北橋市長に2016年度予算で提案
日本共産党市会議員団は11月20日、来年度の予算編成にあたっての提案書を、北橋市長と古城教育委員会委員長へ提出しました。
予算提案書は、①安心して暮らせる市民の医療と福祉のために、②安心して子育てができる環境づくりに全力をあげること、③市民の知恵と力を活かすまちづくりを、④憲法の精神を活かした平和と人権を守るまちづくりのために、の4分野にわたっています。優先して取り組むべき重点21項目と4分野214項目、166枝項目の内容で構成されています。
2016年度予算編成にあたっての提案書
北 九 州 市 長 北 橋 健 治 様
北九州市教育委員会委員長 古 城 和 子 様
2015年11月20日
日本共産党北九州市会議員団
団 長 石 田 康 高
我が国の平和と、国民のくらしをめぐる政治の激動が続くなか、住民の福祉向上、地域経済の振興のために行政の果たす役割はますます重要になっています。
安倍政権は、多くの国民が反対の声をあげ、憲法学者をはじめ法曹界がこぞって憲法違反と指摘した「安全保障関連法案」を強行成立させました。立憲主義、民主主義、平和主義を脅かす極めて重大な暴挙です。
更に、消費税率10%への引き上げ、大企業の利益最優先の「アベノミクス」推進、原発の再稼動、沖縄での巨大米軍新基地建設工事の強行、密室でのTPP「大筋合意」、社会保障切り捨てと労働法制の大改悪など、国民多数の願いに反する方向へ突き進んでいます。
東日本大震災発生から4年8か月を過ぎましたが、被災者救援と復興へ、被災者の声を生かした取り組みと、危機的状況にある福島第一原子力発電所事故による放射能汚染への抜本的な対策に、政府が全面的な責任を担い、前進させることが強く求められています。
「地方創生」が叫ばれるなかで、道州制への移行を前提とした上からの押しつけではなく、真に地方の自治権拡大と市民生活の向上につながる取り組みが必要です。
本市においては、政令市中最高の高齢化率と最低水準の市民所得のもとで、市民のくらしと福祉をめぐる声は極めて切実です。過去の大型開発で膨れ上がった公債費や、採算の取れないハコ物や新たな巨大開発への税金投入に、市民は厳しい目を注いでいます。また、財政難を理由とした本市の新たな「行財政改革」の推進によって、住民の福祉の増進という自治体本来の役割が希薄となり、市民サービスが後退することが懸念されています。とりわけ、公共施設のマネジメントは、市の計画を一方的に押し付けるのではなく、住民参加で市民の声・智恵を生かした進め方が強く求められます。
また、暴力団の犯行が疑われる発砲事件や殺傷事件など市民の命と安全を脅かす卑劣な犯罪に対し、犯人検挙等一定の前進がありましたが、いっそうの対策強化が求められています。
提案にあたって我が党は、財政運営の基本的な観点として、必要性も採算性もない大型事業への税金のムダ使いをなくし、公共事業は福祉施設や教育施設等の市民生活に真に必要なものを優先し、財源を市民のくらしと福祉向上のために重点的に配分することを求めます。
「住民福祉の増進を図る」との地方自治法の規定にもとづき、国の悪政から市民を守る立場から、本市が雇用対策、市民生活向上と社会保障制度充実、中小企業の振興、教育条件整備、環境保全、災害対策等に全力をあげることを求め、別紙で示す具体的な取り組みを提案致します。
≪優先して取り組むべき重点事項≫
- 政府に対し、集団的自衛権の行使容認の閣議決定の撤回を求めるとともに、国会に対し強行された「安保法制」の廃止を求めること。
- 脱原発の立場を明確にし、川内原発と玄海原発の再稼働の中止とプルサーマル発電の中止、原発から再生可能(自然)エネルギーへの転換に向けて、政府や電力事業者、並びに関係機関に強く働きかけること。また、東日本大震災の被災者と復興への支援を継続すること。
- 政府に対し、本市の産業及び農業の発展に逆行するTPP協定書作成作業から撤退し、調印を中止することを強く求めること。
- 市民生活と本市の地域経済に深刻なダメージを与える2017年4月の消費税率10%への引き上げに反対すること。地元企業・中小企業の消費税の転嫁対策について、市として実態を調査すること。
- 国の「税・社会保障一体改革」による、市民の負担増につながる動きに反対すること。国に対し、後期高齢者医療制度のすみやかな廃止を強く求めること。
- 若者などを過酷な労働に追い立て、使い捨てる“ブラック企業”をなくすために、国・県
とも連携して長時間労働の是正等の対策に早急に取り組むこと。市内大企業による一方的
なリストラ・合理化から労働者の雇用を守るため、市として適切な対応を行うこと。
- 第6期介護保険事業において、軽度者をきりすてる総合事業導入はしないこと。定期巡回サービス、介護職員の医療行為の導入は慎重に行うこと。保険料の軽減制度のさらなる改善及び利用料の軽減制度を実施すること。介護施設の整備を行い、待機者を解消すること。
- 子どもの医療費助成制度を拡充し、中学校卒業まで入・通院ともに所得制限、一部負担なしで完全無料化すること。
- 国民健康保険料を、1世帯平均1万円以上引き下げること。
- 市の「商店街の活性化に関する条例」を踏まえ、市場・商店街への支援を強めること。
- 市として公契約条例を制定すること。市の「中小企業振興条例」にもとづき、中小企業の仕事と雇用確保のため支援を強め、公共事業は教育、福祉、市営住宅など市民生活に直接役立つものに限定するとともに、「住まい向上リフォーム促進事業」の改善をはかること。
- 国に先駆けて必要な教職員の増員を行い、早期に市立小・中学校の全学年に35人以下学級を拡大すること。さらに、30人以下への学級編成の改善を目指すこと。
- 市立幼稚園、特別支援学校を含む小・中学校の全教室の冷暖房化(エアコン設置)を早期に完了すること。
- 必要性も採算性もない下関北九州道路の政府要望はやめること。
- 「環境モデル都市」を標榜する市として、市内大企業に温室効果ガス削減の踏み込んだ目標を提起し、地球温暖化防止対策を積極的に推進するとともに、降下ばいじん・PM2.5対策を強めること。
- 市並びに議会による「非核平和都市宣言」の趣旨を内外に発信するため、(仮称)「平和資料館」を設置すること。
- 市民サ-ビス低下をもたらすと同時に、民間委託・指定管理の急増により費用を増大させ、公務労働を変質させる新たな「行革」と職員削減は中止すること。
- 拙速なスタジアムの事業推進を中止し、市民説明の徹底と意見聴取、募金を含め市費負担の大幅な軽減に向け事業計画の抜本的な見直しを行うこと。
- 「安全安心条例」にもとづく暴力団犯罪の根絶に向けた取り組みに全力をあげること。
- 政府に対し、マイナンバー制度の実施を凍結するよう求めること。
- 「公共施設マネジメント」は、計画段階から市民説明を十分に行い、利用者、市民の多様な意見を踏まえたものとすること。
◎安心して暮らせる市民の医療と福祉のために
■高齢者・障害者福祉を充実して安心のまちづくりを
<高齢者福祉>
長年、社会のために貢献してきた高齢者に、健康で安心の生活を保障することは、国と自治体の責任です。政令指定都市のなかで最も人口の高齢化が進行している本市において、高齢社会対策の取り組みは、引き続き最も切実な市民要望の一つとなっています。
(1)「いのちをつなぐネットワーク事業」の体制充実をはかり、地域の民生委員への支援を強化するなど、高齢者をはじめ支援を必要とする市民が安心して暮らせるよう福祉施策を抜本的に強めること。
(2)高齢者の社会参加を促進するため、路線バス、モノレール等の公共交通機関を対象とする敬老優待乗車証の発行等、施策を充実させること。
(3)訪問給食サービスを拡充し、高齢者などの食の確保を図るとともに、孤独死防止対策の一環として機能させること。
(4)緊急通報システムの設置基準を見直し、対象を拡大すること。合わせて携帯電話でも設置できるよう検討すること。
(5)家庭・職場・生活道路など、日常生活の場からバリアをなくすとともに、公共交通機関など移動手段の整備・拡充を図るなど、高齢者及び障害者福祉計画を見直すこと。
(6)縮小した敬老祝金制度を元に戻すこと。
(7)若年性認知症対策として、市の東西でデイサービスを行うこと。
(8)国に対し、「マクロ経済スライド」による年金切り下げを撤回するよう求めること。誰でも月額5万円が支給される最低保障年金を創設し、支払った保険料に見合う額をそれに上乗せする二階建ての年金制度への改正を行うよう求めること。
(9)現在市内1箇所の認知症疾患医療センターの増設計画(4箇所に増)を見直し、各区に1箇所ずつ設置すること。
(10)(仮称)「認知症支援・介護予防センター」の設置にあたっては、人員体制と事業内容を充実させること。
<介護保険>
本市は、昨年3月に策定した第6期介護保険事業計画において、保険料基準額を年間5160円引き上げました。
昨年の保険料普通徴収対象の3割にあたる9240人が、生活困窮を主な理由に保険料を滞納し
ており、そのうち142人は給付を制限され、利用料3割負担となっています。また、平成26年度の保険料軽減制度適用者は1341人で、軽減額は1134万円にとどまっており、介護保険料の市独自の軽減制度を抜本的に改善し、高すぎる負担を軽減することが求められます。利用料の負担についても、境界層に該当するとして軽減されたのは29人に止まっています。
一方、政府が行った今年4月からの過去最大規模となる2.27%の介護報酬引き下げは、介護施設の経営や介護労働者にとって重大な影響をもたらすものです。また政府が、「医療・介護総合法」で要支援者の訪問介護・通所介護を保険給付から外し、地域支援事業に移行させようとしていることに対しても、関係者から懸念する声があがっています。
(1)国に対し、介護報酬の引き下げを撤回することを求めること。
(2)市民の介護保険料負担を軽減するため、本市介護保険特別会計への一般会計からの独
自の繰り入れを行うなど、必要な措置を講じること。
