更新日:13年11月27日

2013年度予算編成にあたっての提案書を市長に提出



2013年度予算編成にあたっての提案書を市長に提出

11月27日、日本共産党北九州市会議員団は10名全員そろって、北九州市2013年度予算編成にあたっての提案書を北橋市長と教育委員会委員長に提出しました。

提案書は、優先して取り組むべき重点15項目と157項目及び152細項目の要求内容を提出しました。その内容についてお知らせします。

2012年11月27日

 


北 九 州 市 長  北 橋 健 治 様

北九州市教育委員会委員長  川 原 房 榮 様

日本共産党北九州市会議員団

団 長 石 田 康 高

衆議院が解散し、年内総選挙となりました。消費税増税と社会保障全面改悪の「一体改革」、原発再稼働、農業と国民生活に甚大な影響を及ぼすTPP参加、危険なオスプレイ配備容認と沖縄普天間基地の辺野古移設の日米合意押し付けなど、国民不在の野田内閣の政権運営と民主、自民、公明の談合政治が、国民の厳しい批判に追い詰められた結果です。

発生から、間もなく1年9か月になろうとしている東日本大震災の被災者救援と復興に向けた取り組みは、引き続き重要な課題です。

一方、依然として危機的状況にある福島第一原子力発電所の重大事故ですが、多くの国民が一日も早いその収束と危険な原発に依存しないエネルギー政策への転換を願っています。本市においても、災害から市民のいのちと安全を守るために、原発に依存しないエネルギー対策への転換、震災・津波への備え、及び白島石油備蓄基地の撤去等が求められています。

本市では、政令市中最高の高齢率を背景に、「高齢社会対策の推進」、とりわけ医療や介護など福祉の充実が、極めて切実な市民の要望となっています。

同時に、政令市で最も低い市民所得のもとで、市民生活の実態は深刻です。生活保護世帯の増加や、一昨年の国民健康保険料の引き下げを求める署名運動に寄せられた10万人を超える賛同は、そうした市民生活の実態を反映したものです。また、長引く不況のもとで、市民の雇用も、中小企業、零細業者の経営も厳しい状況となっています。

この間本市で相次いだ暴力団の関与が疑われる発砲事件や殺傷事件、暴力団の出入りを

禁止する標章掲示の飲食店への脅迫電話等、市民のいのちと安全を脅かす卑劣な犯罪に対して、警察等の関係機関と連携して一刻も早い犯人検挙と再発防止の徹底が求められます。

東日本大震災を通じて、自治体と公務員の役割と活動が見直されていますが、本市では財政難を理由に、「行政改革」の名で市の事業のいっそうの民営化や民間委託、市職員8000人体制への人員削減をすすめています。その結果、「住民の福祉の増進」という地方自治体本来の役割が薄められ、市民サービスが後退することが強く懸念されています。

過去の大型開発によって膨れ上がった公債費に加え、採算のとれないハコ物に税金投入が続き、そして新たな球技場建設等、税金の使い方に市民は厳しい目を注いでいます。

わが党は、本市の2013(平成25)年度予算編成にあたって、不要・不急の大型事業の中止・凍結等、税金のムダ使いをなくし、公共事業は福祉施設や学校等、市民にとって真に必要な生活密着型の事業を重点的に実施するなど、予算配分を根本から変えることを強く求め、具体的な取り組みについて以下のように提案します。

≪優先して取り組むべき重点事項≫

  • 市として脱原発の立場を明確にし、玄海原発の老朽炉の廃止とプルサーマル発電の中止、原発から再生可能(自然)エネルギーへの転換に向けて、政府や電力事業者、並びに関係機関に強く働きかけること。また、東日本大震災の被災者と復興への支援を継続すること。
  • 国の「税・社会保障一体改革」による、70~74歳の高齢者窓口2割負担や新たな定額窓口負担、国保の都道府県広域化など市民の負担増につながる動きに反対すること。国に対し、後期高齢者医療制度のすみやかな廃止を強く求めること。
  • 事業2年目となる第5期介護保険事業において保険料引き下げを検討し、軽度者をきりすてる総合事業導入はしないこと。定期巡回サービス、介護職員の医療行為の導入は慎重に行うこと。保険料の軽減制度のさらなる改善及び利用料の軽減制度を実施すること。介護施設の整備を行い、待機者の解消をはかること。
  • 国民健康保険料を、1世帯平均3万円以上引き下げること。
  • 市民のいのちと健康を守る市の公的責任にもとづいて早急に市立病院の医師確保をはかり、市民が安心して受けられる医療供給体制を整えること。
  • 子どもの医療費を、当面小学校6年生まで通院も無料化すること。さらに、近い将来中学校卒業まで拡大すること。
  • 国に先駆けて早期に市立小・中学校の全学年への35人以下学級を実施すること。さらに必要な教職員の増員を行い、30人以下への学級編成の改善を目指すこと。
  • 市立幼稚園、特別支援学校を含む小・中学校の全教室にエアコン(冷房)を設置すること。当面、全公立学校の全学年の教室に扇風機を設置すること。
  • 中小企業振興基本条例及び公契約条例を制定すること。中小企業の仕事と雇用確保のため支援を強め、公共事業は、教育、福祉、市営住宅など市民生活に直接役立つものに限定するとともに、住宅リフォーム助成制度の改善をはかること。
  • 「環境モデル都市」を標榜する市として、市内大企業に温室効果ガス削減の踏み込んだ目標を提起し、地球温暖化防止対策を積極的に推進するとともに、降下ばいじん対策を強めること。
  • 市並びに議会による「非核平和都市宣言」の趣旨を内外に発信するため、(仮称)「平和資料館」を設置すること。
  • 市内大企業による一方的なリストラ・合理化から労働者の雇用を守るため、市として適切な対応を行うこと。
  • 市民サ-ビス低下をもたらし、公務労働を変質させる新たな「行革」と職員削減(8000人体制)は中止すること。
  • 新・球技場など、多額の事業費を伴う大型事業はゼロから見直すこと。
  • 平穏な市民生活を脅かし、地域経済にも重大な影響を及ぼす発砲事件等の真相究明と再発防止、及び暴力団犯罪の根絶に向けた取り組みに全力をあげること。

◎安心して暮らせる市民の医療と福祉のために

■高齢者・障害者福祉を充実して安心のまちづくりを

<高齢者福祉>

長年、社会のために貢献してきた高齢者ならびに障害をもつ市民に、健康で安心の生活を保障することは、国とともに自治体の責任でもあります。

政令指定都市のなかで最も人口の高齢化が進行している本市において、高齢社会対策の取り組みは、引き続き最も切実な市民要望の一つとなっています。

(1)いのちを守るネットワーク事業の体制充実をはかり、地域の民生委員への支援を強

化するなど、高齢者をはじめ支援を必要とする市民が安心して暮らせるよう福祉施策を抜本的に強めること。

(2)高齢者の社会参加を促進するため、路線バス、モノレール等の公共交通機関を対象とする敬老優待乗車証の発行等、施策を充実させること。

(3)訪問給食サービスを拡充し、高齢者などの食の確保を図るとともに、孤独死防止対策の一環として機能させること。

(4)緊急通報システムの設置基準を見直し、対象を拡大すること。

(5)家庭・職場・生活道路など、日常生活の場からバリアをなくすとともに、公共交通機関など移動手段の整備・拡充を図るなど、高齢者福祉計画、障害者福祉計画を見直すこと。

(6)敬老祝い品制度を元に戻し、敬老行事補助金の縮小等を中止すること。

(7)誰でも月額5万円が支給される最低保障年金を創設し、支払った保険料に見合う額をそれに上乗せする二階建ての年金制度への改正を行うよう国に求めること。

<介護保険>

本市は、2012(平成24)年度からの第5期の保険料基準額を、平均月額約820円引き上げましたが、その負担増は被保険者にとって厳しいものとなっています。

負担軽減のために国に対して公費負担割合の増額を求めるとともに、本市の一般会計からの繰り入れによる軽減措置が必要です。

(1)国の介護保険制度の見直しにおける第5期介護保険料の引き上げ、軽度者を切り捨てる総合事業導入はしないこと。定期巡回サービス、介護職員の医療行為の導入には慎重に対応すること。

