されたのは8年前です。これは、この当時から従事者の離職率が高い状況があったことを示しています。教育委員会は、8年も前から離職率が高いことを指摘されながらもまともな検証もせず、ただ「順調に進んでいる」と繰り返すだけです。まともな調査や検証を行っていないことは、再評価委員会の指摘を反故にするもので大問題です。8年前から再評価委員会が指摘している「受託業者にできるだけ交替しないように求める」ことを行っているのか。「マニュアルどおり、教育訓練がされているのか」確認すべきです。答弁を求めます。⑦

以上で、私の第一質問を終わります。

 

大石正信議員の質問への答弁

■市長

(マイナンバー制度について)

マイナンバー制度は、社会保障、税制度の効率性・透明性を高め、国民にとって利便性の高い公平、公正な社会を実現するための社会基盤だ。マイナンバー法においては地方公共団体の責務として、個人番号その他の特定個人情報の取り扱いの適性を確保するために必要な措置を講じるとともに、個人番号の利用に関し自主的かつ主体的に施策を実施することが定められている。本市での制度導入に向けた準備を進めてきたところだ。

制度導入にかかる経費として、平成26年、27年度の歳出予算では情報システムの改修等に約8億2000万円、通知カードの作製費用などに約3億4000万円、合計で約11億6000万円を計上している。また本議会において、補正予算として個人番号カードの交付事務補助にかかる経費約3000万円を計上している。

次に推進体制だが、制度の円滑な導入をはかるため、市長が本部長を務めるIT推進本部のもとに昨年10月、社会保障・税番号制度推進部会を設置している。この部会は、副市長をトップにマイナンバー制度に関係する局長で構成し、区役所の窓口対応や制度に関する広報活動、システムの整備、改修などの重要事項について、全体方針の決定、進行管理、横断的な課題の解決などに取り組んでいる。その内、区役所窓口については業務が円滑に実施できるよう関係職員への研修を実施し、制度の周知徹底を行っている。

さらに通知カードに関する事務に対応するための臨時職員を配置しており、今後も個人番号カード発行に備え人員を増加するなど体制の強化を図っていくこととしている。

来年1月のマイナンバーの利用開始を目前に控え、11月下旬に開催したIT推進本部会議において本部員である全局長、区長、室長にたいして窓口の対応や個人情報の保護について万全を期すよう改めて指示したところだ。制度が円滑に運用され市民に混乱が生じないよう引き続き全庁が一丸となって取り組んでいく。

 

(指定管理者制度について)

指定管理者制度は、公の施設の管理に広く民間の活力やノウハウを生かすことで、提供するサービルの質の向上と、より効率的・効果的な施設運営を両立させようとするものだ。この目的を達成するためには、指定管理者のノウハウや創意工夫を最大限発揮させることが重要だ。選定にあたっては単にコスト面だけでなく、適切なサービスを提供できるか、などの視点も含め総合的な評価を行っている。今回の選定においても、提供されるサービス内容を評価し提案額の高い団体が指定管理者候補として選定されているケースもあり、単に提案額だけで選定しているわけではない。

本市では指定管理者における労働関係法令の遵守においては、指定管理者選定時には雇用形態や勤務時間、人件費等が記載された人員配置計画表を提出させ確認している。指定管理期間中は基本協定に基づき賃金台帳や雇用契約書などで労働基準法、最低賃金法など労働関係法令が遵守されているかどうか、その適正な履行を確認している。このような仕組みとなっている。

さらに、仮に指定管理者において労働関係法令違反の事実が明らかになった場合、市において是正の指示を行い、それに従わない場合は指定管理業務の停止や取り消しといった行政処分を行うこと、市との協定違反に基づく損害賠償を請求すること、という対応をとることとなる。本市ではこれらの取り組みを通じて今後とも適正な指定管理者制度の運用に努めていく。

なお、ご提案の専門家を活用したモニタリング等の実施については、福岡市など他の都市の事例も踏まえながらその必要性も含め、どういうことができるのか研究して行く。

 

■総務企画局長

(マイナンバー制度での残りの質問について)

まず、窓口での対応だ。区役所の窓口では市民がマイナンバーの提示を拒否したり、忘れた場合でも届出を受け付けることとなっている。このため市民に不利益が生じることはなく、その他にも制度導入による特段のデメリットはないと考えている。

一方、市民のメリットとしては福祉や年金等の申請の際、所得証明書等の書類の添付が減ること、インターネットを通じて自分の社会保険料の支払い状況を確認できたり、制度改正のお知らせを受け取れることなどが見込まれている。ない、費用対効果だが、本制度は国の機関、他の地方公共団体等が保有している情報を連携することにより、その効果が表れることから費用対効果については現時点で示すことは難しいと考えている。

またご指摘の運転免許証等への利用拡大は、個人番号カードをICカードとして多目的に利用することが検討されているものだ。また個人番号カードには、所得や健康状態といったプライバシー性の高い個人情報は記録されないため、政府の監視強化やプライバシー侵害などにはつながらないと考えている。