(3)要支援1、2の軽度者の市町村の「地域支援事業」への移行や、特別養護老人ホームへの入所を要介護3以上にする制限、サービス利用料の引き上げなどの改悪を中止するよう国に求めること。
(4)市民センターを中心に、健康づくり・介護予防の拠点にするために、保健師などの専門職を配置すべきです。市民センターは、生涯学習機能も持っており、手狭になる施設が発生することが予想されることから、「年長者いこいの家」の活用や市民センターの拡充も含めて検討すること。
(5)利用料負担軽減制度を創設すること。
(6)介護保険制度の改悪による福祉用具の取り上げ、家事援助サービスの停止をやめ、必要な人が、十分サービスを受けられるよう、国に改善を求めること。当面、市として独自に必要なサービスを確保する対策を実施すること。
(7)だれもが、必要な介護サービスを安心して受けられるよう、介護サービスの利用料減免制度を創設すること。
(8)特別養護老人ホーム、小規模介護老人福祉施設などのさらなる増設をはかり、待機者を解消すること。地域密着型サービスの充実等、在宅福祉サービスの充実を図ること。
(9)地域包括支援センターは、スタッフを増員し、住民の声を反映したものとなるよう、充実をはかること。各区に地域包括支援センター運営協議会を設置すること。
(10)4月1日からの介護報酬引き下げの影響による介護従事者の実態を調査・検証すること。また、介護労働者確保のための育成と研修によるサービスの向上をはかるとともに、生活できる賃金の保障と労働条件の改善をはかること。
(11)訪問介護者が効率的に働けるよう、訪問介護時の路上駐車について安全対策上支障のない範囲で規制を緩和するよう関係機関にはたらきかけること。
(12)要介護認定に関して利用者に不利益と不公平感が生じないよう、市として検証をおこなうこと。
(13)日常生活介護(ホームヘルプサービス)の利用者に対し、時間短縮を機械的に押し付けないよう事業者を指導すること。
(14)障害者控除を広げる啓発と申請援助を行うこと。
<障害者福祉>
障害を持つ人が安心して、人間らしく生きることができるよう、現行の障害区分を廃止し、支援の必要に応じた新たな法制度を作るよう、市として国に対し強く求めるとともに、市独自の対策を講じることが必要です。
(1)国に対して、障害者総合支援法を見直し、「基本合意」「骨格提言」にもとづく、障害者総合福祉法の制定とともに、応益負担は廃止し、障害者の福祉・医療を無料にするよう求めること。2016年4月に施行される「障害者差別解消法」について、実効あるものとなるよう、国に意見をあげること。
(2)国に対して、障害基礎年金の支給額を増額するなど、制度の改善を求めること。
(3)65歳から74歳までの市民が重度障害者医療の適用を受けようとする場合、後期高齢者医療制度への加入を前提条件としている福岡県の運用について、国の指導に従って見直すよう福岡県に要請すること。
(4)重度障害者医療費給付制度の所得制限をなくすこと。県に対して精神障害者医療給付制度について、精神障害者手帳2級まで対象とするよう求めること。本市独自の上乗せとして入院も対象にすること。
(5)障害者が地域で生活出来るよう、グループホーム・ケアホームなど必要な施設を設置し、職員の配置を十分に行うこと。特に24時間切れ目のない支援と見守りを必要としている知的障害者のための昼夜一体の施設を設置すること。
(6)地域での社会参加やスポーツなどの余暇活動を保障するために、余暇活動を行っている団体やボランティアなどへの支援を行い、障害者の社会参加を促進する体制をさらに整備すること。
(7)障害者小規模共同作業所に対する補助金のいっそうの増額や、認可を促進するための援助と指導を行い、安定した運営への支援を拡充すること。
(8)障害をもつ子どもの早期診断と、幼児期から成人期にかけてのリハビリを担う医療機関として北九州市立総合療育センターを以下のように充実させること。
①必要な医師の確保をはかること。
②順次、医療機器の更新を行い、機能を充実させること。
③併設の発達障害者支援センター「つばさ」については、職員を増員すること。
(9)北九州市立総合療育センター西部分所の開所に向けて、関係者の意見を十分聴取して人員体制や運営等の充実に努めること。
(10)精神障害者の公共交通機関等の料金割引制度は、他の障害と同等に適用するよう、関係事業者への働きかけを強めること。
(11)乗車距離が101㎞以上の場合に適用するとしているJRの障害者料金割引制度について、他の公共交通機関と同等の制度に改善するよう、関係機関に働きかけるとともに、JR会社にも直接要請すること。
(12)「障害者優先調達推進法」に基づき、本市による市内の障害者共同作業所等の製品購入をさらに拡大すること。
(13)聴覚障害者支援のため、行政窓口や高齢者福祉施設に専門の支援員を配置すること。
(14)基幹相談支援センターと各区役所窓口等に聴覚障害者の手話相談員を配置すること。
(15)改正障害者雇用促進法の趣旨を踏まえ、障害者の雇用率(民間企業2%・国及び地方公共団体並びに特殊法人2.3%)の達成をめざすこと。
■市民のいのちと健康を守るため、医療の充実したまちづくりを
だれでも安心してかかれる医療の実現、健診受診率の向上や健康相談等を通じて病気の早期発見・早期治療を促進する等、市民の健康を守る市の施策が求められています。
本市の国民健康保険加入者は、高齢者と低所得者が多く、所得に対する保険料負担率は政令市のなかで最高レベルであり、平成26年度の法定軽減世帯の割合が政令市の中で最も高い63.7%にもなっています。今年7月末日現在、保険料が払えないために正規の保険証が交付されていない世帯は、加入世帯全体の1割以上にあたる16122世帯(短期証を含む)となっています。
また、リストラ、解雇によって被用者保険から国民健康保険へ移行する就労所得のない加入者も増えており、「高すぎる保険料」の引き下げがますます切実な要求となっています。
しかし、本市の国民健康保険料は、北橋市長が就任した平成19年度と26年度との比較で、応益割保険料は68910円から79800円へと、10890円、15.8%も高くなりました。加入者一人当たりの一般会計からの市独自の繰入金が、平成19年度の18726円に対し、平成26年度は17237円となっており、その対応は不十分と言わなければなりません。
後期高齢者医療制度については、重たい保険料負担、高齢者への差別的な医療内容など、極めて問題のある制度であり、多くの国民がその廃止を強く求めています。
政府は「税・社会保障一体改革」によって、70~74歳の高齢者の医療費窓口負担を2割に引き上げましたが、今後定額窓口負担の導入など、更なる患者負担増を狙っています。また、国保の都道府県広域化によって、市民の負担がさらに増えることが懸念されています。
<国民健康保険、後期高齢者医療制度、各種給付事業>
(1)政府の「税・社会保障一体改革」による新たな定額窓口負担の導入や、国保の都道府県広域化など市民の負担増につながる動きに反対すること。
(2)本市の国民健康保険制度の改善をはかること。
①加入者の保険料負担を軽減するために、一般会計からの市独自の繰入金を増やし、保険料を一世帯平均1万円以上引き下げること。
②国民健康保険料の減免制度を、加入者の実態に合ったものに改善すること。2013年4月から一部改善された医療費の一部負担金減免制度については、制度の周知を徹底するとともに、さらに改善を図ること。
③保険料滞納で、機械的に国民健康保険証を取り上げることはやめること。払いたくても払えない世帯については、正規の保険証を交付すること。
④特別徴収に伴い、年金からの国保料の天引きで、低所得者や滞納者に対しては機械的な対応ではなく、きめ細かな丁寧な対応をすること。
(3)国に対し、後期高齢者医療制度のすみやかな廃止を強く求めること。当面、同制度
について市として次の措置を講じること。
①国保から後期高齢者医療制度への移行で保険料負担増となった世帯に対し、市独自の減免制度を創設すること。
②保険料滞納世帯に対し、資格証明書・短期保険証の発行はしないこと。
③被保険者に対する「はり・きゅう施術」の補助制度を継続すること。
(4)廃止された寡婦医療制度について、県にその代替措置を強く求めるとともに、市独自の補完制度や負担軽減策を実施すること。
(5)低所得世帯への医療を保障するため、市独自の医療費助成制度を実施すること。
<健康づくり>
(6)市民の健康づくりの取り組みを前進させるため、特定健診・がん検診体制の改善、自己負担の無料化や個別健診の促進、保健相談・指導の充実を図ること。また、それを担うスタッフとして、市の保健師を増員すること。
(7)国に対し、インフルエンザ、肺炎球菌ワクチンの予防接種の無料化を求めること。当
面、市の施策として他の指定都市以上の負担軽減措置を講じること。また、4300円と
なっている本市の高齢者用肺炎球菌ワクチン接種費用を、近隣の行橋市等京築6市町の
接種費用1800円を参考に引き下げること。
(8)国に対して、B型・C型などの肝炎感染者・患者救済のために「肝炎患者支援法」を早急に制定するよう強く求めること。県に対し、拠点病院の早期設置を強く求めること。また、市として、100%の市民に肝炎ウィルスを検査する計画を立てること。市独自の患者に対する医療費の支援制度創設を検討すること。
(9)市の「健康づくりセンター」の廃止を見直し、利用者の声を十分に聞いて存続させること。
<市立病院>
(10)市民のいのちと健康を守る市の公的責任にもとづいて、市立病院を充実させること。
①市民の多様な医療ニーズに応えられるよう、医師、看護師不足を解消し、医療従事者の確保と処遇改善に全力をあげること。
②夜間・休日急患センターの深夜帯の診療を再開すること。
③総合周産期母子医療センターの新生児集中治療管理室の拡張、及び人員配置を改善すること。
④市立病院においても、経済的な事情で必要な医療を受けることができない市民を救済するため、「無料・低額診療」を実施すること。
