更新日:17年06月10日

2017年6月定例会 本会議質疑と当局答弁 柳井誠議員 一般質問(30分)



2017年6月定例会 本会議一般質問と当局答弁

 

2017年6月9日(金)

◎柳井誠議員 一般質問(30分)

まず初めに、地域包括ケアシステムおよび医療・介護の連携について伺います。

地域包括ケアシステムとは、「要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることが出来るよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される体制」とされています。しかし、国会で成立した「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部改正」の内容には「我が事・丸ごとの地域づくり・包括的な支援体制の整備」として福祉サービスに地域住民の支援をもとめています。私は、行政の果たす公助の役割を削り、地域住民の自助・互助に移す動きを懸念いたします。また、地域医療構想では、入院ベッドを全国15万床削減の計画がまとまり、福岡県の計画では削減率11.6%となっています。「入院から在宅へ」つまり、「医療から介護へ」と移し替える方向が明らかになっています。

 

本市の在宅医療・介護連携支援センターはH28年度より市内5か所での本実施体制となりました。医療と介護の包括的連携が必ずしも進んでいない現状から、在宅医療サービス及び医療・介護の連携に関する調整を役割としています。H28年度の実績は、個別の対象者に関する相談のうち、往診医の調整が128件、訪問看護の導入が50件です。一般相談では在宅医療資源紹介60件、往診20件、24時間看取り3件などです。高齢者等実態調査で在宅医療と介護を希望する声が多数あったことを考えると、在宅医療・介護連携支援センターの今後の取り組み件数をさらに増やす必要があると考えます。とりわけ、独居高齢者の在宅医療と在宅介護サービスについて、量と質を拡充し連携することが必要です。この事業の現状の到達点と、その評価、福岡県地域医療構想においては明らかとなっていない地域包括ケアシステムおよび医療・介護の連携体制について、本市は今後どう計画するのか、答弁を求めます。①
次に、地域医療構想について、伺います。

1、最初に、病床削減についてです。

福岡県地域医療構想では、H37年の病床数について、北九州地域で急性期病床の減少数2,061、慢性期病床の減少数1,507とし、病床機能ごとにみると県内最大の減少数となりました。一方、在宅医療等の医療需要は1日当たり19,267人とされています。在宅医療等の体制が整わないまま削減をすすめることは大問題だと考えますが、福岡県地域医療構想には「病床の削減を目的とするものではなく、地域ごとの異なる医療需要の将来の変化に対応するもの」とされています。福岡県では「地域医療構想調整会議」を策定段階から前倒しして設置し、地域の課題や対応状況について意見を反映させた、としています。北九州区域地域医療構想調整会議には本市からも参加しています。そこで、北九州区域地域医療構想調整会議からどのような意見を反映させたのか。病床削減が最終的な目的ではないのか。答弁を求めます。②
2、次に、在宅医療等の将来の見込みについてです。

福岡県地域医療構想では、県全体で現在の訪問診療患者数約2万8千人と介護老人保健施設等入所者1万4千人の合計4万2千人を、H37年に8万3千人にするとされています。そもそも老人保健施設等入所者の全員が在宅医療の対象者ではありませんが、現状の約2倍の訪問診療体制が必要です。
北九州市のH29月5月1日現在在宅医療にかかわる24時間対応の届け出状況は、在宅療養支援病院18、在宅療養支援診療所198等で、在宅医療患者数および在宅医療の医師、看護師等の数は把握されていません。地域医療構想では、現在の在宅医療の提供状況を把握し地域医療構想調整会議で提供体制をとる、とされています。策定段階で北九州区域の在宅医療の実態把握がされていないのに、なぜH37年の見込みが立てられるのか、今後どのように把握するのか、答弁を求めます。③

 

3、療養病床からの転換についてです。

福岡県地域医療構想の在宅医療8万3千人の内訳として、現在の療養病床の医療区分1の70%が在宅医療に移るとされています。その根拠はH25年の関係団体の調査をもとに厚生労働省の説明によるとされています。しかし、実態とかけ離れた計画ではないのでしょうか。北九州区域の会議でも、医療区分1の70%を病院外で診るというのは困難、という意見が出ています。改めて北九州地域の療養病床入院患者の実態調査が必要ではないでしょうか。答弁を求めます。④