(2)介護保険料の減免制度をさらに改善し、高すぎる負担を軽減すること。

(3)介護保険制度の改悪による車いす、介護ベッドの取り上げ、家事援助サービスの停止をやめ、必要な人が、十分サービスを受けられるよう、国に改善を求めること。当面、市として独自に必要なサービスを確保する対策を実施すること。

(4)だれもが、必要な介護サービスを安心して受けられるよう、介護サービスの利用料減免制度を創設すること。

(5)特別養護老人ホーム、小規模介護老人福祉施設などのさらなる増設をはかり、待機者の解消をはかること。地域密着型サービスの充実等、在宅福祉サービスの充実を図ること。

(6)地域包括支援センターは、スタッフを増員し、住民の声を反映したものとなるよう、充実をはかること。各区に地域包括支援センター運営協議会を設置すること。

(7)介護従事者の育成と研修によるサービスの向上をはかるとともに、人材確保のために生活できる賃金の保障と労働条件の改善をはかること。

(8)訪問介護者が効率的に働けるよう、訪問介護時の路上駐車について安全対策上支障のない範囲で規制を緩和するよう関係機関にはたらきかけること。

(9)要介護認定に関する新しい制度への移行によるサービスの後退等が懸念されるため、利用者に不利益が生じないよう、市として検証をおこなうこと。

(10)日常生活介護(ホームヘルプサービス)の利用者に対し、時間短縮を機械的に押し付けないよう事業者を指導すること。

<障害者福祉>

障害者自立支援法の施行後、応益負担について見直しが行われてきましたが、依然として多くの障害者が障害者福祉サービスを利用することができない事態が続いています。

応益負担は障害が重い人、所得が少ない人ほど負担が重くなるもので、福祉の理念に反するものであり、「生存権の侵害」でもあります。

厚生労働省の「障害者制度改革推進会議総合福祉部会」は、新法の制定をめざし障害者総合福祉法案を準備していますが、6月27日障害者総合支援法が公布されました。同法は総合福祉部会の骨格提言を軽視し、訴訟団との「障害者自立支援法違憲訴訟基本合意」がないがしろにされています。

市として、人間らしく生きるための新たな法制度を作るよう、国に対して強く求めるとともに、障害を持つ人が安心して生活できるよう市独自の対策を講じることが必要です。

(1)障害者自立支援法がもたらしている障害者福祉における応益負担と、事業者の経営を苦しめている報酬の日額払いを、ただちに廃止するよう国に強く求めること。同法が改正されるまでの間は、市独自の負担軽減策をさらに充実させること。

(2)重度障害者医療費給付制度の所得制限をなくすこと。県に対して精神障害者医療給付制度について、精神障害者手帳2級まで対象とするよう求めること。本市独自の上乗せとして入院も対象にすること。

(3)65歳から74歳までの市民が重度障害者医療の適用を受けようとする場合、後期高齢者医療制度への加入を前提条件としている福岡県の運用について、国の指導に従って見直すよう福岡県に要請すること。

(4)障害者が地域で生活出来るよう、グループホームなど必要な施設を設置すること。

あわせて、地域での社会参加やスポーツなどの余暇活動を保障するために、余暇活動を行っている団体やボランティアなどへの支援を行い、障害者の社会参加を促進する体制をさらに整備すること。

(5)障害者小規模共同作業所に対する補助金のいっそうの増額や、認可を促進するための援助と指導を行い、安定した運営への支援を拡充すること。

(6)国に対して、障害基礎年金の支給額を増額するなど、制度の改善を求めること。

(7)障害をもつ子どもの早期診断と、幼児期から成人期にかけてのリハビリを担う医療機関として北九州市立総合療育センターを以下のように充実させること。

  1. 必要な医師の確保をはかること。
  2. 順次、医療機器の更新を行い、機能を充実させること。
  3. 併設の発達障害者支援センター「つばさ」については、職員を増員すること。

(8)現在の北九州市立総合療育センターと同様の機能を有する施設を、市の西部地域にも整備すること。

(9)精神障害者の公共交通機関等の料金割引制度は、他の障害と同等に適用するよう、関係事業者への働きかけを強めること。

(10)乗車距離が100㎞以上の場合に適用するとしているJRの障害者料金割引制度について、他の公共交通機関と同等の制度に改善するよう、関係機関に働きかけるとともに、JR会社にも直接要請すること。

(11)「障害者優先調達推進法」は、国の機関や自治体に対して事務用品などの製品を障害者が働く福祉施設から優先的に購入することや、清掃や印刷などの業務の委託を増やすように求めています。来年度から、すべての省庁や自治体などは、福祉施設からの製品の購入や業務委託についての計画を毎年つくり、実績を公表することが義務づけられます。本市での同調達の拡大を推進すること。

(12)聴覚障害者支援のため、高齢者福祉施設に専門の支援員を配置すること。

(13)基幹相談支援センターと各区役所窓口等に聴覚障害者の手話相談員を配置すること。

■市民のいのちと健康を守る、医療の充実したまちづくりを

だれでも安心してかかれる医療の実現、健診受診率の向上や健康相談等を通じて病気の早期発見・早期治療を促進する等、市民の健康を守る市の施策が求められています。

本市の国民健康保険加入者は、高齢者と低所得者が多く、所得に対する保険料負担率は政令市のなかで最高レベルです。

今年3月現在、保険料が払えないため正規の保険証が交付されていない世帯は、前々年同時期より増加して17,807(短期証を含む)で、加入世帯全体の11.1%を占めています。

また、リストラ、解雇によって被用者保険から国民健康保険へ移行する就労所得のない加入者も増えており、「高すぎる保険料」の引き下げがますます切実な要求となっています。

後期高齢者医療制度は、重たい保険料負担、高齢者への差別的な医療内容など、極めて問題のある制度であり、多くの国民がその廃止を強く求めています。

福岡県の福祉医療制度(乳幼児医療費、重度障害者医療費、母子家庭等医療費)改定によって、寡婦医療制度が廃止されました。本市の寡婦医療対象者は2010(平成22)年度約7,000人、給付額は約6億4,000万円です。市として、県にその代替措置を強く求めるとともに、独自の補完制度や負担軽減策を実施することが必要です。

<国民健康保険、後期高齢者医療制度、医療供給体制、健康づくり、各種給付事業>

(1)政府の「税・社会保障一体改革」の動きの中で、70~74歳の高齢者窓口2割負担や

新たな定額窓口負担、国保の都道府県広域化など市民の負担増につながる動きに反対すること。後期高齢者医療制度のすみやかな廃止を、政府に強く求めること。

(2)本市の国民健康保険制度の改善をはかること。

①加入者の保険料負担を軽減するために、一般会計からの市独自の繰入金を2007(平成19)年度水準まで引き上げるなどで一世帯平均3万円以上引き下げること。

②国民健康保険料の減免制度を、加入者の実態に合ったものに改善すること。医療費の一部負担金減免制度を抜本的に改善するとともに、制度の周知を徹底すること。

③保険料滞納で、機械的に国民健康保険証を取り上げることはやめること。払いたくても払えない世帯については、正規の保険証を交付すること。

(3)後期高齢者医療制度に関して、市として次の措置を講じること。

①国保から後期高齢者医療制度への移行で保険料負担増となった世帯に対し、当面市独自の減免制度を創設すること。

②保険料滞納世帯に対する資格証明書・短期保険証の発行はしないこと。

③後期高齢者医療制度が廃止されるまでの間、その対象者に対する「はり・きゅう施術」の補助制度を継続すること。

(4)市民の健康づくりの取り組みを前進させるため、特定健診・がん検診体制の改善、自己負担の無料化や個別健診の促進、保健相談・指導の充実を図ること。また、それを担うスタッフとして、市の保健師を増員すること。