⑤指定管理者制度を導入した市立門司病院について、地域住民を交えた評価委員会を設置して、運営上の課題等について検討を行い改善すること。
⑥八幡病院を中心に各市立病院が民間医療機関と連携して、市民の救急医療ニーズに応えられるよう体制を強化すること。
(11)市立八幡病院小児救急センターの診療体制を充実させること。
(12)市立八幡病院の移転・新築計画を次のように対応すること。
①新病院移転・新築事業において、移転予定地の土地活用に関する現在の計画について、旧・九州国際大学「文化交流センター」棟部分の敷地を有効活用するため、建物全体を北側に移動させる方向で見直すこと。
②新八幡病院の医師の確保について、十分な対策を講じること。
(13)北九州市域の医療供給体制の一端を担い、市の政策医療にもとづいて診療している市
立病院の経営形態については、市の公的責任を全うする観点から、いま以上の安易な民
営化はしないと。
■最後のセーフティネットとして生活保護制度の適切な運用と改善をはかること
<生活保護>
高齢化の進展のもとで、医療や介護ニーズがますます切実さを増しているなか、保険料の負担、医療費の窓口負担、介護サービス利用料負担が市民生活を圧迫し、医療・介護サービスから排除されるというケースが広がっています。
また、非正規雇用など不安定雇用の拡大と、実質賃金の連続マイナスなど、市民の暮らしは厳しい状況が続いています。
そのような市民の生活実態に対する最後のセーフティネットとして、生活保護制度が果たす役割はいっそう重要になっています。
(1)憲法25条および生活保護法の趣旨に基づき、市民が安心して必要な援助を受けられ、生活できる生活保護行政に改善すること。
(2)生活保護の面接及び審査にあたっては、以下の点に留意して対応すること。
①相談者の立場に立って、親身な対応に努めるとともに、保護の必要な人の申請を援助すること。
②「手引き」を遵守した適切な対応に努めること。
③申請に対する審査期間は、法の規定にもとづいて2週間以内を守ること。
④生活保護申請に至らなかった人のうち、孤独死を防ぐための見守りが必要な人に対しては、必要な人員を配置して、状況の把握と支援を実施すること。
⑤交通事故の慰謝料等の臨時収入について、確定判決に従い、自立更生のための控除を認めること。
(3)予算編成にあたっては、抑制された世帯類型別保護人員の掘り起こしや生活困窮世帯の保護捕捉率の調査を行い、十分に余裕ある予算を組むこと。
(4)相談者・受給者への人権を尊重した対応や援助、就労支援など、本来の意味での自立支援に取り組むため、ケースワーカーを増員すること。ケースワーカー1人当たりの平均担当数を80ケースとしている現在の配置基準を見直し、精神疾患・障害などケースの実情に合ったものに改善するとともに、申請意思があるすべての相談者の申請受付に対応できるよう、余裕ある人員体制に改善すること。
(5)生活困窮者やホームレスへの援助を強めること。生活保護の適用促進、緊急入院した場合の日常生活費の支給、救護施設やホームレス自立支援センターの人員増など、その機能を拡充するとともに、雇用相談などを充実すること。
(6)生活保護制度について、国に対し下記の事項を要望すること。
①生活扶助基準額、住宅扶助基準額、冬期加算の引き下げを元に戻し、老齢加算を復活すること。
②生活保護法の改悪やさらなる生活扶助基準の引き下げをしないこと。
③夏場の猛暑に対応して、被保護者の身体への負担軽減のためのエアコン等使用に掛かる電力料金を賄うための夏季加算を創設するよう、国に要請すること。
(7)精神疾患や障害のある人など、専門知識を要するケースに対応できるよう、専門職を配置すること。
(8)就労指導において、「就労支援プログラム」に同意したことを根拠に、強引な就労指導や、機械的な就労指導のケースが増えており、過度な就労指導の実態を総点検し、何よりも本人の実情を尊重した、きめ細かな就労支援に改善すること。
(9)自動車の処分、保有、利用については国の基準を相談時に個別に詳しく説明すること。自立が見込まれる者に対する12か月の保有期限については、保護受給者の求職活動をみて適切に対応すること。
(10)医療扶助費の一部自己負担の導入に反対するとともに、生活保護の経費は全額国の負担とするよう、政府に要望すること。
(11)移送費やおむつ代等の一時扶助費、校外活動参加費等の教育扶助費、敷金や住宅維持
費等の住宅扶助費、技能習得費等生業扶助費等々、制度の周知を徹底するとともに、これらの申請を援助すること。
(12)生活困窮者自立支援制度についての市民啓発と相談窓口の充実をはかること。一時生活支援や学習支援など任意事業をすべて実施すること。
(13)住宅扶助費など、特別基準が設定されている施策について、「やむを得ないと認められるもの」については特別基準を適切に適用すること。
◎安心して子育てができる環境づくりに全力をあげること
若い世代にとって、安心して子育てができる環境づくりは切実な要求です。
今年4月から子ども・子育て関連3法が施行され、本市では市長の公約のもと「子育て日本一を実感できるまち」の実現をめざしています。しかし、新制度は、ほとんど国基準どおりで、子育て日本一の目標と大きくかい離しています。「制度が変わったから保育が悪くなった」ということは許されません。本市が質の高い保育を実施するためには、国基準を上回る見直しが必要です。
■子どもたちのいのちと健康を守るために
(1)子どもの医療費を、中学校卒業まで通院も無料化すること。制度内容については、現
物給付、自己負担なし、所得制限廃止へと改善すること。
(2)国に対し、公費による妊婦無料健診事業の内容を充実するよう求めること。
(3)子供の貧困対策に積極的に取り組むこと。
■安心して預けられる保育行政を
<保育>
(1)行政が直接、保育事業を行うことは、市民の子育てのニーズを直接把握し、子育て支援のノウハウを蓄積する上で重要です。民間の認可・認可外保育所に対する指導援助を含め、全体の保育事業の質の向上のためにも、これまでの実績は十分に生かされなければなりません。今後とも行政の保育事業に対する責任を果たすため、市直営保育所を守り発展させ、その地域の拠点保育所とすること。
(2)すべての市直営保育所において、延長・一時保育を実施すること。病児保育や病後児保育を必要な地域で実施すること。
(3)共働きの夫婦を支援するために、民間保育所だけでなく市の直営保育所において産休明け(生後43日後)保育を実施すること。家庭保育員をさらに増員すること。
(4)認可外保育所への財政的な援助や、園児への直接的な支援を行い、保育条件の整備を図ること。
(5)子どもたちの体調の変化や、アレルギー対応など、保育現場で保育士と調理員のコミュニケーションが十分取れるように、直営保育所の調理業務の民間委託を中止し、すでに民間委託している保育所は直営に戻すこと。
(6)公立保育所の施設について、早急に全施設の耐震化工事を完了させること。
(7)保育所における3歳児以上の主食持参については、夏場での食中毒の危険や、冬場ではご飯が冷たく固まってしまうなど、良好な食事環境とは言えません。食育の観点からも保育所でも自己負担なしで完全給食を実施すること。
(8)政令市で最も低い市民所得を考慮し、政令市で低位にある本市の保育料軽減率を改善して、保育料の大幅な引き下げを行い、保護者の保育料負担を軽減すること。
(9)これ以上の保育所の民間移譲は中止するとともに、これまでの民間移譲の結果、保育の質の確保や保育士の充足状況などについて検証を行うこと。
(10)国に対し、保育士不足の解消のため、保育士の処遇改善を強く求めること。
(11)年度途中の待機児童発生を回避するため、本市として必要な手立てをとること。
<学童保育>
2015年4月現在、市内133の放課後児童クラブに、10551人の児童が登録されており、初めて1万人を超えました。今年スタートした「子ども・子育て支援新制度」によって、本市も条例による「運営基準」を設けましたが、指導員の処遇改善、保育料の減免など保護者や指導員の要望に十分に応えるものとはなっておらず、改善が必要です。
(1)運営主体では、指定管理者が24%、校区社協が75%であり、地元で「年間1千万円もの財政をボランティアが預かるのは限界」と運営委員会から見直しを求める声も出されています。運営委員会の見直しを行うとともに、市が責任をもって運営すべきです。
(2)条例では、放課後児童支援員は児童おおむね40人以上で「2人以上」としていますが、1人は補助員でよいとされており、正規の複数配置が課題です。主任支援員2人を配置できる委託費の増額をすること。あわせて研修費の補助や研修時の代替要員の人件費などについても支援を行うこと。
(3)保育料を引き下げるために市の委託料を増額するとともに、市の統一した減免制度を導入すること。
(4)障害児の受け入れを進めるために、現在、1人以上から支給している障害児加算を、受け入れ人数に応じて増額すること。
(5)「入所を希望する留守家庭児童数が10人以上」とする現在の市の設置基準を見直し、1クラブの児童数5人以上としている福岡県の設置基準に準ずるものに改善すること。
(6)133の全クラブ中、現在施設基準を満たしていない9クラブについて、児童1人当たり1.65㎡以上の専用区画の面積基準を満たすよう、必要な措置を講じること。
(7)クラブの登録児童数の増加、心配な児童の増加で専門家の支援はますます重要になっており、現行1人の放課後児童クラブ・アドバイザー、同じく2人の臨床心理士の配置を見直すとともに、必要な専門家を増員すること。
■どの子も伸びる教育のための条件整備と、働きやすい職場への改善を