 

4、家計収入と関連した地域医療構想の計画についてです。

福岡県全体のH24年の1月あたり訪問診療患者数20,300人はH25年には1月あたり27,300人となったもののその後把握されていません。在宅医療は家計の経済力がなければ、受けることができないのが現状ではないでしょうか。H37年の医療必要量と必要病床数は厚労省のレセプトデータによる推計であり、医療費の負担増や国保の受診抑制に影響を受け、医療を受けたくても受けられない、などの潜在的な医療ニーズは考慮されていません。家計の収入を踏まえたうえで、潜在的な医療ニーズについても調査し、構想に反映させるべきです。答弁を求めます。⑤

最後に、住宅耐震化の促進についてうかがいます。
本市の耐震改修促進計画では、住宅の耐震改修のH32年度目標はH26年度末現在の耐震化率約85%を、95%にするとしています。そのためには、住宅で約33,260戸の耐震改修を実施する必要があります。また、本年度当初予算の民間建築物耐震改修費等補助事業は、木造住宅補助で40戸分3,200万円です。同事業の目標年間50件に対する達成率はH26年度38%、H27年度34%であり、行政評価では、「遅れ」と評価されています。
福岡県では、熊本地震の被害状況を踏まえ、今年度予算で「建築物耐震化促進費」を増額しました。新規事業として市町村と連携した民間事業者団体による普及啓発活動への助成、耐震シェルター、防災ベッド設置費補助があります。また、木造戸建住宅の耐震改修工事費補助は、補助戸数160戸、補助上限額1件最大45万円へと増額されています。そこで、この制度も活用し、本市でも耐震改修費補助事業の件数を増加させ、促進させてはどうでしょうか。答弁を求めます。⑥
柳井誠議員への答弁

■市長

(地域ケア包括システムについて)

本市の高齢化は全国平均を上回るペースで推移している。今後、病気や要介護状態の両方をかかえる高齢者の増加が考えられている。そうした方々が住み慣れた地域で永く住み続けられる仕組みであります地域ケア包括システムを構築するために医療・介護の専門職が連携しサービスを一体的に提供していくことは重要となる。このため本市では、介護保険法に基づき在宅医療介護連携推進事業として、切れ目のない在宅医療と在宅介護の提供体制を構築する。また在宅医療介護連携に関する相談支援も取り組んでいる。その一環として平成27年6月から市内2か所に在宅医療介護支援センターを設置し、28年度から市内5か所に拡充したところである。

この在宅医療介護支援センターの主な活動は、平成28年度には地域かかりつけ医やケアマネージャ等を対象とした専門のコーデネーターによる在宅医療サービスに関する相談対応約600件、また地域の医療介護の多職種を対象とした多職種連携研修会等の開催

計29回、市民を対象とした在宅医療介護への理解を深めていただくための講演会の開催計32回等、在宅医療サービスに関する幅広い支援を行っている。在宅医療と介護の連携は、地域ケア包括システムの構築のカギとなるもの。本市の現状と課題を踏まえた取り組みやその評価方法にについて地域の関係者を含めた十分な議論を行うことによって、より実効性を高めていくことが重要である。このため、平成28年10月から市の医師会をはじめ在宅医療・介護の関係団体や有識者からなる在宅医療介護連携推進の関する会議を開催している。今年度は在宅医療介護支援センターの活動状況について評価を行い在宅医療サービスの充実に向けた課題やその対応策についての検討を行うようにしている。

今後の取り組みは、病院と地域の専門職が相互に連携し患者に対して医療や介護のサービスが切れ目なく提供される体制の構築に向けて、医療・介護の多職種の情報共有スールの導入や効果的な研修の在り方について検討を進める予定である。また、こうした在宅医療・介護の連携の推進については、本年度に策定予定の第5次の北九州市高齢者支援計画に位置づけ着実に推進していくことしている。本市としては市民が安心して地域での生活を送ることができるよう医師会などの関係団体と積極的な連携を行いつつ、在宅医療・介護の提供体制を強化し進めていき、地域ケア包括システムの構築につなげてまいりたい。