(5)市民のいのちと健康を守る市の公的責任にもとづいて、救急医療体制や感染症対策の充実をはかり、市民の多様な医療ニーズに応えられるよう、医師、看護師不足を解消し、医療従事者の確保と処遇改善に全力をあげ、市立病院を充実させること。

①八幡病院を中心に各市立病院が民間医療機関と連携して、市民の救急医療ニーズに応えられるよう体制を強化すること。八幡病院建て替え計画策定にあたっても、そのことを位置づけること。

②夜間・休日急患センターの深夜帯の診療を再開すること。市立八幡病院小児救急センターの診療体制を充実させること。そのことを踏まえて老朽化した市立八幡病院の建て替え計画を策定し、早期に実施すること。

③指定管理者制度を導入した市立門司病院について、地域住民を交えた評価委員会を設置して、運営上の課題等について検討を行い改善すること。

④総合周産期母子医療センターの新生児集中治療管理室の拡張、及び人員配置を改善すること。

⑤市立病院においても、経済的な事情で必要な医療を受けることができない市民を救済するため、無料・低額診療を実施すること。

(6)国に対し、インフルエンザの予防接種の無料化を求めること。当面、市の施策として負担軽減措置を講じること。

(7)国に対して、B型・C型などの肝炎感染者・患者救済のために「肝炎患者支援法」を早急に制定するよう強く求めること。県に対し、拠点病院の早期設置を強く求めること。また、市として、100%の市民に肝炎ウィルス検査の計画を立てること。市独自の患者に対する医療費の支援制度創設を検討すること。

(8)寡婦医療制度の廃止により医療を取り上げられた市民に対し、市として救済措置をとること。

(9)低所得世帯への医療を保障するため、市独自の医療費助成制度を実施すること。

■最後のセーフティネットとして生活保護制度の適切な運用と改善をはかること

<生活保護>

(1)憲法25条および生活保護法の趣旨に基づき、市民が安心して必要な援助を受けられ、生活できる生活保護行政に改善すること。

(2)生活保護の面接及び審査にあたっては、以下の点に留意して対応すること。

①相談者の立場に立って、親身になった対応に努めるとともに、保護の必要な人に保護の申請を援助すること。

②「手引き」を遵守した適切な対応に努めること。

③申請に対する審査期間は、法の規定にもとづいて2週間以内を守ること。

④生活保護申請に至らなかった人のうち、孤独死を防ぐための見守りが必要な人に対しては、必要な人員を配置して、状況の把握と支援を実施すること。

(3)予算編成にあたっては、抑制された世帯類型別保護人員の掘り起こしや生活困窮世帯の保護捕捉率の調査を行い、十分に余裕ある予算を組むこと。

(4)相談者・受給者への人権を尊重した対応や援助、就労支援など、本来の意味での自立支援に取り組むため、ケースワーカーを増員すること。ケースワーカー一人当たりの担当数を90ケースとしている現在の配置基準を見直し、精神疾患・障害などケースの実情に合ったものに改善するするとともに、申請意思あるすべての相談者の申請受付に対応できるよう、余裕ある人員体制に改善すること。

(5)生活困窮者やホームレスへの援助を強めること。生活保護の適用と医療単独扶助の促進、緊急入院した場合の日常生活費の支給、救護施設やホームレス自立支援センターの人員増など、その機能を拡充するとともに、雇用相談などを充実すること。依然として路上で保護を受給している人がいる現状を改善するため、住宅入居の支援など対策を強化すること。

(6)市として2009(平成21)年4月に門司区で発生した男性(39歳)の孤独死事案の検証に基づき、市の公的役割と責任を明確にした孤独死防止対策を強化すること。

(7)国に対し、老齢加算を復活するよう強く求めること。また、生活扶助基準の引き下げや高等学校等就学費や学習支援費を削減しないよう求めること。また、据え置かれている生活保護費の引き上げをはかるよう求めること。自立助長の観点から、高等学校等就学費の支給対象や期間の拡大など、改善を求めること。

(8)精神疾患や障害のある人など、専門知識を要するケースに対応できるよう、専門職を配置すること。

(9)就労指導は、年齢、健康状態等に十分配慮して丁寧に行うとともに、技能習得について積極的に援助し、求職活動に際しては交通費が支給されることを周知すること。

(10)その他扶助の申請を適切に教示・支援すること。自動車の処分、保有、利用については国の基準を相談時に個別に詳しく説明すること。自立見込みの6ヶ月の保有期限は、保護受給者の求職活動をみて、柔軟に対応すること。

(11)医療扶助費の一部自己負担の導入に反対するとともに、生活保護の経費は全額国の負担とするよう、政府に要望すること。

◎安心して子育てができる環境づくりに全力をあげること

若い世代にとって、仕事と子育てを両立させるなど、安心して子育てができる環境づくりは切実な要求です。

また、いじめ・不登校・高校中退など、子どもたちを取り巻く環境は、依然として深刻な状況が続いています。こうしたなかで、病気になったら安心してかかれる医療、多様化する保育ニーズへの対応、ゆとりがもてる教育環境の充実等が必要です。

■子どもたちのいのちと健康を守るために

<医療>

(1)子どもの医療費を、当面小学校6年生まで通院も無料化すること。さらに近い将来において、通院医療費を中学校卒業まで無料化すること。

(2)国に対し、公費による妊婦無料健診事業を2012(平成24)年度以降も継続するよう強く求めること。また、すべての受診者の自己負担をなくすこと。

(3)国に対し、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン等の予防接種の無料化を継続するよう求めること。

■安心して預けられる保育行政を

<保育>

(1)保育行政を拡充すること。

①行政が直接、保育事業を行うことは、市民の子育てのニーズを直接把握し、子育て支援のノウハウを蓄積する上で重要です。民間の認可・認可外保育所に対する指導援助を含め、全体の保育事業の質の向上のためにも、これまでの実績は十分に生かされなければなりません。今後とも行政の保育事業に対する責任を果たすため、市直営保育所を守り発展させ、その地域の拠点保育所とすること。

②すべての市直営保育所において、延長・一時保育を実施すること。病児保育や病後児保育を必要な地域で実施すること。

③共働きの夫婦を支援するために、民間保育所だけでなく市の直営保育所においても産休明け(生後43日後)保育を実施すること。家庭保育員をさらに増員すること。

④認可外保育所への財政的な援助や、園児への直接的な支援を行い、保育条件の整備を図ること。また認可外保育所のうち、認可保育所の条件を満たしているところは、設置者との協議を通じて認可保育所とするために必要な措置を講じること。

⑤子どもたちの体調の変化や、アレルギー対応など、保育現場で保育士と調理員のコミュニケーションが十分取れるように、直営保育所の調理業務の民間委託を中止し、すでに民間委託している保育所は直営に戻すこと。

⑥公立保育所の施設について、早急に全施設の耐震化工事を完了させること。

⑦保育所における3歳児以上の主食持参については、夏場での食中毒の危険や、冬場ではご飯が冷たく固まってしまうなど、良好な食事環境とは言えないため、公立保育所で完全給食を実施するとともに、民間保育所においても、完全給食実施に向けて指導と援助をおこなうこと。

⑧北九州市の保育料の軽減率は政令市で低位にあり、保育料の負担は重くなっています。政令市で最も低い市民所得を考慮し、保育料の大幅な引き下げを行うこと。

⑨「子ども・子育て新システム」の導入に反対すること。

(2)学童保育クラブの充実を行なうこと。

①委託料を増額して指導員の複数配置を保障すること。

②障害児の受け入れを進めるために、現在、一名以上から支給している、障害児加算を受け入れ人数に応じて増額すること。

③入所を希望する留守家庭児童数が10名以上となっている現在の市の設置基準を見直し、1クラブの児童数5名以上としている福岡県の設置基準に準ずるものに改善すること。また、子どもの生活の場として、40人以下の定員を原則とすること。