本年4月、教育委員会改悪法が施行され、教育長と教育委員長の一本化、首長任命の新教育長の設置、首長出席の「総合教育会議」の協議・調整を経て「大綱」(教育政策の指針)を首長が定めることになりました。教育委員会事務局の責任者である教育長を教育委員会の代表とすることは、教育長に対する教育委員会の指揮監督権を奪い、教育委員会のチェック機能の弱体化と教育への国や首長の介入に道を開き、教育の自主性、自律性を脅かすものです。教科書採択や、全国学力学習状況調査の結果公表、学校統廃合、人事など教育委員会の専権事項とされてきた課題について、子どもの学習権・成長発達権を保障する立場から、これまで通り、教育への不当な支配・介入の禁止等の諸原則を遵守し、憲法・教育基本法に定められた教育の政治的中立性や教育の自主性・自律性を確保すべきです。
また、文部科学省は小中学校の「道徳」を「特別の教科」(道徳科)にしようと狙っており、2015年3月に学習指導要領を改定し、小学校は2018年度、中学校は2019年度から実施する方針です。「愛国心」や犠牲的精神を強調し、戦前の「教育勅語」的な天皇を頂点とする家族国家論の復活を目指すものです。評価と検定教科書で教師と子どもをしばる教科化はきっぱりと中止するよう国に求めるべきです。
<教育>
(1)国に先駆けて必要な教職員の増員を行い、早期に市立小・中学校の全学年への35人以下学級を実施すること。さらに、30人以下への学級編成の改善を目指すこと。
- 働きやすい職場への改善をはかること。
①教職員の多忙化を抜本的に改善すること。
②教員管理のための教員評価システムや、競争教育に拍車をかける学校評価システムを廃止すること。
③子育て中の教員について、人事異動や、校務分掌に関する希望を尊重し、最大限の配慮を行うこと。
(3)教科内容等について
①全国学力学習状況調査の中止を求め、参加はしないこと。
②学習内容を押しつけるのではなく、学校現場の裁量を拡大し、学校の教育活動を支え
るための教材費や国基準未達成の図書費の充実など、条件整備を進めること。
③同和教育副読本「いのち」の使用を中止するとともに、人権教育に名を借りた特定団
体による教育介入を許さない対応を行うこと。また、旧同推配置校を配置されている児童・生徒支援加配を各学校の現状に照らして配置すること。
④少数の委員による教科書選定の現状を改め、広く教員の意見を踏まえて教科書を採用
すること。教科指導上、教師が使いにくい教科書は、採用しないこと。
⑤文部科学省が作成した「道徳」副教材「私たちの道徳」の押しつけをやめること。
(4)子どもの可能性を伸ばすための人員配置を進めること。
①小学校の専科教員の配置をさらに推進すること。
②小・中学校に正規職員の図書司書を計画的に配置し、市立学校図書館の放課後を含めた常時開館を実施すること。
③スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーを、計画的に全校に配置すること。
④市費嘱託講師については、正規採用を含めて待遇改善をはかること。
(5)学習障害(LD)及び注意欠陥多動性障害(ADHD)の児童・生徒の発達を保障するため、専門家の配置・通級指導教室増設など取り組みを強めること。また交付税を活用して、特別支援教育支援員を全校に配置すること。
(6)特別支援教育を充実させること。
①特別支援学校の増設、学級の増設・整備をはかるとともに、専門職の配置など人員体制を強化すること。合わせて国に、設置基準の策定を求めること。
②特別支援学校が、地域において特別支援教育のセンターとしての役割を果たすために、人的配置等の条件整備を前倒しですすめること。
③特別支援学級の担任に本務教員を配置し、十分な補助講師を置くこと。
④現在8人の特別支援学級の学級定数の引き下げを行うこと。
⑤特別支援教育中長期計画を策定すること。
⑥門司総合特別支援学校の整備にあたっては、再編によって行き場を失う児童生徒が出ないようにするとともに、関系者の意見を十分に反映すること。
(7)子どもたちの食育に責任をもった学校給食を実施すること。
①給食の質の確保を図るために、学校給食調理の民間委託をやめて直営とすること。
②給食用食器を陶磁器などに改善すること。
③現在の東西2分割となっている統一献立を細分化し、地元農産物を活用した、安全で
おいしい給食の取り組みを進めること。
④学校給食の質を維持するために正規調理員の新規採用を実施し、嘱託調理員の雇い止
めを中止すること。
⑤親子方式で開始した中学校給食は自校直営に切り替えること。
⑥子育て支援として給食費無償化をめざし、保護者の経済的負担を減らすこと。
(8)学校の施設整備を行うこと。
①小・中学校、市立幼稚園の冷暖房化を早期にすすめること。工事発注に際しては、施
工行程に十分な余裕をもたせるとともに、地元業者が参入できる仕組みをつくること。
②危険な箇所の修繕や老朽校舎の改築を急ぐこと。
③避難場所でもある学校施設等のバリアフリー化をすすめること。学校の防災機能を強
化すること。
(9)父母負担の軽減をはかること。
①保護者の病気、失業、リストラ等の緊急事態にも即応できるよう、就学援助制度を改
善・充実すること。生活保護基準の引き下げに伴う就学援助の対象縮小は行わないこと。制服代・部活動費・めがね代等内容の充実をはかること。
②給付制奨学金の創設のため、国に要請するとともにまず本市奨学金から実現すること。
無利子奨学金の枠を拡充し、保証人の基準を緩和すること。
③私学(朝鮮学校を含む)助成を拡充し、保護者負担の軽減に努めること。
④高校への希望者全員入学への移行を国や県に要請すること。
⑤ひまわり学習塾について教職員や保護者の意見を踏まえて総括を行い、必要な改善措置をとること。
⑥遠方からの通学児童・生徒に対する通学費の補助制度を拡充すること。
(10)北九州市立大学の充実・発展のために支援を強めること。
①教育・研究条件を向上させるため、専任教員の増員、研究予算の充実をはかること。そのための運営費交付金を当初計画通り充実させること。
②経済的理由で学業継続が困難な学生を支援するため、授業料減免枠を拡充すること。
入学金・授業料については、国立大学授業料に合わせるのではなく、必要な引き下げを行うこと。
③卒業生が地元で就職できるよう、市内企業への積極的な働きかけを行うこと。
(11)北九州市立高等学校の充実のために、必要な措置を講じること。
①市教育委員会に所管課を置き、教育内容の充実と施設・設備の改善など、教育条件の整備を図ること。
②非常勤講師については、正規採用を含めて処遇改善等充実をはかること。
③エアコンの維持・補修経費や電気代などの保護者負担を完全になくすこと。
(12)本市在住の東日本大震災被災児童生徒に対する学習や生活支援について、必要な措置を講じること。
(13)本年4月に策定された「公立幼稚園の今後の方向性」において、「幼児教育の課題解
決のために求められる教育・研究実践に取り組み、その成果を広く私立幼稚園等に発信
し、本市全体の幼児教育水準の維持・向上に努めることは、教育委員会の責務である」
とうたっている通り、幼稚園教育の充実を図るため8市立幼稚園を4園に削減する「行
革」方針は撤回すること。
(14)適正規模に満たない小・中学校について、強引な統廃合を行わないこと。
■子どもたちの権利を保障するために
「いじめ防止対策推進」法にもとづいて、本市においても第三者による「いじめ問題専門委員会」が設置されるなど、「いじめ防止基本方針」が策定されました。
いじめを厳罰によって押さえ込むのでは、子どもの心をさらにゆがめ、子どもと教員の信頼関係を壊し、いじめをなくす効果は期待できません。
子どもたちの命が何より大切にされ、人間として尊ばれる環境づくりとともに、子どもたちの意見を尊重し、子どもたち自身の取り組みを教師、父母、地域が支え励まし、成長を見守ることが大切です。
(1)憲法と子どもの権利条約をふまえ、いじめに機敏に対応できるよう、いじめ防止策の充実、教育諸条件の整備につとめること。
(2)市内に、児童自立支援施設を設置すること。シンナー、薬物乱用など、青少年の非行防止のため、必要な対策をとること。
(3)子育て世代の住宅確保を支援するため、市営住宅の増設や、家賃補助などの拡充をはかること。
(4)児童相談所の充実、児童養護施設の拡充、一時保護所の体制を充実するため立地の見直しを検討すること。
(5)10代の人工妊娠中絶が全国平均の約2倍となっている本市の現状を重く受け止め、公教育としての学校教育における性教育をはじめ、子ども達の心身と人権を保護する施策を実施すること。
(6)コムシティ内の北九州市立ユースステーションは中高生の自由な活動の場として利用されており、東部地域においても同様の施設を整備すること。
(7)青少年に自由な活動の場を提供するために、北九州市立ユースステーションと連携を図り、児童館を積極的に活用すること。
◎市民の知恵と力を活かすまちづくりを
■仕事と雇用を生み出し、地域経済を元気にする施策の展開を
本市を取り巻く経済状況、とりわけ雇用情勢は依然として厳しい状況が続いています。国に対して実効ある対策の早急かつ継続的な実施を求めるとともに、市としても独自に、緊急の雇用創出事業等、雇用対策の抜本的な強化が必要です。あわせて、若者を使い捨てにするブラック企業対策の強化も必要です。
本市の地域経済の振興のために、現行の「新成長戦略」において、以下の項目を柱に据えた施策に取り組むことを求めます。
北九州経済の主役は中小企業です。事業所数で99.0%(2012年「経済センサス」に基づく推計)、従業者数で77.3%(同)を占めている市内の中小企業に活力を与えることが、北九州の地域経済を活性化する決め手です。制定された「中小企業振興条例」を実効性あるものにすることが強く求められています。
地域経済の再生にむけ、老朽化した小・中学校の建て替えの早急な実施、不足している市営住宅や福祉施設の増設など、公共事業を市民生活に直接役立つものに切り替え、融資対策や販路拡大など、地元中小企業振興のため、有効な対策を取ることが急務となっています。
また、大企業の身勝手なリストラ・工場閉鎖、下請けいじめが、労働者と地元中小企業に深刻な打撃を与えています。行政として、大企業に社会的責任を果たすよう求めることが重要です。企業の誘致とその進出が地元中小企業の振興や正規雇用の創出等、真に地域経済の再生に波及効果をもたらす取り組みが必要です。