 

 

■保健福祉局長

(地域医療構想について)

3点答弁したい。まず1点目は、地域医療構想調整会議で、北九州市のどのような意見を反映させたのか、病床削減が目的ではないのかのお尋ねであるが、地域医療構想は、高齢化の進展により医療・介護需要増加が見込まれる平成37年を見据え、地域の実情に応じてそれに見合う医療資源の効果的かつ効率的配置をうながすというものである。その内容としては、区域ごとに急性期、回復期、慢性期の必要病床数と在宅医療の患者数を推計して既存の病床から不足する病床に転換を図るなど、あるべき医療体制を実現すための施策の方向性を定めるものである。福岡県では地域医療構想策定の段階から県内13の区域に地域医療構想調整会議を設置しており、北九州市区域では平成27年11月からこれまでに5回にわたり議論が行われてきている。

北九州市区域の調整会議においては、例えば在宅医療介護サービスといった受け皿の整備と、病床機能を転換する速度を合わせて進めていく必要がある。それから在宅医療等の推進にあたっては家計など経済的な問題や住まいなどの問題もあり医療関係者と市町村がいっしょになって取り組む必要がある。などの意見が出されている。こうした意見が北九州区域調整会議でも主な意見として地域医療構想に記載されており、今後これを踏まえながら地域医療構想にむけた調整会議での協議や本市における在宅医療の充実に向けた施策等をすすめて参りたい。

また、本市からはあるべき医療提供体制を実現し維持していくためには、医療サービスの利用者である県民が病床の機能分化・連携の重要性について理解を深めていただき事も必要ということを指摘して、構想に反映されたところである。地域医療構想は将来の医療需要の変化に対し、患者の状態にふさわしい良質な医療サービスを受けられる体制を構築することを目的としており、福岡県地域医療構想にも記載されているとおり、病床の削減を目的としたものではないと理解している。

2点目に地域医療構想の策定段階で、北九州区域の在宅医療の実態把握がされていないのに、なぜ平成37年も見込みが立てられるのかとのお尋ねであるが、地域医療構想における将来の在宅医療等の需要の推計については、厚生労働省の基準で定められており、これは統一したルールで推計するというルールになっている。

算出された在宅医療等の推計についは、あくまで平成37年の北九州市区域における在宅医療を必要とする対象者数を示したものと理解している。今後この推計値をもとに北九州区域における在宅医療等の提供体制の実態を踏まえて、充実に向けた検討を行っていくことは必要であると認識している。

福岡県においては、県内の在宅医療等の現状を把握するため平成24年度から在宅支援病院と在宅支援診療所に対して、訪問診療の実施状況等の調査を実施している。本市においても、福岡県の調査に加えて平成26年度から独自の市内の在宅医療資源調査を実施しており、病院や診療所をはじめ歯科診療所・薬局、訪問看護ステーションにおける対応可能な処置や訪問実績といった在宅医療に関する詳細な取り組みの把握に努めている。

平成28年度には医療機関631施設を含む1978施設に対して調査を行い、その内医療機関448施設を含む1598施設からの回答を得た。今後は福岡県や本市からの調査結果から得られる情報を分析しつつ北九州区域における在宅医療体制の充実に向けた検討を行っていく。

3点目に、地域医療構想では療養病床区分1の70%が在宅医療に移るという事に関しての質問であるが、地域医療構想における将来の必要な病床数等の推計方法であるが、これは厚生労働省の基準で定められており、療養病床に入院する患者の内、比較的医療度の低い医療区分1といいますが、ここに該当する70%は在宅医療等で対応すると推計するルールになっている。

福岡県地域医療構想においても、この基準にしたがって在宅医療などの患者数を推計しているところであるが、北九州区域も地域医療構想調整会議では、北九州区域では、高齢者の単身率が高く家庭の介護力が低いという実情がある。今後も患者は病院や療養施設を選択するものと考えられ、「この地域では療養病床は減らせないのではないか」「医療区分1も患者70%相当を病院外で見るのはむずかしのではないか」と言う意見が出されたところである。