加えて、情報漏えいに関してだが、マイナンバーの漏えいに関しては制度面とシステム面の両面から様々な個人情報保護の措置がとられており、仮に漏れたとしても芋づる式に情報が漏えいしない仕組みとなっている。制度の中止を求めるべきというご意見だが、マイナンバー法については、その法律において地方公共団体の責務が定められていて、マイナンバーの利用開始がまじかに迫っている。こういったことから、円滑な運用に向けて着実に取り組んでいきたいと考えている。

 

■保健福祉局長

(健康づくりセンターの廃止について)

健康づくりセンターについては、6月議会において平成27年度北九州市行財政推進計画のなかで廃止する方針を報告し、施設跡に設置する予定である仮称北九州市認知症支援介護予防センターの整備予算を承認いただいている。その後、9月議会において健康づくりセンターの廃止理由や今後の健康づくり政策のあり方について答弁している。

利用者の方々に対しては、8月下旬に説明会を3回にわたって実施し、廃止理由や廃止までのスケジュール、今後の健康づくり政策のあり方などの説明をおこない、理解を求めるとともに様々な意見をうかがった。また今後も継続して運動をしていただくため、市内の約50か所の民間スポーツクラブ等や市内6か所の公共とレーニング施設、高齢者のための筋力向上トレーニング啓発教室などの市の健康づくり事業についての案内を行っている。

さらに利用者の方々については、体力や年齢、希望する運動方法などそれぞれが置かれている状況やニーズが様々であるため、個別に相談を受けて各人に応じた相談をしていくこととした。具体的には、窓口において健康運動指導士等により、相談に来られた利用者一人一人の要望に応じたとレーニング施設等を案内するなど、これまで約100件の相談を受けている。このように健康づくりセンターの廃止については、利用者に丁寧な対応を行ってきており、説明責任は十分に果たしてきたと考えている。

今後、急激に進む高齢化に対応するため、市民センターを拠点とした健康づくりや公園で健康遊具を利用した健康づくりなど、身近な地域で介護予防を実践できる環境づくりにより一層力を入れる方向に政策転換を図っていくこととしている。そのため、新たに設置する仮称北九州市認知症支援介護予防センターにおいて、思い思いの場所で気軽に取り組める運動や栄養のプログラム作成、地域への保険技術専門職等の派遣、実践指導などを行う仕組みを構築していく。このようなことから、本市の高齢化の現状や限られた財源などを踏まえ、市内1か所で特定の個人が継続的に健康づくりを行うという政策やあるいは施設の運営については、発展的に解消することとし健康づくりセンターを廃止したいと考えている。

その上で認知症や介護予防対策についてこれまで以上に地域での取り組みを重視しながら健康長寿のまちづくりに努めたいと考えている。

 

■教育長

(学校給食調理業務の民間委託問題)

まずもって離職率という定義だが、ご指摘の離職率については、離職をした年間の延べ従業者数を年度当初に従事している調理員数で割った数字と理解しているが、離職率100%といっても1年で全員が入れ替わっているということではない。例えば年度当初に12人に調理員数の学校で、3分の2にあたる8人が継続勤務をして委託業務が安定的に履行されている場合でも、残りの4人が学期ごとに例えば1回ずつすると4×3の12回の交代になり議員の言われる計算でいくと、100%の離職率になるということだ。

そういう意味でこの計算の数字だけを捕えて委託に問題があるということにはならないと考えている。

なお民間委託事業者の移動や交代にあたっては、あらかじめ従事者配置表及びその他資格要件などを証明する書類を教育委員会に提出させて配置要件を満たしているかなどの確認を行っている。契約に伴う要件を欠いた状態になったことはこれまでない。業務の履行の確保を図っているところだ。

労働環境の調査を行うべきとのことだが、従事者の離職、交代、賃金等は従事者及び雇用主という受託業者内の雇用関係に関わることであり、調査する考えはない。当然ながら従事者の適正な労働条件の確保は重要なことであり、最低賃金などの労働関係法令を遵守するよう契約でうたっているところだ。

しかしながら教育委員会としても、従事者の交代が頻繁に起こることは望ましくないと考えており、契約書などで業務総括責任者は教育委員会が認める場合を除き、委託契約期間の初年度において変更してはならないこと、従事者の移動、交代、または代替を行おうとするときは従事者の熟練性を確保するために必要最小限度の範囲にとどまるようにしなければならないこと、こういったことを定めるとともに従事者の定着、育成を図ってもらい旨を業者のヒアリング等を通じて要請しているところだ。

従事者の研修については、委託当初の安定化をはかるための事前研修や各学期最低1回、技術、知識向上のための研修を受託業者に義務付けており、その内容については書面で確認している。途中で交代する従事者については、当然、衛生管理の研修を行うとともに適宜、OJTによる研修が行われているところだ。

民間委託については、平成16年度の本格実施以降、これまで大きな事故もなく日々、児童生徒の安全安心でおいしい給食が提供されており、概ね順調に運営できていることから今後も行財政改革大綱に沿って民間委託を進めていくつもりだ。

 

<第2質問への答弁>

■総務企画局長

(指定管理者への指導について)