一方、安倍政権が「大筋合意」したとしているTPP(環太平洋経済連携協定)は、アメリカ政府からの聖域なき市場開放を迫られるなかで、農産品の重要5品目も関税を撤廃せざるを得ないなど、国会決議に反するものとなっており、地元企業への官公需の優先発注等も、「非関税障壁」として排除される危険があるなど、中小企業を柱とした本市経済に及ぼす影響は重大です。とりわけ農業に与える影響は大きく、大幅な食料自給率の後退は農村の生存権を奪い、農地の荒廃を招くものです。本市の産業及び農業の発展に逆行するTPP協定書作成作業から撤退し、調印を中止することを、政府に対し強く求めることが必要です。
さらに、安倍首相は2017年4月の消費税率10%への引き上げを表明していますが、これが実施されれば零細事業所や中小企業は深刻な影響を蒙ることは避けられず、本市の地域経済そのものが強烈な打撃を受けることは必至です。TPPと同様、市として消費税増税に明確に反対する立場に立つことを強く求めます。
(1)政府に対し、本市の産業及び農業の発展に逆行するTPP協定書作成作業から撤退し、調印を中止することを強く求めること。
(2)「北九州市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の実行にあたっては、国からのトップダウンではなく、市民の理解と創意を結集したものとすること。
(3)企業誘致インセンティブの助成金・補助金については、以下の点を踏まえて交付すること。
①制度そのものが過度な財政負担とならないようにすること。
②補助金交付にあたっては、進出企業が補助金支給額を超えるだけの経済効果をもたらすか否かを外部有識者が事前に審査する制度を設け、審査結果を原則として市民に公表すること。
③補助金の交付を受けて進出した企業が撤退もしくは財産の売却をした場合には、補助金の返還を求めることができる規定を設けること。また、地域に対する説明を義務付けること。
④市内に進出する企業に対し助成等を行なう場合は、正規雇用を交付条件とすること。
⑤補助金などの要件を地元中小企業が利用しやすい制度に改めること。
(4)「リストラアセスメント条例」をつくり、大企業の進めるリストラ(合理化)、事業縮小や撤退などの計画を事前に把握するとともに、それが地域経済や雇用に悪影響を及ぼさないよう規制・指導を行うこと。
(5)現在の建設事業以外の物品・役務の入札制度では、価格が低い事業者が落札しており、低価格のため事業者の経営も労働者の生活も守られません。公契約条例の制定や委託における最低制限価格の導入など入札制度の改善を行うこと。
(6)「中小企業振興条例」の制定を踏まえ、市内の全事業所訪問による実態調査を行い、中小企業・商店の支援を強化すること。
①市として、技術向上や販路拡大に向け、ホームページ作成支援や、技術・情報データベースの充実に取り組むこと。
②市の中小企業向け制度融資について、全額保証に戻すよう関係機関に働きかけること。融資を申し込んだ中小企業に市の規定以上の書類提出を求めたり、金融機関が市の制度融資をプロパー融資のように取り扱ったりすることのないよう、取り扱い金融機関に対して十分指導・監督すること。あわせて、審査等の手続きについては迅速に行なうよう指導すること。
③中小企業融資の受付窓口を、各区役所に設けること。北九州市独自の直貸し制度、現行の融資制度の貸し付け枠の拡大及び、借り入れ分の利子補給や返済猶予、各種制度融資の利子引き下げ などを検討すること。
④既存業者も対象に含めた中小企業団地、レンタル工場の施策に取り組むこと。
⑤「住まい向上リフォーム促進事業」は、使用目的を限定せず、使い勝手の良いものに改善し、予算を増額すること。受付窓口を増設すること。
⑥市の中小企業訪問の結果を公表し、施策に活かすこと。
⑦中小企業や起業を計画する市民等が、高額な工作機械や測定機器を安い費用で利用できるように、機器を設置した設備の整備も含め、中小企業等の支援メニューの一つとして充実・推進すること。
⑧小規模企業振興基本法の制定を踏まえ、小規模企業の振興を図ること。
(7)公共事業は、浪費型の大型事業を全面的に見直し、特別養護老人ホームなど福祉施設や市営住宅の建設、教室冷暖房、学校施設の耐震化、河川の改修・内水氾濫対策をはじめ、事業全体の地元中小企業への発注率を金額ベースで9割以上に引き上げること。また、入札参加資格のない中小・零細業者を登録し、市が発注する小規模な工事・修繕などに受注機会を拡大する「小規模工事等希望者登録制度」を創設すること。
(8)中高年者の就業機会を増やすため、ハローワークなど関係機関との連携を強めるとともに、シルバー人材センターをいっそう充実させること。公園や遊休地等の除草・清掃、廃品・古紙の回収等、公的緊急失業者対策事業を起こすこと。就労者の労災補償などの改善に努めること。
(9)地元農林水産業の振興のため積極的な対策を講じること。
①食料自給率の向上にむけ、農家が安心して生産に励むことができる条件を保障するために、生産コストをカバーする農産物の価格保障と、それを補う適切な所得補償を組み合わせた制度の構築を国に働きかけること。
②地元農林水産物のブランド化を推進し、販路の確保や契約栽培の拡大を進めること。
③生産・保冷・流通に必要な施設整備とともに、地元特産物の農産加工への支援を強化するなど、都市型農林水産業の総合的な振興と後継者対策に取り組むこと。そのためにも、農業関係者から強い要望の出ている(仮称)西部農業総合センターの設置を急ぐこと。
④地産地消や食の安全を重視した地域づくりをすすめるためにも、直売所や産直販売などの地域の自主的な取り組みを積極的に支援し、農業者と消費者の共同を広げること。地元農林水産物を活用した豊かな病院給食、学校給食など地産地消を促進すること。
⑤役割・責任が格段に重くなっている農業委員会について、職員の配置増をはじめとする体制強化と予算確保を急ぐこと。
⑥鳥獣被害対策、放置竹林対策を充実・強化すること。
(10)若者の正規雇用を拡大し、将来に展望が持てる雇用環境を実現すること。
①市内民間企業等に対して、地元高校・大学卒業者等の正規雇用採用枠の拡大等を働きかけること。
②市職員の年齢構成などを考慮し、将来を見据えた新規採用をすすめること。
③社会福祉支援策の充実によって、福祉分野での労働力確保を図り、若者の雇用の場を広げること。
④関係機関と連携し、偽装請負、サービス残業等の根絶に向けた改善に取り組むこと。
⑤労働ハンドブックを高校・大学卒業生および新成人に配布し、青年労働者の権利を守る取り組みを支援すること。
⑥本市の地方総合戦略において、女性・若者雇用創出とマッチングなどについて目標を設定して取り組むよう位置づけること。
(11)国・県とも連携して若者などを過酷な労働に追い立て、使い捨てる“ブラック企業”
をなくすため、早急に取り組みを行うこと。
①長時間労働を是正すること。
②セクハラ・パワハラ・マタハラやサービス残業など違法行為の根絶、等の対策をとること。
(12)「北九州市商店街の活性化に関する条例」を踏まえ、市場・商店街への支援を強めること。
①大型小売店の無秩序な出退店を規制し、既存の市場・商店街の活性化をはかること。②ファックス等を利用した高齢者等への「宅配事業」をはじめ、市場・商店街の共同事
業や行事を支援すること。また、消費者の利便性を高め、人が集まる街づくりをすすめるため、駐車場、広場、公園、コミュニティセンター、行政施設等を整備すること。
③空き店舗の実態把握と情報提供を行ない、有効活用と創業者支援を強化すること。ま
た、空き店舗助成制度の予算の拡大と助成対象の拡大を図ること。
■地球環境を守り、自然を大切にする取り組みに全力をあげること
政府は、「温室効果ガス排出量を2020年までに1990年比で25%削減」するという中期目標を公約し、「この約束が守られなければ、人間の存在が脅かされる」として、排出量削減の必要性を強調していました。ところが、野田前内閣が京都議定書の枠組みから一方的に脱退し、安倍内閣も2015年に、2013年比で2030年までに26%を削減すると発表しましたが、これは1990年比では18%減にしかならず、不名誉な「化石賞」を3つも受賞し、批判されました。
本市では、毎年産業部門での二酸化炭素総排出量が7割近くを占めています。本市の『環境モデル都市』の看板が、内実を伴ったものであるかどうかは、最大の発生源である産業部門に対して「温室効果ガス削減」を強く働きかけ、国の温室効果ガス削減政策を積極的にリードするような成果をあげ得るかにかかっています。
一方、ごみの減量化や地球環境を守る気運が高まる中で、今後いっそう幅広い市民の協力を得て、リデュース・リユース・リサイクルを促進してごみの減量化をはかるとともに、「地球温暖化物質削減」の取り組みなど環境保全を重視し、市民の健康と安全を最優先する環境行政に転換することが必要です。
(1)地球温暖化対策を実効あるものとするため、2020年までの「温暖化物質」の短期削減目標を定め、市内大企業に温室効果ガス削減の踏み込んだ目標を提起するとともに、産業界との協定の締結、削減実績の報告を求めるなどその具体策を強化すること。
(2)災害廃棄物の最終処分場においては、100年・200年と長期にわたって放射能濃度を測定し、管理する体制を検討し確立すること。
(3)ごみ減量化に本格的に取り組むこと。
①製造者責任の徹底と過剰包装の抑制などで、ごみ減量化を進めること。
②市の責任において、古紙の回収とリサイクルの取り組みを強化すること。
③市民の協力により、いっそうのごみ分別収集に取り組み、ごみの減量化とリデュー
ス・リユース・リサイクルを推進すること。
④ごみステーションについては、ごみ出しルールの向上に努めるとともに、市民の利便
性を向上させるために必要に応じて箇所数を増やすこと、また、家庭ごみステーショ
ンにおける資源化物の収集箇所を増やすこと。