■どの子も伸びる教育のための条件整備と、働きやすい職場への改善を

<教育>

(1)国に先駆けて早期に市立小・中学校の全学年への35人以下学級を実施すること。さらに必要な教職員の増員を行い、30人以下への学級編成の改善を目指すこと。

(2)働きやすい職場への改善をはかること。

①教員管理のための教員評価システムや、競争教育に拍車をかける学校評価システムを廃止すること。本市教育委員会が平成20年度以来実施している教員の勤務実態調査(20校抽出)で、昨年度は教諭の勤務時間外在校時間が、小学校で月平均28時間以上、中学校で月48時間以上、特別支援学校で月21時間以上となっている本市教職員の深刻な勤務の実態を抜本的に改善すること。

②子育て中の教員について、人事異動や、校務分掌に関する希望を尊重し、最大限の配慮を行うこと。

(3)教科内容等について

①全国いっせい学力テストの中止を求め、参加はしないこと。

②学習内容を押しつけるのではなく、学校現場の裁量を拡大し、学校の教育活動を支えるための教材費や国基準未達成の図書費の充実など、条件整備を進めること。

③同和教育副読本「いのち」の使用を中止するとともに、人権教育に名を借りた特定団体による教育介入を許さない対応を行うこと。

④少数の委員による教科書選定の現状を改め、広く教員の意見を踏まえて教科書を採用すること。教科指導上、教師が使いにくい教科書については、採用しないこと。

⑤市費嘱託講師の待遇改善をはかること。

(4)子どもの可能性を伸ばすための人員配置を進めること。

①小学校に専科教員(音楽・体育・理科の実験等専門的知識を有する教員)を配置すること。

②小・中学校に正規職員の図書司書を計画的に配置し、市立学校図書館の放課後を含めた常時開館を実施すること。

③スクールカウンセラーを計画的に全校に配置すること。

(5)学習障害(LD)及び注意欠陥多動性障害(ADHD)の児童・生徒の発達を保障するため、専門家の配置・通級指導教室増設など取り組みを強めること。また交付税を活用して、特別支援教育支援員を全校に配置すること。

(6)特別支援教育を充実させること。

①特別支援学校の増設、学級の増設・整備をはかるとともに、専門職の配置など人員体制を強化すること。

②特別支援学校が、地域において特別支援教育のセンターとしての役割を果たすために、人的配置等の条件整備を前倒しですすめること。

③特別支援学級の担任に本務教員を配置し、十分な補助講師を置くこと。

④現在8名の特別支援学級の学級定数の引き下げを行うこと。

(7)子どもたちの食育に責任をもった学校給食を実施すること。

①小学校給食の民間委託をやめ、給食の質の確保を図るために直営とすること。

②給食用食器を陶磁器などに改善すること。

③現在の東西2分割となっている統一献立を各区単位に変更し、地元農産物を活用した、安全でおいしい給食の取り組みを進めること。

④学校給食の質を維持するために正規調理員の新規採用を実施すること。

⑤親子方式で開始した中学校給食は自校直営に切り替えること。

(8)学校の施設整備を行うこと。

①小・中学校、市立幼稚園の冷暖房化をすすめること。当面、全公立学校の全学年の教室に扇風機を設置すること。

②危険な箇所の修繕や老朽校舎の改築を急ぐこと。平成27年度末完了をめざすIs値0.7以上への耐震改修事業は、繰り上げ完了をめざして鋭意努力すること。

③避難場所でもある学校施設等のバリアフリー化をすすめること。

(9)父母負担の軽減をはかること。

①保護者の病気、失業、リストラ等の緊急事態にも即応できるよう、就学援助制度を改善・充実すること。制服代・部活動費・めがね代等内容の充実をはかること。

②給付制奨学金の創設のため、国に要請するとともにまず本市奨学金から実現すること。無利子奨学金の枠を拡充すること。

③私学(朝鮮学校を含む)助成を拡充し、保護者負担の軽減に努めること。

④高校への希望者全員入学への移行を国に要請すること。

(10)北九州市立大学の充実・発展のために支援を強めること。

①教育・研究条件を向上させるため、専任教員の増員、研究予算の充実をはかること。そのための運営費交付金を当初計画通り充実させること。

②経済的理由で学業継続が困難な学生を支援するため、授業料減免枠を拡充すること。入学金・授業料については、国立大学授業料に合わせるのではなく、必要な引き下げを行うこと。

③卒業生の地元での雇用をふやすため、市内企業への積極的な働きかけを行うこと。

(11)北九州市立高等学校の充実のために、必要な措置を講じること。

①市教育委員会に所管課を置き、教育内容の充実と施設・設備の改善など、教育条件の整備を図ること。

②非常勤講師の処遇改善等充実をはかること。

③エアコンの維持・補修経費や電気代などの保護者負担をなくし、完全無料化を実現すること。

(12)本市内で学ぶ学生・生徒等のうち、東日本大震災で被災した者の授業料等の減免や、生活支援に関する必要な措置を講じること。

■子どもたちの権利を保障するために

<権利保護等>

(1)市内に、児童自立支援施設を設置すること。シンナー、薬物乱用など、青少年の非行防止のため、必要な対策をとること。

(2)子育て世代の住宅確保を支援するため、市営住宅の増設や、家賃補助などの拡充を

はかること。

(3)児童相談所の充実、児童養護施設の拡充、一時保護所の体制を充実するため立地の見直しを検討すること。

(4)10代の人工妊娠中絶が全国平均の2倍となっている本市の現状を重く受け止め、日本国憲法を踏まえて公教育としての学校教育における性教育をはじめ、子ども達の心身と人権を保護する施策を実施すること。

◎市民の知恵と力を活かすまちづくりを

仕事と雇用を生み出し、地域経済を元気にする施策の展開を

本市を取り巻く経済状況、とりわけ雇用情勢は依然として厳しい状況が続いています。

国に対して実効ある対策の早急かつ継続的な実施を求めるとともに、市としても独自に、緊急の雇用創出事業等、雇用対策の抜本的な強化が必要です。

言うまでもなく北九州経済の主役は中小企業です。事業所数で99.1%(2006年

「企業・事業所統計」に基づく推計)、従業者数で78.7%(同)を占めている市内の中小企業に活力を与えることが、北九州の地域経済を活性化する決め手です。

地域経済の再生にむけ、老朽化した小・中学校の建て替えや耐震化の早急な実施、不足

している市営住宅や福祉施設の増設など、公共事業を市民生活に直接役立つものに切り替え、融資対策や販路拡大など、地元中小企業振興のため、有効な対策を取ることが急務となっています。

また、大企業の身勝手なリストラ・工場閉鎖、下請けいじめが、労働者と地元中小企業に深刻な打撃を与えています。行政として、大企業に社会的責任を果たすよう求めることが重要です。

企業の誘致とその進出が地元中小企業の振興や正規雇用の創出等、真に地域経済の再生

に波及効果をもたらす取り組みが必要です。

しかしながら、野田政権が交渉参加を表明したTPP(環太平洋経済連携協定)は、ア

メリカ政府から、聖域なき市場開放を求められることになります。地元企業への官公需の

優先発注等も、「非関税障壁」として排除される危険があり、中小企業を柱とした本市経済

に及ぼす影響は重大です。とりわけ農業に与える影響は大きく、大幅な食料自給率の減少

は農村の生存権を奪い、農地の荒廃を招くものです。

市として、本市の産業及び、農業の発展に逆行するTPP参加に明確に反対する立場に

立つことが必要です。

(1)企業誘致インセンティブの助成金・補助金については、以下の点を踏まえて交付す

ること。

①制度そのものが過度な財政負担とならないようにすること。

②補助金交付にあたっては、進出企業が補助金支給額を超えるだけの経済効果をもたらすか否かを外部有識者が事前に審査する制度を設け、審査結果を原則として市民に公表すること。

③補助金の交付を受けて進出した企業が撤退もしくは財産の売却をした場合には、補助金の返還を求めることができる規定を設けること。また、地域に対する説明を義務付けること。