ただこのことに関して調整会議では在宅医療・介護サービスといった受け皿の整備と病床転換の速度を合わせた、一緒にすすめていく必要があるとの対応策につながる意見もあった。これらの意見を踏まえれば、本市としては入院治療の必要な方は引き続き療養病床において療養しつつ、在宅療養が可能な方については、患者は家族が居宅や介護施設等の場所を選択できるよう在宅医療などの提供体制を充実し地域医療構想の実現を図ってまいりたい。

このため地域構想で示された必要病床数の推計値によって、機械的に病床の転換を図っていくというのではなくて、今後も在宅医療・介護サービスの確保状況など、本市の実状に応じた対応を行うべきと考えている。推計の修正のためだけに、改めて療養病床の実態調査を行う考えはない。

 

■建築都市局長

(建築物の耐震化について)

住宅の耐震化については、昭和56年5月以前の旧耐震基準で建てられた木造住宅が阪神淡路大震災の大地震で、特に大きな被害を受けていることから、このような耐震化を促進するが重要と考えている。

このため本市では旧耐震基準で建てられた木造住宅を対象とする、耐震改修補助制度を平成18年8月の創設し、耐震工事の実情に沿って補助限度額の拡充を図ってきた。平成24年4月には、補助限度額を設計及び改修費用のおよそ3分の2当たる80万円に引き上げた。国や県の財源を活用しながら、より多くの方に制度の活用していただけるよう努めている。

住宅の耐震化の促進には、市民の意識向上は欠かせないため、これまでも耐震改修セミナーの開催、関連団体との連携イベントや出前講演の実施、住まいの安全・耐震に関する相談窓口の設置など行ってきた。さらに28年からは毎年4月に送付する固定資産税納税通知書へ啓発チラシの同封、だれでもできる我が家の耐震診断のパンフレット、これを各区役所や市民センターなどに設置し、HPへの掲載など意欲的に取り組んできた。

熊本地震のような身近な災害をきっかけに市民の関心も高まっており、木造住宅の耐震改修の相談は、平成27年度の98件から平成28年度の391件へと大幅に増加している。引き続き県や関連団体等と連携して市民に情報提供するなど、より一層住宅の耐震化が促進されるよう努めてまいりたい。

 

■保健福祉局長

(地域医療構想について)

地域医療構想で家計の収入を踏まえたうえで、潜在的な医療ニーズについても調査し構想に反映すべきとの質問であるが、地域医療構想における将来の必要病床数の推計方法は厚生労働省の基準で定められており、具体的には平成25年度の診療報酬明細書(レセプト)これらにより医療機関での医療の状況を把握し、平成37年の推計人口を勘案して推計するもとなっている。北九州区域を含む統一のルールで行われている。

また医療の受け方については、ご指摘がありました経済的な理由以外にも個人の考え方が異なるなど複合的な要因が影響すると考えられるほか、医療を受けていない方について、どのように医療が必要なのかを把握することは少し難しいと考えている。こうしたことから本市において、ご指摘のように潜在的な医療ニーズについて調査を実施したり、それを地域医療構想に反映させる課題が多く難しいと考えている。ただし一方経済的な理由で必要な医療が受けられないことがないように対応していくことは重要であり、社会福祉法に基づく無料・低額診療事業の医療機関の紹介を行うとともに、必要に応じて国民健康保険の一部負担金の減免制度を案内したり、生活保護の相談につなぐ、こうした具体的な事例応じた対応を行ってきたところである。今後も必要な支援を行っていきたい。

 

<第二質問への答弁>

■保健福祉局長

(目標値の達成と市民への情報提供を行うべき)

今年度に目標を達成できるのかというお尋ねですが、これはそれに向かって鋭意努力してやっていくしかないわけですから、目標達成へやっていきます。

2点目の医療資源の市民への情報提供であるが、これについては先ほどの答弁でもふれましたが、現在在宅医療に取り組む診療所とか薬局などの情報を調査して集約している。在宅医療資源調査で把握できた施設の詳細情報を閲覧できるような新たな検索システムを開発に着手している。早ければ今年の夏に市民の方に利用できるように準備を進めている。

(時間が来ました)

 

 

 

 

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