⑤ごみステーションに対する防鳥ネット、簡易集積容器、及び固定式の簡易折りたたみ
型集積容器などを支給する補助制度を改善、充実させること。
(4)ごみ処理と減量化の公的責任を明確にすること。
①「北九州市民環境行動10原則」を見直し、市民、NPO・ボランティア団体、企業、
教育機関と連携し、市が中心となって環境保全に取り組むこと。
②家庭用ごみ袋を無料に戻すこと。
③粗大ごみ(大型ごみ)については収集手数料を無料に戻すとともに、各環境センターを窓口として、市民からの申し込みにもとづきすみやかに戸別収集することを原則とすること。
④バス停、公園等に公共のゴミ箱を設置し、市の責任と市民参加によるまち美化を進め
ること。
⑤一般ごみ収集運搬業務のさらなる民間委託は中止すること。
⑥事業系ごみの資源化を一層強めること。
⑦「ふれあい収集」の利用対象を拡大すること。
(5)光化学スモッグ、PM2.5、SPM、降下ばいじん、自動車排ガス、悪臭対策を強め、
クリーンな大気を実現するため、ばいじんなどの排出企業に対して早期の改善を強く求
めること。
①石炭や鉄鉱石などのストックヤードやベルトコンベアによる運搬時の飛散については、密封型に改めるなど緊急に改善をさせること。
②測定箇所を発生源に近接した場所にも設置し、日常の観測などを強めること。
③監視・調査体制を強化するとともに、企業への指導情報を市民に公開すること。
(6)ダイオキシンをはじめとする化学物質、アスベスト、内分泌かく乱物質(環境ホルモン)などの実態調査と情報の公開を行い、必要な対策を実施すること。
(7)曽根干潟や平尾台など自然環境を守るなど生物多様性を推進すること。また、外来種、特に特定外来生物に対する取り組みを強化すること。緊急の課題としては、対馬以外では本市門司区の浄化センターで発見された、ツマアカスズメバチについては、北九州市において完全な駆除をすることが極めて重要であり、国とも連携しながら実施すること。
(8)安定型産業廃棄物処分場周辺住民からの内部告発や、「安定型なのに、なぜ硫化水素が発生するのか」など、本市に寄せられた苦情や疑問に適切に対応し改善すること。
①事業者に対して、安定五品目以外の搬入禁止を厳しく指導し、展開検査を徹底するこ
と。
②臭いや、硫化水素濃度の測定に当たっては、敷地境界での値ではなく、処分場内での
値を測定すること。
③産廃処分場から発生している、硫化水素濃度や、調整池のBOD・CODなど、市民の健康にとって重要な値は、市民に公開すること。
④高濃度の硫化水素が発生している処分場に対しては、その原因を調査し、解消を求めること。
⑤安定五品目以外の埋め立て処分を行っている業者に対しては、違反埋め立て物の撤去を求めるとともに、その原因の調査結果と、責任の所在を市民に公開すること。
(9)洞海湾の水質と底質の状況及び、響灘の企業埋立地等の土壌汚染状況を把握するとともに、その原因者を明確にしたうえで具体的な改善対策を実施すること。
(10)PCB処理施設は、安全性を最優し、微少なトラブルについてもその都度本市などへの報告を求めること。また、PCBを含む機材が大量に放置・無管理状態にならないよう、個数・場所・保管状況を徹底調査すること。更に、使用中のPCBの把握を促進するため、国に対して、地方自治体の権限を拡大するための法整備を大至急実施するよう求めること。
(11)再生エネルギーによる発電を拡大すること。二酸化炭素の排出量が多い石炭は、発電に使用しないこと。地球温暖化防止に努めること。
(12)市域内の大型「開発行為」に当たっての「環境アセスメント」について、対象規模を小さく設定して、厳格に実施するとともに、議会に中間報告を行い、市政だよりなどで結果を公表すること。
(13)門司区を中心に本市で行われている採石事業に伴い、環境破壊や周辺住民の健康被害を引き起こさないよう、以下のように改善すること。
①採石により、広大な自然が破壊されており、産業と環境の両立を提唱する本市として、環境の保全と回復について早急に対策を実施すること。
②採石にともない、大量の粉じんが、作業者や地域住民の健康を脅かしており、健康診断・健康調査・啓発を徹底するとともに、企業の責任を明確にしたうえで、健康被害を最小限に抑えるための施策を行うこと。
③採石場やその搬出場周辺は、大量の粉じんが舞い、道路・住宅・草花・河川・海岸
が汚染されており、採石場外の汚染を厳しく取り締まること。
④国に対し、門司区の土砂を沖縄県の辺野古基地建設に使わせないよう要求すること。
■住民の声を生かした街づくりをすすめること
(1)公共施設を40年間で約24%削減する「公共施設のマネジメント」については、次
の視点をもってすすめること。
①身近な市民利用施設の廃止、統合等について、行政による市民への一方的な計画押し付けではなく、施設の設置経過や地域性を中心に、市民への十分な説明と協議、地域住民の知恵を集める対策を講じるなど、当初から住民参加を貫いて合意を形成すること。街づくりの視点を大切にし、合意なき計画は強行しないこと。
②低所得者のニーズが高く、応募倍率が平均8.6倍から7.0倍(2011~2014年度)となっている市営住宅は、建替え・補修などの支出が使用料収入等で採算が取れている状況であり、削減しないこと。
(2)黒崎中心市街地の再生について
①「黒崎ひびしんホール」、八幡西図書館、コムシティ再生等で500万人が黒崎に集まるようになったものの、中心市街地の歩行者は増えておらず、150億円の税金投入が生かされるためにも、南北の流れを作るための工夫と施設整備を行うこと。安川電機のロボット村の開業による集客も南北の流れを作るものとはなりえず、安川電機にロボット村のアネックスの配置を要請すること。
②定住人口の増加のため、市営住宅や民間住宅の設置を促進すること。
③行政施設・医療機関・商店街と周辺居住地を連絡する、地域循環バスを市の責任で走行させること。
④商店街の再生のために、空き店舗対策など、抜本的な支援策を講ずること。
⑤八幡西区役所跡地の活用は、民間売却と市民利便施設と居住施設の設置が進められており、関係市民の意見を大切にし、早期の供用開始を図ること。
⑥計画している2017年度の黒崎駅南北自由通路、30年度の新駅舎と北口広場の開設は、財政負担の在り方、計画内容を再検討し、黒崎再生に役立つものとすること。
(3)折尾地域の開発について
2004年度の事業着手から12年目に入った折尾地区総合整備事業により、「大量の立ち退き等で街全体が暗くなり、犯罪が増加している事」「仮駅舎の新設等で、通行人の流れが変わり、小売り・サービス・飲食店の売り上げが激減し、閉店を余儀なくされている事」「計画と工事による様々な影響が、関係住民の不安と不満を増幅させている事」等々、生きた街づくりにはなっていません。
又、本事業による影響等もあり、オリオンプラザの㈱ユアーズ丸和折尾店の閉店に続き、サンリブ折尾店も閉し、折尾の中心市街地は買い物困難地域となっています。
①計画の推進による商業対策を講ずること。
②高層マンション、利便施設の設置が検討されている旧折尾警察署跡地の活用のあり方については、関係住民の意見を集めたよりよい計画とすること。
③オリオンプラザ内の母と子の図書館、集会室など、市民の利用施設について、新折尾
駅舎内への設置について、その具体化と市民説明を行うこと。
④認可された街路事業でさえ、立退対象戸数は244戸、地権者は168人に及び、廃業と地区外への移転者は半数近くになっており、地域内への移転促進に必要な手だてを講ずること。
⑤JRの連続立体交差事業により、車両、歩行者の通行に支障が生じる事態となるため、工事の周知と安全対策を十分に行うこと。
⑥8本の幹線道路の新設・拡幅計画は、連続立体交差に係わる事業に限定し、それ以上の計画は、見直し、あるいは凍結すること。
⑦区画整理事業は、反対者の声を生かし、見直すこと。
⑧歴史・宗教施設を、関係者の意思を尊重し、保存すること。本事業により立ち退きを余儀なくされる方々の意見を尊重した対応を行うこと。
(4)黒崎方面が完成し、直方方面の工事が入札不調で遅れている筑豊電鉄穴生駅のエレベータ設置は、年度内に完成させること。JR安部山公園駅のエレベータ設置は、可能な限り早期に実現すること。更に、筑豊電鉄永犬丸駅にトイレを設置すること。
(5)旧北九州空港跡地のエリア内に、早急に公園・スポーツ施設などを整備すること。
(6)公共施設や公園等のトイレを洋式に改善すること。
(7)市営駐車場の料金を引き下げること。
(8)市民や専門家からのアイデアを募り、到津の森公園の利用者増加と魅力向上を推進するとともに、えさ代補助等の支援を強化すること。
(9)有料公園の利用料の引き下げを行い、気軽に何度も利用できる公園を目指すこと。
(10)健康遊具の設置を増やすなど、気軽に公園を利用できるようにすること。
(11)河川敷の整備を進め、気軽に水辺の散策ができるようにすること。
(12)若松区、小倉南区の地籍調査の促進をはかるとともに、他の地域への調査も早急に開始すること。
■交通体系を整備し、市民の足を守ること
(1)必要性も採算性もない下関北九州道路の政府要望はやめること。
(2)(仮称)「北九州市交通基本条例」を制定すること。「環境首都総合交通戦略」にもと
づく施策を、早期に具体化すること。
(3)市民の足を守る公営バスの使命を果たすために、以下のように措置すること。
①不採算路線を走行せざるを得ない市営バスに対して、必要な補助を実施し経営の安定をはかること。特に、若松区北西部路線の岩屋・蜑住~学研都市北口間における新たな運行本数と料金の引き上げは、今後に続く2つの地域の前提となり、利用者負担が大きすぎるものであり、補助を行うこと。また、通学支援路線、通勤支援路線に対する補助を関係部局に要請し、実施すること。
②運転部門の正規職員は22名となり、年齢が最低37歳、最高が55歳で、職員全体に占める嘱託率が86%にもなっている労働環境を改善するために、2011年度から始めた新規の正規職員の採用を継続するとともに、採用枠を増やすこと。