④市内に進出する企業に対し助成等を行なう場合は、正規雇用を交付条件とすること。

⑤景気の冷え込みで利用が落ち込んでいる「国際物流特区企業集積特別助成金」についてはあり方を全面的に見直し、投資額などの要件を地元中小企業が利用しやすい制度に改めること。

(2)北九州経済の土台である、地元中小企業の育成・振興を強力に推進すること。

①「中小企業振興基本条例」を制定すること。その運用に中小企業者、市民、有識者の声を反映させるため、(仮称)「北九州市中小企業振興協議会」を設置すること。

② 中小企業支援センターを充実・強化し、高度な技術・情報力をもつ企業に協力を求め、地元中小企業の振興に役立てること。

③中小企業や起業を計画する市民等が、高額な工作機械や測定機器を安い費用で利用できるように、機器を設置した設備の整備も含め、中小企業等の支援メニューの一つとして充実・推進すること。

(3)「リストラアセスメント条例」をつくり、大企業の進めるリストラ(合理化)、事業縮小や撤退などの計画を事前に把握するとともに、それが地域経済や雇用に悪影響を及ぼさないよう規制・指導を行うこと。

(4)現在の入札制度では、価格が低い事業者が落札しており、低価格のため事業者の経営も労働者の生活も守られません。公契約条例の制定や委託における最低制限価格の導入など入札制度の改善を行うこと。

(5)市内の全事業所訪問による実態調査を行い、中小企業・商店の支援を強化すること。

① 市として、技術向上や販路拡大に向け、ホームページ作成支援や、技術・情報データベースの充実に取り組むこと。

② 市の中小企業向け制度融資について、融資を申し込んだ中小企業に市の規定以上の書類提出を求めたり、金融機関が市の制度融資をプロパー融資のように取り扱ったりすることのないよう、取り扱い金融機関に対して十分指導・監督すること。あわせて、審査等の手続きについては迅速に行なうよう指導すること。

③ 中小企業融資の受付窓口を、各区役所に設けること。北九州市独自の直貸し制度、現行の融資制度の貸し付け枠の拡大及び、借り入れ分の利子補給や返済猶予、各種制度融資の利子引き下げなどを検討すること。

④ 既存業者も対象に含めた中小企業団地、レンタル工場の施策に取り組むこと。

⑤実施された住宅リフォーム助成制度は、使用目的を限定せず、使い勝手の良いものに改善すること。

(6)公共事業は、浪費型の大型事業を全面的に見直し、特別養護老人ホームなど福祉施設や市営住宅の建設、教室冷暖房、学校施設の耐震化、河川の改修をはじめとする整備・改築など、市民に直接役立つ生活密着型に転換すること。市の福祉・医療・教育施設の工事発注、物品調達等は、基本的に100%地元企業発注をめざし、公共事業全体の地元中小企業への発注率を金額ベースで9割以上に引き上げること。また、人件費を含め、受注企業への適正な発注を確保するため、公契約制度の創設を検討すること。下請企業が採算割れするような事態を生じさせないよう、適正な単価設定を行うこと。

(7)中高年者の就業機会を増やすため、ハローワークなど関係機関との連携を強めるとともに、シルバー人材センターをいっそう充実させること。公園や遊休地等の除草・清掃、廃品・古紙の回収等、公的緊急失業者対策事業を起こすこと。

(8)地元農林水産業の振興のため積極的な対策を講じること。

①食料自給率の向上にむけ、農家が安心して生産に励むことができる条件を保障するために、生産コストをカバーする農産物の価格保障と、それを補う適切な所得補償を組み合わせた制度の構築を国に働きかけること。

②地元農林水産物のブランド化を推進し、販路の確保や契約栽培の拡大を進めること。

③生産・保冷・流通に必要な施設整備とともに、地元特産物の農産加工への支援を強化するなど、都市型農林水産業の総合的な振興と後継者対策に取り組むこと。そのためにも、農業関係者から強い要望の出ている(仮称)西部農業総合センターの設置を急ぐこと。

④地産地消や食の安全を重視した地域づくりをすすめるためにも、直売所や産直販売などの地域の自主的な取り組みを積極的に支援し、農業者と消費者の共同を広げること。地元農林水産物を活用した豊かな病院給食、学校給食など地産地消を促進すること。

⑤農地法等の改正に伴い、役割・責任が格段に重くなる農業委員会について、職員の配置増をはじめとする体制強化と予算確保を急ぐこと。

(9)若者の正規雇用を拡大し、将来に展望が持てる雇用環境を実現すること。

①市内民間企業等に対して、地元高校・大学卒業者等の正規雇用採用枠の拡大等を働きかけること。

②市職員の年齢構成などを考慮し、将来を見据えた新規採用をすすめること。

③社会福祉支援策の充実によって、福祉分野での労働力確保を図り、若者の雇用の場を広げること。

④関係機関と連携し、偽装請負、サービス残業等の根絶に向けた改善に取り組むこと。

⑤労働法を解説したパンフレットなどを、高校・大学卒業生および新成人に配布し、青年労働者の権利を守る取り組みを支援すること。

(10)市場・商店街への支援を強めること。

①大型小売店の無秩序な出退店を規制し、既存の市場・商店街の活性化をはかること。

②ファックスを利用した高齢者などへの「宅配事業」をはじめ、市場・商店街の共同事業や行事を支援すること。また、消費者の利便性を高め、人が集まる街づくりをすすめるため、駐車場、広場、公園、コミュニティセンター、行政施設等を整備すること。

③空き店舗の実態把握と情報提供を行ない、有効活用と創業者支援を強化すること。

(11)本市経済と農業に取り返しのつかない重大な影響を及ぼす、政府のTPPの交渉参加に反対し、市としてJA北九州等とも連携して、参加阻止の具体的な取り組みを積極的に行うこと。

■地球環境を守り、自然を大切にする取り組みに全力をあげること

政府は、「温室効果ガス排出量を2020年までに1990年比で25%削減」するという中期目標を公約し、「この約束が守られなければ、人間の存在が脅かされる」として、排出量削減の必要性を強調しています。

本市では、2006年度調査で産業部門が二酸化炭素総排出量の69.2%を占めていましたが、この数字は1990(平成2)年度と比べて、12.6%も増加しています。

本市の『環境モデル都市』の看板が、内実を伴ったものであるかどうかは、最大の発生源である産業部門に対して「温室効果ガス削減」を強く働きかけ、国の温室効果ガス削減政策を積極的にリードするような成果をあげ得るかにかかっています。

一方、ゴミの減量化や地球環境を守る気運が高まる中で、ゴミの焼却量は年々減少しており、今後いっそう幅広い市民の協力を得て、リデュース・リユース・リサイクルを促進してゴミの減量化をはかるとともに、「地球温暖化物質削減」の取り組みなど環境保全を重視し、市民の健康と安全を最優先する環境行政に転換することが必要です。

また、今回の東日本大震災の教訓をもとに防災対策の強化・充実、福島第一原発の事故による放射能汚染への対応などの緊急課題に対し、その実効ある対策が必要です。

(1)地球温暖化対策を実効あるものとするため、2020年までの「温暖化物質」の短期削減目標を定め、産業界との協定の締結、削減実績の報告を求めるなどその具体策を強化すること。

(2)災害廃棄物の処理にあたっては、市民の安全を守ることを最優先に次のことを実施すること。

①宮城県と国が、2014年3月までに終了することを目標にしている災害廃棄物の広域処理については、処理量の減少や、処理期間の短縮などの場合は、速やかに本市での処理を終了すること。

②災害廃棄物の処理に当たっては、「安全に全く問題はない」という立場で処理や保管を行う のではなく、「想定外」のことが起こる可能性があることを前提にした対応を行うこと。

③最終処分場において、100年・200年と長期にわたって放射能濃度を測定し、管理する体制を検討し確立すること。

④アスベストやひ素、六価クロムなどを含む粉じんによる健康被害が懸念されるストックヤードや搬入口など、密封された作業場で働く労働者保護のために万全の措置をとるとともに、現在月1回としている作業場の環境把握の頻度を引き上げること。