最初の答弁でもいったように、指定管理者の選定をするときには雇用形態、勤務時間、人件費が記載された人務配置表を提出させており、それは検討会の中でご覧になっているところだ。また指定管理期間中は基本協定に基づいて様々な法律違反がないかどうかを遵守している。これについては、平成22年の通知以前から実行している。22年以降も同様だ。

このほかにも年に1回、指定管理者を所管している局、それから指定管理者を集めた研修会等も実施しているので、その中でも関係法令の遵守については指導しているところだ。

 

<第3質問への答弁>

■保健福祉局長

(健康づくりセンターの廃止について。答弁と現実対応は違う)

利用者の皆さんに関しては、8月の説明会でこれまで言ってきた健康づくり政策の転換、あるいは民間のスポーツクラブが増加しているようなこと、あるいは利用者の固定化、偏在化、公費負担等について説明をおこなってきているところだ。

その後、個別の相談対応ということで、健康づくりセンターの窓口においていろんな意見をうかがっている。100件相談対応しているといったが、それ以外にも個別にいろんな意見は伺っている。健康づくりセンターの廃止について賛否、いろいろな意見をうかがっている。その中で丁寧に対応を個別にしている状況だ。

 

<第4質問への答弁>

■教育長

(給食民間委託の離職率の答弁は、実際の現場を踏まえていないがどうか)

今までの委託の中で最も離職率が多かったのが事例を挙げられた学校だが、その学校についても先ほど申した通り、もちろん好ましいことではないが、子どもたちへの給食への提供という点で問題があったわけではない。検証していないといわれるが、わたしどもとしては日常的な、子どもたちに最終的に給食がきちんと提供できているかという履行確認については、各学校の校長そして栄養教員を中心におこなっており、それから委託校について児童生徒へのアンケートを取って特段、味がどうこういうことで問題があると考えていないし、それから保護者試食会等も行ってきている。以上のことから日常的に検証を行ってきているので改めて検証することは考えていない。

 

<第5質問への答弁>

■教育長

(問題が起きれば調査するのか)

私どもも民間委託が完璧で問題ないとは考えていない。個別にはいろんなトラブルもあるし、それは直営でも同じだ。事故があることもそれはあることだ。しかしながら、指導すべき点があればそれをきちんと受け止めて、きちんと改善していく、これが委託の場合の基本的なスタンスだ。必要最小限は何人かと、何パーセントかと、これはなかなか簡単にはいえない。例えば委託校において業者が必要な人数以上に訓練のためにパートさんを少し余分に入れることもあるし、ケースバイケースで必要最小限がどの程度かというのはなかなかいいがたいところだ。

要は、委託は全く問題がないということを言っているのではなくて、過大があればその都度きちんと指導し対策を取っていくということだ。

 

<第6質問への答弁>

■教育長

(離職率は確実に増えてきている。その背景をきちんとつかむべきだ。離職率が増えていることは認めるか)

離職率の定義そのものが我々定義がしにくいので、例えば別の学校で10人の当初の従業員のうち、8人が年間勤務していても残りの2人のところで2回、3回とパートの確保に苦労されたときにはそれが50%以上の離職率になるわけで、そのことをもって議論するのは少し理解ができないということだ。

 

<第7質問への答弁>

■総務企画局長

(マイナンバー制度、ほんとにデメリットはないといえるのか)

まず窓口対応についてだ。窓口の本人確認については番号法施行令、施行規則で定められており、個人番号カードや通知カードが提出を受けることができない場合は、住民基本台帳で確認するなどの代替措置を取らなければならない、という風にされており市の窓口でもこの規定に基づいて、拒否することはない、受け付けるということになっている。そういった点でデメリットはないと考えている。

費用対効果については、国の試算もあるが、この制度は先々国や他の自治体との情報連携が進むとだんだん効果が現れてくるということで、今の段階で費用いくらに対して効果がいくらということは示せないと考えている。

それから情報漏えいに関してだが、これまでも何回か答弁したが、制度面とシステム面で様々な取り組みをしている。なりすまし防止のために必ず顔写真が付いたもので確認をするとか、システムを扱う職員は限定をする、それぞれのシステムについてはインターネットと離れたシステムの中で回す、そういった様々な取り組みを今制度としてすすめているところだ。100%漏えいがないのかということに対して、こういったシステムの世界なので、100%ないということななかなかむつかしいが、様々な局面を想定して措置を講じているところだ。

 

■総務企画局長

窓口での代替手段をとるということは規則で定められているので、それに基づいてやっていくということだ。個々の分野において国からなにがしかの通知が来ているのかということだが、個別の分野においてこまごまとした事務手順について国の法から通知が来ているケースがあると伺っている。

 

■総務企画局長

(マイナンバー制度にある、公正公平な社会の確保、とは何か)

国が示すマイナンバーに関する資料等にも書かれているが、マイナンバーの活用によって所得や他の施策の給付状況が把握しやすくなるということだ。公平公正な社会ということだが、負担を不当に免れることや不正な受給の防止という一方、本当に困っている方々にきめ細かな支援ができる、こういった社会というふうに広報の中に書かれている。

以上

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