③嘱託職員の定着を図るため、60歳を超えると削減される賃金を、年金受給開始年齢に到達するまで据え置くこと。
(4)交通結節点の混雑解消、バス停、電停、JR各駅等のバリアフリー化を進めること。またバス事業者に助成して、バス停に屋根やベンチを設置すること。
(5)高台や路線バス廃止地域など、交通不便地域と市場・商店街、官公庁、医療機関等をつなぐ「おでかけ交通」を含めた地域循環バスを市の責任で運行し市民の足を守ること。
(6)国道3号黒崎バイパスについて、オン・オフランプの渋滞対策を行うとともに、全体工事の早期実現を図ること。
(7)若戸大橋及び若戸トンネルの通行料の無料化を一日も早く実施すること。
(8)若戸トンネルの戸畑側出入口における、夕方の渋滞対策を講ずるとともに、若松側入口交差点で多発している事故対策を講ずること。
(9)都市計画道路12号線の八幡西区浅川台地域と、水巻町に連携する道路計画を早期に事業化すること。
(10)関門トンネルについては、料金徴収業務が渋滞の原因となっており、無料化することにより渋滞を解消するとともに、関門橋の料金値下げを関係機関に要請すること。
(11)自転車道の整備を全市で行うこと。
(12)国道3号・赤坂砂津線の歩行者の安全確保のための歩道の拡幅・整備を行うこと。
(13)モノレール各駅における有効な転落防止対策を講ずること。
(14)小倉北区の井堀・中井・西港交差点など、市内の右折レーンがないのに時差信号が設置されている危険な交差点の改善を早急に行うこと。
(15)門司区の新門司変電所から淡島神社に抜ける県道262号線には歩道がないため、歩行者や自転車を押しての通行が危険である。このような危険な道路を早期に点検し改善すること。
(16)カーブした坂道で狭めの片側1車線のため極めて危険な小倉北区の泉台4丁目8番、9番付近を通る県道51号線の例のように、危険個所は早期に点検し改善すること。
◎憲法の精神を活かした平和と人権を守るまちづくりのために
■平和を大切にする市政をすすめること
太平洋戦争末期に長崎に投下された原子爆弾の第一目標とされた本市は、準被爆都市であるとともに、アジア外交の玄関口として重要な地域に位置しており、多くの市民が行政に対し平和を守るための積極的な取り組みを求めてきました。そうした市民の願いを受けて、本市は2010年2月10日、「非核・平和都市宣言」を行いましたが、それを実効あるものにする積極的な施策を展開することが求められています。
(1)憲法9条の改悪に反対するとともに、改悪された教育基本法の具体化に反対し、平和と人権を守ること。自衛隊基地のある都市として、海外派兵・集団的自衛権の行使につながる関連法制の廃止を求めること。
(2)かつて長崎に投下された原子爆弾の第一目標とされた本市が、準被爆都市として、戦争の惨禍を繰り返させない決意を示し、核廃絶と平和を願う市民の声に応えるため「非核・平和都市宣言」を実効あるものにする積極的な施策を展開すること。市役所及び各区役所に「非核・平和宣言」に関するモニュメントを設置すること。
(3)正式加盟した「平和市長会議」のメンバーとして、被爆都市である広島、長崎両市の取り組みと共同し、核兵器廃絶への具体的な行動に踏み出すこと。
(4)非核平和都市宣言にふさわしく、平和推進のための基本条例を制定すること。戦争の悲惨さを伝え、近・現代の市の歴史を学び、平和教育にも役立てるための(仮称)「平和資料館」を設置すること。当面は『戦時資料展示コーナー』について、戦争や空襲の貴重な体験をDVDなどに保存し、平和教育の発信基地にふさわしいものにするために、検討委員会などを設置すること。その際、専門家の意見や原爆資料館などを参考にしながら抜本的に見直すこと。学校現場での平和教育の推進、核兵器廃絶運動の促進等、平和と核兵器廃絶の声を発信すること。
(5)米軍及び自衛隊基地の強化につながる在日米軍基地の再編に反対し、政府に自衛隊基地の撤去・縮小を求めること。
①くり返し引き起こされている米軍関係者の犯罪による治安悪化や、騒音や大気汚染、事故の危険拡大など、市民への悪影響が懸念されるため、政府に対し、航空自衛隊築城基地における米軍訓練の中止及び緊急時の普天間飛行場の代替施設としての同基地の使用と、そのための施設の整備を中止するよう求めること。また、「ミサイル防衛」の地上配備型システムによって、航空自衛隊芦屋基地に配備された未完成兵器・PAC3ミサイルについて、その撤去を要求すること。
②築城基地の航空祭における戦闘機の北九州上空飛行や小倉駐屯地で毎年開催されている自衛隊創立式典での航空展示は、騒音被害や墜落事故の危険など、北九州市民の安全を脅かすものであり、中止を求めること。
③航空自衛隊芦屋基地に対して、危険性と騒音を激化させる滑走路延長計画の中止及び住宅地上空での旋回訓練の中止を求めること。また、旋回訓練エリア内の小・中学校等の防音工事を促進すること。
④政府に対し、市民の憩いの場である公園や市街地での防災訓練等の名目による軍事演習の中止を求めること。
⑤北九州空港及び周辺空域の軍事利用につながる、航空自衛隊築城基地への低高度管制の委託をやめるよう、政府に要請すること。
⑥陸上自衛隊曽根訓練場に置かれている都市型訓練施設は、住宅街にふさわしくない市街地での戦闘訓練のための施設であり、政府に対しその撤去を求めること。
⑦北九州港への自衛艦や米軍艦船等の入港拒否を明確にすること。また、政府に対し、北九州空港における米軍航空機等の離発着、及び周辺空域でのオスプレイ飛行は認めないよう求めること。
⑧米軍関係者の犯罪による治安悪化など、市民への悪影響が懸念されている航空自衛隊築城基地、同芦屋基地、及び陸上自衛隊富野分とん地への沖縄県米軍普天間基地の訓練移転に、反対すること。
(6)自衛隊員募集への協力を中止すること。本市の権限のおよぶ学校への隊員募集の協力をやめること。
■安全・安心の市民生活の実現に全力をあげること
かつての阪神・淡路大震災、福岡西方沖地震、そして2011年3月11日に発生し、甚大な被害をもたらした東日本大震災を教訓に、地震をはじめ自然の脅威に対する備え、災害時の危機管理体制の充実や災害に強いまちづくりが、行政にとって喫緊の課題となっています。
また、福島第一原子力発電所の事故は依然として深刻な事態が続いていますが、とりわけ制御不能に陥っている放射能汚染水の問題への対応が、緊急を要する状況となっており、改めて危険な原子力発電からの撤退と、原発に依存しない電力供給体制の構築などが強く求められています。
本市では、相次いだ発砲事件や殺人事件等が、市民のいのちと安全をおびやかすとともに、本市の対外的なイメージを大きくダウンさせるものとなっています。
市民のいのち、財産、安全を守る自治体の使命にもとづき、犯罪の防止・抑止、暴力追放の取り組みは極めて重要です。市民の間に広がっている暴力追放世論をしっかり受け止め、暴力団対策をいっそう強化することは急務です。
(1)本市として「脱原発安全都市宣言」を行ない、「脱原発をめざす首長会議」に参加すること。九州電力川内原子力発電所及び同玄海原子力発電所の再稼働に、市として反対の立場を表明すること。原子力発電から再生可能(自然)エネルギーへの転換に向けて、政府や電力事業者、並びに関係機関に強く働きかけること。
(2)市として、引き続き釜石デスクによる東日本大震災の被災者と復興への支援に取り組むこと。
(3)地震、台風、豪雨など自然災害への十分な備えを行なうこと。
①木造戸建て住宅の耐震改修工事の現行補助基準を緩和し、旧耐震木造住宅すべてを対
象とし、居間、寝室等の簡易耐震工事にも助成を広げること。
②震災時、家具の転倒による被害から高齢者・障害者など要援護者の生命を守るため、
家具固定事業に取り組み、6月発行の防災のしおりに位置づけるとともに、「いきい
き安心訪問」等で高齢者世帯への支援を行うこと。
③市有特定外建築物の耐震診断結果を踏まえて、必要な改修計画を具体化すること。
④民間マンションの耐震診断・工事の負担軽減のため、助成制度を改善・充実すること。
⑤市内急傾斜地等の危険個所や、高潮・津波による災害を未然に防ぐため、福岡県に必
要な対策を実施させるとともに、独自予算を計上するなど市としての対策を強化する
こと。
⑥豪雨災害に対応するために、福岡県への要望の強化とともに、民有地のがけ地防災対
策においては、横浜市など他都市の制度を研究し、支援のための無利子融資を含めて
早急に実施すること。
⑦内水氾濫への対策を強化すること。
⑧紫川ダムの計画を中止し、ます渕ダムについては効果的運用を恒久化することで洪
水調整施設とすること。また、紫川の河川改修工事を早急に行うこと。並行して、
市が管理する河川における溢水対策にも万全を期すこと。
⑨旦過市場の治水対策、再開発にあたっては、住民・事業者・地権者の意見を尊重す
ること。
(4)合流式下水道の改善をはかること。
(5)火災をはじめ緊急時に市民を守る日頃の備えを充実させること。
①災害時の出動に支障がないよう、消防署・出張所・訓練研修センターの耐震診断・耐震化を行うこと。また、消防団施設についても早急に耐震化を図ること。
②災害時の避難所となる市民センターの築30年以上の全施設について、早急に耐震診断を完了し、耐震化を行うこと。平成6年以降に建築された施設は長寿命化計画をたて、老朽化対策に取り組むこと。
(6)白島石油備蓄基地については、市民のいのちと安全を守る立場から、同基地そのものの撤去を強く求めること。東日本大震災の教訓をもとに、政府や関係機関に対し施設・設備の総点検等、安全対策についての当面の措置を強く求めること。
(7)「空き家対策等特措法」にもとづき、対象物件に対する適切な対応を進めるとともに、老朽家屋等除却促進事業の助成制度に係る予算を増額し、制度を有効に機能させること。
(8)あらゆる暴力を許さない取り組みを推進すること。とりわけ、福岡県警察とも連携して、暴力団追放運動をいっそう強化し、公共事業への暴力団の介入を排除する対策を徹底すること。民事暴力相談センターの存在を市民に周知し、活用をすすめること。