⑤市民からの不安や疑問について、積極的に答えるとともに、災害廃棄物処理に関する全ての情報を公表すること。

(3)ゴミ減量化に本格的に取り組むこと。

① 製造者責任の徹底と過剰包装の抑制などで、ゴミ減量化を進めること。

② 市の責任において、古紙の回収とリサイクルの取り組みを強化すること。

③ 市民の協力により、いっそうのゴミ分別収集に取り組み、ゴミの減量化とリサイクル・リユースを推進すること。

(4)ゴミ処理と減量化の公的責任を明確にすること。

①「北九州市民環境行動10原則」を見直し、市民、NPO・ボランティア団体、企業、教育機関と連携し、市が中心となって環境保全に取り組むこと。

② 家庭用ゴミ袋を無料に戻すこと。

③ 粗大ゴミ(大型ゴミ)の収集手数料を無料に戻すこと。また、各環境センターを窓口として、市民からの申し込みにもとづきすみやかに戸別収集することを原則とすること。

④ バス停、公園等に公共のゴミ箱を設置し、市の責任と市民参加によるまち美化を進めること。

⑤一般ごみ収集運搬業務のさらなる民間委託は中止すること。

(5)光化学スモッグ、降下ばいじん、自動車排ガス、悪臭対策を強め、クリーンな大気を実現するため日常の観測などを強めるとともに、ばいじんなどの排出企業に対して早期の改善を強く求めること。特に、石炭や鉄鉱石などのストックヤードやベルトコンベアによる運搬時の飛散については、密封型に改めるなど緊急に改善をさせること。また、監視・調査体制を強化するとともに、企業への指導情報を市民に公開すること。

(6)ダイオキシンをはじめとする化学物質、アスベスト、内分泌かく乱物質(環境ホルモン)などの実態調査と情報の公開を行い、必要な対策を実施すること。

(7)曾根干潟など自然環境をまもり、生態系保全の計画をつくること。

(8)安定型産業廃棄物処分場周辺住民からの内部告発や、「安定型なのに、なぜ硫化水

素が発生するのか」など、本市に寄せられた苦情や疑問に適切に対応し改善すること。

①事業者に対して、安定五品目以外の搬入禁止を厳しく指導し、展開検査を徹底させること。

②臭いや、硫化水素濃度の測定に当たっては、敷地境界での値ではなく、処分場内での値を測定すること。

③産廃処分場から発生している、硫化水素濃度や、調整池のBOD・CODなど、市民の健康にとって重要な値は、市民に公開すること。

④高濃度の硫化水素が発生している処分場に対しては、その原因を調査し、解消を求めること。

⑤安定五品目以外の埋め立て処分を行っている業者に対しては、違反埋め立て物の撤去を求めるとともに、その原因の調査結果と、責任の所在を市民に公開すること。

(9)洞海湾の水質及び底質の改善対策、響灘の企業埋立地等の土壌汚染対策を実施すること。

(10)PCB処理施設への他県からの持込を中止し、安全性を最優先に見直しを行うとともに、再び市内のPCBを含む機材が大量に放置・無管理状態にならないよう、個数・場所・保管状況を徹底調査すること。また、政府がすすめている処理の延長を認めないこと。

(11)保育所・学校等の市の施設に太陽電池パネルの設置を推進し、地球温暖化防止に努めること。

(12)市域内の大型「開発行為」に当たっての「環境アセスメント」について、対象となる規模を小さくして、厳格に実施するとともに、議会に中間報告を行い、市政だよりなどに結果を公表すること。

(13)門司区を中心に本市で行われている採石事業に伴い、環境破壊や周辺住民の健康被害を引き起こさないよう、以下のように改善すること。

①採石により、広大な自然が破壊されており、産業と環境の両立を提唱する本市として、環境の保全と回復について早急に対策を実施すること。

②採石にともない、大量の粉じんが、作業者や、地域住民の健康を脅かしており、健康診断・健康調査・啓発を徹底するとともに、企業の責任を明確にしたうえで、健康被害を最小限に抑えるための施策を行うこと。

③採石場やその搬出場周辺は、大量の粉じんが舞い、道路・住宅・草花・河川・海岸

が汚染されており、採石場外の汚染を厳しく取り締まること。

■住民の声を生かした街づくりをすすめること

(1)黒崎コムシティ再生について

①来年春の再生オープンをめざし、着実な事業実施を行なうとともに、コムシティ事業の失敗を反省し、二度と繰り返さない教訓とすること。

②コムシティへの年間200万人、文化交流拠点地区(文化ホールと図書館)への同50万人の来場者が見込まれており、官・民を問わずその来場者を中心市街地に回遊するための工夫と施設整備を必ず行なうこと。

③八幡西区役所については、自然災害等に緊急対応できるよう、施設の体制整備を行

なうこと。

④これまでも指摘されてきた駐車場の改善、バスセンターの待合室設置等、利用者

の利便性を向上させること。

(2)黒崎再生について

①定住人口の増加のため、市営住宅や民間住宅の設置を促進すること。

②行政施設・医療機関・商店街と周辺居住地を連絡する、地域循環バスを市の責任で走行させること。

③商店街の再生のために、空き店舗対策など、抜本的な支援策を講ずること。

(3)折尾地域の開発について

①JRの連続立体交差事業は、関係者の声を生かし、促進すること。

②8本の幹線道路の新設・拡幅計画は、連続立体交差に係わる事業に限定し、それ以上の計画は、見直し、あるいは凍結すること。

③区画整理事業は、反対者の声を生かし、見直すこと。

④歴史・宗教施設を、関係者の意思を尊重し、保存すること。

⑤本事業により立ち退きを余儀なくされる方々の意見を尊重した対応を行うこと。

(4)筑豊電鉄穴生駅にエレベータを設置すること。

(5)旧北九州空港跡地の開発については、地元住民の声を生かし、エリア内に、公園・文化施設・スポーツ施設など、憩いの空間を整備すること。

(6)陸上自衛隊城野分とん地の跡地については、文化・スポーツ施設等の公共施設を配置した利用計画とし、UR城野団地の一部集約化と一体的にすすめること。南北を分断しているJR高架橋下やその周辺等の道路整備を行うこと。また、古代の遺跡の埋蔵文化財についてはサンプル調査ではなく、全体調査を行いその価値に相応しい保存を行うこと。松本清張の「黒字の絵」のモデルとなった現場は、関係者の意見を聞いて保存すること。

(7)小倉南区城野駅南側の医療刑務所跡地は、城野遺跡の保存と合わせ、公共施設用地として確保し、活用を図ること。

交通体系を整備し、市民の足を守ること

(1) 市民の足を守る公営バスの使命を果たすために、以下のように措置すること。

①不採算路線を走行せざるを得ない市営バスに対して、必要な補助を実施し経営の安定をはかること。特に、若松区北西部路線、通学支援路線、通勤支援路線に対する補助を実施すること。

②職員の年齢が最低35歳、最高が51歳となり、職員全体に占める嘱託率が80%にもなっている労働環境を改善するために、平成23年度から始めた新規の正規職員の採用を継続すること。

(2)交通結節点の混雑解消、バス停、電停、JR及びモノレール各駅のバリアフリー化を進めること。また、バス事業者に助成して、バス停に屋根やベンチを設置すること。

(3)交通不便地域や、市場・商店街、官公庁、医療機関等を巡回する地域循環バスを市の責任で運行し、市民の足を守ること。おでかけ交通に対する運営補助を行なうこと。

(4)国道3号黒崎バイパスについて、全体工事の早期実現を図ること。

(5)若戸大橋及び新若戸道路の通行料の無料化を実施すること。

(6)若松区安瀬交差点を中心とした渋滞緩和策を講ずること。

(7)都市計画道路12号線の八幡西区浅川台地域の路線を見直し、水巻町に連携する道路計画に変更し、早期に事業化すること。

(8)関門トンネルの渋滞解消のため、関門橋の料金値下げを要請すること。

(9)JR日豊線の踏み切りの渋滞緩和のための道路の整備、城野地域の小倉南区と小倉北区をつなぐ歩道の拡幅と車道の整備を早期に行うこと。

(10)自転車道の整備を全市で行うこと。

(11)国道3号・赤坂砂津線の歩行者の安全確保のための歩道の拡幅・整備を行うこと。

◎憲法の精神を活かした平和と人権を守るまちづくりのために

市民の安全と平和を大切にする市政をすすめること

本市は準被爆都市であるとともに、アジア外交の玄関口として重要な地域に位置していることから、多くの市民が行政に対し平和を守るための積極的な取り組みを求めてきました。本市は一昨年2月10日、「非核・平和都市宣言」を行いました。

一方、18年前の阪神・淡路大震災、8年が経過した福岡西方沖地震に続く中越沖地震、そして本市にも深刻な被害をもたらしたこの間の集中豪雨など大きな被害をもたらした自然災害の記憶が鮮明に残るなかで、昨年3月11日に発生した東日本大震災は、死者・行方不明は関連死を含めて2万人を超える未曾有の被害をもたらしました。

地震をはじめとする自然災害への備え、災害時の危機管理体制の充実や災害に強いまちづくりは、行政にとって喫緊の課題となっています。

また、深刻な事態が続く福島第一原子力発電所の重大事故による放射能汚染は、全国民を不安に陥れており、危険な原子力発電からの撤退と、原発に依存しない電力供給体制の構築などが強く求められています。

同時に、本市で相次いだ発砲事件や殺人事件等が、市民のいのちと安全をおびやかし、同時に本市の対外的なイメージを大きくダウンさせています。

市民のいのち、財産、安全を守る自治体の使命にもとづき、犯罪の防止・抑止、暴力追放の取り組みは極めて重要です。市民の間に広がっている暴力追放世論をしっかり受け止め、暴力団対策をいっそう強化することが急務となっています。

(1)本市として「脱原発安全都市宣言」を行ない、「脱原発をめざす首長会議」に参加すること。同時に、玄海原発の老朽炉の廃止とプルサーマル発電の中止、原発から再生可能(自然)エネルギーへの転換に向けて、政府や電力事業者、並びに関係機関に強く働きかけること。また、本市として東日本大震災の被災者と復興への支援を継続すること。

(2)地震、台風、豪雨など自然災害への十分な備えを行なうこと。

①木造戸建て住宅の耐震改修工事の現行補助基準を緩和し、旧耐震木造住宅すべてを対象とし、居間、寝室等の簡易耐震工事にも助成を広げること。

②全ての公共施設の耐震診断を早期に実施し、改修計画を具体化すること。

③マンションの耐震診断・工事の負担軽減のため、助成制度を改善すること。

④市内急傾斜地等の危険個所や、高潮・津波による災害を未然に防ぐため、対策を強化すること。

⑤豪雨災害に対応するために、福岡県への要望の強化とともに、民有地のがけ地防災対策においては、がけ崩れ対策への支援のための無利子融資を含めて、横浜市のような支援について早急に実現すること。

⑥合流式下水道の改善をはかること。

⑦紫川ダムの計画を中止し、ます渕ダムについては効果的運用を恒久化することで洪水調整施設とすること。また、紫川の河川改修工事を早急に行うこと。並行して、市が管理する河川における溢水対策にも万全を期すこと。

(3)火災をはじめ緊急時に市民を守る日頃の備えを充実させること。

①小倉北消防署の移転に伴う熊谷出張所の廃止をやめること。

②災害時に出動すべき消防署・出張所・訓練研修センターの耐震診断・耐震化を行う

こと。また、消防団施設についても早急に耐震化を図ること。

③災害時の避難所となる市民センターの全施設について早急な耐震診断・耐震化を行

うこと。

(4)白島石油備蓄基地については、東日本大震災の教訓をもとに政府や関係機関に対し施設・設備の総点検等、安全対策についての当面の措置、及び市民のいのちと安全を守る立場から、同基地そのものの撤去を強く求めること。

(5) 火災の危険や、少年非行の温床となることなどが懸念されている老朽廃屋について、これまでの調査結果にもとづいて、市の関係部局が情報を共有し、連携して危険や災害を防止する対策をとること。

(6)憲法9条の改悪に反対するとともに、改悪された教育基本法の具体化に反対し、平和と人権を守ること。

(7) かつて原爆投下の目標となった準被爆都市として、戦争の惨禍を繰り返させない決意を示し、核廃絶と平和を願う市民の声に応えるため「平和都市宣言」を実効あるものにする積極的な施策を展開すること。「平和宣言」パネルは公共施設や区役所、市庁舎の市民に見やすいところにかかげ、市役所及び各区役所にモニュメントを設置すること。学校現場での自主的な平和教育の取り組みを支援すること。

(8)現在オブザ-バ-参加の「平和市長会議」に正式加盟すること。被爆都市である広島、長崎両市の取り組みと協同し、核兵器廃絶への具体的な行動に踏み出すこと。

(9)平和推進のための基本条例を制定すること。同条例に基づいて、戦争の悲惨さを伝え、近現代の市の歴史を学び、平和教育にも役立てるための(仮称)「平和資料館」を設置し、学校現場での平和教育の推進、核兵器廃絶運動の促進等、平和と核兵器廃絶の声を発信すること。また、非核平和都市宣言にふさわしく、当面は『戦時資料展示コーナー』について、戦争や空襲の貴重な体験をDVDなどに保存し、平和教育の発信基地にふさわしいものにするために、検討委員会などを設置すること。その際、専門家の意見や原爆資料館などを参考にしながら抜本的に見直すこと。

(10) 米軍及び自衛隊基地の強化につながる在日米軍基地の再編に反対し、政府に自衛隊基地の撤去・縮小を求めること。

①繰り返し引き起こされている米軍関係者の犯罪による治安悪化や、騒音や大気汚染

事故の危険拡大など市民への悪影響が懸念されるため、政府に対し、航空自衛隊築城基地における米軍訓練の中止及び緊急時の普天間飛行場の代替施設としての同基地の使用と、そのための施設の整備を中止するよう求めること。また、「ミサイル防衛」の地上配備型システムによって、航空自衛隊芦屋基地に配備された未完成兵器・PAC3ミサイルについて、その撤去を要求すること。

②小倉駐屯地で毎年開催されている自衛隊創立式典での航空展示は、騒音被害や墜落事故の危険など、北九州市民の安全を脅かすものであり、中止を求めること。

③航空自衛隊芦屋基地に対して、危険性と騒音を激化させる滑走路延長計画の中止、及び住宅地上空での旋回訓練の中止を求めること。また、旋回訓練エリア内の小・中学校等の防音工事を促進すること。

④政府に対し、市民の憩いの場である公園や市街地での防災訓練等の名目による軍事

演習の中止を求めること。

⑤北九州空港及び周辺空域の軍事利用につながる、航空自衛隊築城基地への低高度管

制の委託をやめるよう、政府に要請すること。

⑥陸上自衛隊曽根訓練場に置かれている都市型訓練施設は、住宅街にふさわしくない

市街地での戦闘訓練のための施設であり、政府に対しその撤去を求めること。

⑦北九州港への自衛艦や米軍艦船等の入港拒否を明確にすること。また、政府に対し

て北九州空港において米軍航空機等の離発着は認めないよう求めること。

⑧米軍関係者の犯罪による治安悪化など、市民への悪影響が懸念されている航空自衛隊築城基地、同芦屋基地、及び陸上自衛隊富野分とん地への沖縄県米軍普天間基地

の訓練移転に、反対すること。

(11)あらゆる暴力を許さない取り組みを推進すること。とりわけ、福岡県警察とも連携して、暴力団追放運動をいっそう強化し、公共事業への暴力団の介入を排除する対策を徹底すること。民事暴力相談センターの存在を市民に周知し、活用をすすめること。

(12)市民を犯罪被害から守る安全・安心な街づくりをすすめるために、防犯灯の増設と老朽化した器具の更新を促進すること。そのために、防犯灯の設置及び維持管理費は、全額公費負担とすること。