(9)防犯灯の設置及び維持管理費は、全額公費負担とすること。当面、すべての通学路の防犯灯は市の負担とすること。
(10)警察に対して、暴力団の資金源にもなっているサラ金や「オレオレ詐欺」の防止とともに、捜査・検挙の強化を求めること。
(11)水道事業と下水道事業のインフラマネジメント計画を早急に策定し、老朽管対策・老朽施設対策にとりくむこと。
■市民の自主的・民主的な教育・文化・スポーツ活動を支援すること
本市の自治基本条例は、「すべての人が大切にされるまちを実現すること」を旨としたまちづくりを標榜しています。そのために、市民の自主的・民主的な教育・文化・スポーツ活動への支援は、行政にとって重要な課題の一つです。
(1)スタジアムについては、拙速な事業推進及び肥大化を中止し、市民説明の徹底と意見聴取、市費負担の大幅な軽減に向け募金を含め事業計画の抜本的な見直しを行うこと。
(2)本年6月、国際学術組織ドコモモから「日本におけるモダンムーブメントの建築」に選定された八幡市民会館は、現状を保存し市民会館としての機能を存続させること。
(3)八幡図書館は、八幡市民会館と合わせ戦後復興のシンボルとして現在の施設を存続させること。
(4)図書館、博物館などの社会教育施設を直営に戻し、必要な予算と人員を確保して、運営を充実させること。
(5)図書館充実のため、以下の措置を講じること。
①小倉南区への地区図書館設置にあたっては利用者、市民の意見を十分反映し計画をすすめること。
②既存図書館の耐震工事、バリアフリー化を含めた全面改修、建て替えなど、改善及び機能強化を早急に実施すること。
③各地区図書館にプロジェクターを備えること。
④「北九州市子ども読書活動推進条例」の趣旨にもとづく施策をすすめること。
(6)市民センターの開館日・時間を拡大し、日曜日・国民の祝日も使用できるよう改善するとともに、各施設のバリアフリー化をすすめること。
(7)市民要望の強い地域においては、市民サブセンターの新設を積極的にすすめること。
「年長者いこいの家」の大規模改修・増改築の計画をたてること。
(8)文化・スポーツ予算を大幅に増やし、誰でも文化・スポーツに親しみ、楽しめるよう施設を拡充すること。学校施設を開放するなど、利便性の向上や地域住民が利用できる施設を増やすこと。
(9)空き店舗施設の活用など、市民が身近なところで音楽や演劇などを鑑賞し、自ら練習・発表できる場の確保などを支援すること。
(10)市民の財産である市内の伝統文化・芸能・まつり等の保存・継承・振興のために、支援を強めること。
(11)乱開発から文化遺産を保護するため、調査・保存対策をすすめること。
(12)北九州市に一定期間滞在する外国人や定住者、その子女、帰国子女等、日本語に関してハンディを負っているすべての人たちに、地域生活に関する母国語で記された市政情報の郵送及び、公費により当面必要な日本語教育の機会を保障すること。
(13)小倉南区城野駅南側の医療刑務所跡地については、城野遺跡の現地保存と合わせ、公共施設用地として確保し、活用を図ること。
■男女平等、女性の地位向上の推進のために
2015年「女性の輝く社会推進室」を設置した本市は、これまで「北九州市男女共同参画社会の形成の推進に関する条例」「北九州市男女共同参画基本計画第2次」(計画期間2009~2013年度)の取り組みが進む中、2011年の市民意識調査で、固定的性別役割分業意識に否定的な割合が初めて肯定的な割合を上回り、2012年市の審議会等おける女性委員割合が政令市で初めて40%を超えるなどの前進が図られました。
第3次計画(2014~2019年度)では、「女性の参画加速プログラム」や「ワーク・ライフ・バランス」の視点や新分野への取り組みなどとともに、「女性活躍推進法」が2015年8月成立し、2016年4月1日から、労働者301人以上の企業は、雇用主に対し実態把握と数値目標を含む行動計画の策定などが義務づけられたことを踏まえ、今後労働法制の改悪を許さず、労働時間の規制や男女の賃金格差・間接差別をなくすなどの実効性ある取り組みが求められます。
(1)地元からの女性副市長を登用し、総合的な男女平等のための施策を推進すること。
(2)市政に関する企画・立案部門をはじめ、広く女性幹部職員の登用率を高めること。
(3)各種審議会委員の任用にあたっては、女性団体に広くよびかけ透明な基準で女性の登用を促進すること。
(4)「改正」男女雇用機会均等法に基づき、女性への採用差別や賃金格差、妊娠・出産による退職強要や昇給・昇進差別などをなくすよう、関係機関と連携して、企業への働きかけを強めるとともに、相談・救済のための対策をすすめること。
(5)民間の職場を含めて「セクハラ・パワハラ・マタハラ」等の防止対策を徹底するよう働きかけるとともに、相談体制の充実を図ること。
(6)DV法、ストーカー規制法などにもとづき、相談体制の充実、シェルター設置など被害者の自立支援体制を強化し、女性への暴力根絶に取り組むこと。あわせて、民間支援団体への助成金の充実など、支援を強めること。
(7)母子寮の整備・増設をすすめること。
(8)学校教育を通して男女平等の教育を徹底し、性別役割分担意識や男女差別をなくす
積極的な学習内容への改善に努めること。また男女混合名簿の推進を図ること。
(9)家族の労働を経費として認めない所得税法第56条の廃止を国に強く求めること
(10)性的少数者(LGBT)への理解を広げるため、市としての取り組みをすすめること。
■市民に開かれた公正で民主的な行政運営を行うこと
厳しい経済情勢と社会保障切り捨ての「構造改革」政治により、多くの市民のくらしが困難に直面しており、今後社会保障制度がますます削られようとしているなかで、市民生活を守る市のキメ細かな手立てが求められています。
そのために、採算のとれないハコ物、市民の役に立たない事業への税金投入に、市民の厳しい目が注がれており、市民に開かれたガラス張りの行政の実現と、誰もが納得できる税金の使い方への改革とともに、市の公共工事や各種事業の実施にあたっては、関係者の意見をよく聞き、住民合意を十分にはかりながらすすめることが必要です。
(1)自治基本条例は、「市民が主役」の市政運営を基本に、市民の権利と行政の公的責任を明確にして運用すること。「市民が主役」を市政運営の根本理念として据えるとともに、住民投票制度等の市民の権利と行政の公的責任を明確に規定するなど、先進的な内容とすること。
(2)政治倫理条例を早期に制定すること。
(3)市長の退職金制度を完全に廃止すること。
(4)「行財政改革」の名により、市民サービスを後退させないこと。市民負担の軽減に向けて、あらゆる行政努力を傾注すること。
①市の公共料金の安易な引き上げは行わないこと。水道料金体系を、一人暮らしの高齢者等小口使用者に配慮したものとなるよう更なる見直しを行うこと。
②市職員の資質・専門性の向上を図ること。職員間のコミュニケーションの向上、連携強化など、職場環境の改善をはかること。公益通報制度の適切な活用を通じて、不祥事防止を徹底すること。市職員の長時間・過密労働を改善し、成果主義賃金導入を中止すること。市民サービスを直接担う部門をはじめとする職員削減は、行政責任の後退と市民サービス切り捨てにつながるものであり、計画を中止すること。
③市税及び国保料など税外債権の徴収率向上のために設置された東部及び西部の市税事務所について、市民の利便性やサービスの低下、及び強権的な徴収、並びに職員の労働強化を引き起こさないよう、業務の検証を行うとともに、必要に応じて改善すること。また、市民税の徴収並びに換価の猶予制度、減免制度を市民に周知すること。
(5)市民に開かれた公正で民主的な行政運営を行うこと。
①政府が年金、医療、介護、雇用の情報や納税・給与の情報に加えて、医療の診察情報などへの使用拡大も狙っている「マイナンバー制度」は、さまざまな個人情報が「芋づる式」に引き出され、国民の権利を危険に陥れることが懸念される制度であり、政府に対し、中止を決断し、廃止へ踏み出すよう要請すること。
②各種審議会の委員構成は、公募による市民の割合を増やし、原則として委員会を全面公開すること。
③市政上の重要な課題、地域や市民生活に重大な影響を及ぼす問題について、市民が意思を表明する機会を保障するため、永住外国人を含む18歳以上の住民投票制度の創設を検討すること。
④法的根拠を失った同和行政は“終結宣言”を行い、直ちに全面的に終結させること。
⑤指定管理者が運営している公共施設については、その設置目的が十分に果たせるよう、情報公開を徹底し、運営の透明性、市民の利便性を確保すること。
(6)各区の特性を生かした施策をすすめるため、各区役所の機能と裁量を拡大するとともに、それを保障するため予算の増額をはかること。
(7)防犯カメラの設置、運用にあたっては、市民のプライバシー侵害や自由な活動の制限につながらないよう、十分配慮すること。
(8)市民が気軽に問い合わせできるよう、市役所に代表電話を設置すること。
(9)各種委員の選出にあたっては、準公選制の導入を含め、市民の参画を保障するための措置を検討すること。
(10)市民団体や住民組織の意向を市政に反映させるため、(仮称)「お出かけ市長室」などを通じて市民との日常的な対話をすすめること。また、正確な情報を市民に広報するため、情報公開をさらに徹底すること。なお、「市政だより」等の行政情報が、町内会加入の有無を問わず市の責任において住民に届くよう改善すること。
(11)永住外国人の地方参政権を保障するため、政府に制度改善を要請すること。
(12)悪徳商法、振り込め詐欺、多重債務等の被害から市民を守るため、相談体制をよりいっそう充実すること。
(13)個人情報保護の観点から、公的施設の利用申し込みに際しては、生年月日の記載を求めないよう改善すること。
(14)市議会議員選挙においても選挙公報を発行するなど、投票率向上策に取り組むこと。
以上、提案致します。