市民の自主的・民主的な教育・文化・スポーツ活動を支援すること

(1)図書館、博物館などの社会教育施設を直営に戻し、必要な予算と人員を確保して、運営を充実させること。

(2)図書館充実のため、以下の措置を講じること。

①小倉南区に地区図書館を設置すること。

②既存図書館の耐震工事、バリアフリー化を含めた全面改修、建て替えなど、改善及び機能強化を早急に実施すること。

③耐震診断の対象となっていない門司図書館も診断を実施すること。

④各地区図書館にプロジェクターを備えること。

(3) 市民センターの開館日・時間を拡大し、日曜日・国民の祝日も使用できるよう改善するとともに、各施設のバリアフリー化をすすめること。

(4)市民要望の強い地域においては、市民サブセンターの新設を積極的にすすめること。

(5)文化・スポーツ予算を大幅に増やし、誰でも文化・スポーツに親しみ、楽しめるよう施設を拡充すること。学校施設を開放するなど、利便性の向上や地域住民が利用できる施設を増やすこと。

(6)空き店舗施設の活用など、市民が身近なところで音楽や演劇などを鑑賞し、自ら練習・発表できる場の確保などを支援すること。

(7)市民の財産である市内の伝統文化・芸能・まつり等の保存・継承・振興のために、支援を強めること。

(8)乱開発から文化遺産を保護するため、調査・保存対策をすすめること。

(9)北九州市に一定期間滞在する外国人や定住者、その子女、帰国子女等、日本語に関してハンディを負っているすべての人たちに、地域生活に関する母国語で記された市政情報の郵送及び、公費により当面必要な日本語教育の機会を保障すること。

男女平等、女性の地位向上の推進のために

女性の地位向上と男女平等を推進するために、憲法と女子差別撤廃条約および「北九州

市男女共同参画社会の形成の推進に関する条例」に基づいた施策が進められています。

「北九州市男女共同参画基本計画第2次」(2009年3月策定)は、前基本計画の策定以降の「次世代育成支援対策推進法」、「改正育児・介護休業法」、「改正男女雇用機会均等法」、「改正DV法」等の整備を踏まえ、「女性の参画加速プログラム」や「ワーク・ライフ・バランス」の視点や新分野への取り組みなどが強化されました。

事業の実施にあたっては、広く市民、女性団体の意見を活かした実効性ある取り組みが必要です。

(1)地元からの女性副市長を登用し、総合的な男女平等のための施策を推進すること。

(2)市政に関する企画・立案部門をはじめ、広く女性幹部職員の登用率を高めること。

(3)各種審議会委員の任用にあたっては、女性団体に広くよびかけ透明な基準で女性の登用を促進すること。

(4)「改正」男女雇用機会均等法に基づき、女性への採用差別や賃金格差、妊娠・出産による退職強要や昇給・昇進差別などをなくすよう、関係機関と連携して、企業への働きかけを強めるとともに、相談・救済のための対策をすすめること。

(5)民間の職場を含めて「セクシャル・ハラスメント」防止対策を徹底するよう働きかけるとともに、相談体制の充実を図ること。

(6)DV法、ストーカー規制法などにもとづき、相談体制の充実、シェルター設置など被害者の自立支援体制を強化し、女性への暴力根絶に取り組むこと。あわせて、民間支援団体への助成金の充実など、支援を強めること。

(7)母子寮の整備・増設をすすめること。

(8)学校教育を通して男女平等の教育を徹底し、性別役割分担意識や男女差別をなくす

積極的な学習内容への改善に努めること。また男女混合名簿の推進を図ること。

(9)所得税法第56条を廃止するよう、国に強く求めること。

市民に開かれた公正で民主的な行政運営を行うこと

厳しい経済情勢と社会保障切り捨ての「構造改革」政治がもたらした生活苦が、多くの市民を襲っており、市民生活を守る市のキメ細かな政策が求められています。

また、採算のとれないハコ物、市民の役に立たない事業への税金投入に、市民の厳しい

目が注がれており、市民に開かれたガラス張りの行政の実現と、誰もが納得できる税金の使い方への改革が必要です。

そのために、市の公共工事や各種事業の実施にあたっては、関係者の意見をよく聞き、

住民合意を十分にはかりながらすすめること。

(1)制定された自治基本条例については、「市民が主役」の市政運営を基本に、市民の権利と行政の公的責任を明確にして運用すること。根本理念として「市民が主役」の市政運営をすえるとともに、住民投票制度等の市民の権利と行政の公的責任を明確に規定するなど、先進的な内容とすること。

(2)政治倫理条例を早期に制定すること。

(3)1期4年の任期満了の度に、約3,800万円が支給されるとされている市長の退職金制度を完全に廃止すること。

(4)「行財政改革」の名で、市の公共料金の安易な引き上げは行わないこと。水道料金体系を、一人暮らしの高齢者等小口使用者に配慮したものとなるよう見直しを行うこと。

(5)市民に開かれた公正で民主的な行政運営を行うこと。

①市民の個人情報保護と情報の悪用を防ぐため、住民基本台帳ネットワークシステム(=住基ネット)の凍結・中止を政府に求めること。また、住基ネットへの登録について、個々の市民に選択する自由を保障すること。

②市職員の資質・専門性の向上を図ること。職員間のコミュニケーションの向上、連携強化など、職場環境の改善をはかること。公益通報制度の適切な活用を通じて、不祥事防止を徹底すること。市職員の長時間・過密労働を改善し、成果主義賃金導入を中止すること。市職員8,000人体制に向けた職員削減計画は、市民サービスを直接担う部門の人員削減による行政責任の後退につながるものであり、計画を中止すること。

③市税及び国保料など税外債権の徴収率向上のために設置された東部及び西部の市税事務所について、市民の利便性やサービスの低下、及び強権的な徴収、並びに職員の労働強化を引き起こさないよう、業務の検証を行うとともに、必要に応じて改善すること。また、市民税の徴収猶予、減免制度を市民に周知すること。

④各種審議会の委員構成は、公募による市民の割合を増やし、原則として委員会を全面公開すること。

⑤市政上の重要な課題、地域や市民生活に重大な影響を及ぼす問題について、市民が意思を表明する機会を保障するため、永住外国人を含む18歳以上の住民投票制度の創設を検討すること。

⑥法的根拠を失った同和行政は“終結宣言”を行い、直ちに全面的に終結させること。

⑦指定管理者が運営している公共施設については、その設置目的が十分に果たせるよ

う、情報公開を徹底し、運営の透明性、市民の利便性を確保すること。

(6)各区の特性を生かした施策をすすめるため、各区役所の機能と裁量を拡大するとと

もに、それを保障するため予算の増額をはかること。

(7)市民が気軽に問い合わせできるよう、市役所に代表電話を設置すること。

(8)市民の参画を保障するため、監査委員の選出に準公選制の導入を検討すること。

(9)市民団体や住民組織の意向を市政に反映させるため、(仮称)「お出かけ市長室」などを通じて市民との日常的な対話をすすめること。また、正確な情報を市民に広報するため、情報公開をさらに徹底すること。なお、町内会等への「市政だより」配付等の委託事業について、委託料を増額するとともに、町内会等の未加入者についても行政情報が届くよう改善すること。

(10)永住外国人の地方参政権を保障するため、政府に制度改善を要請すること。

(11)悪徳商法、振り込め詐欺、多重債務等の被害から市民を守るため、相談体制をよりいっそう充実すること。

(12)外郭団体の組織・業務を抜本的に見直して整理・縮小し、情報公開を徹底すること。

なお、外郭団体が雇用している職員については、再就職の斡旋など誠意をもって対応すること。

(13)身近な市の制度や施設を紹介している「市政ガイドブック~くらしの便利情報」は、

発行の都度、障害者・高齢者などの要援護世帯に直接届くよう手立てをとること。

(14)公的施設の利用申し込み時の生年月日の記載義務については、個人情報保護の観点か

ら直ちに中止すること。

以上、提案致します。

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