更新日:17年06月10日

2017年6月定例会 本会議質疑と当局答弁 藤元聡美議員 一般質問(30分)



2017年6月定例会 本会議質問と当局答弁

2017年6月8日(木)

◎山内涼成議員 一般質問(30分)

皆さんこんにちは。日本共産党の山内涼成です。会派を代表して一般質問を行います。

初めに、放課後児童クラブの利用料減免について伺います。

福岡県は、市町村が行う生活保護世帯及び市町村民税非課税世帯に対する放課後児童クラブ利用料減免制度を支援し、当該制度の対象となる児童が放課後児童クラブを利用しやすい体制を整備するため、放課後児童クラブの利用料の減免に要する経費の一部に対して補助金を交付することとしました。

現在、県内市町村の6割程度は利用料を減免しており、県は残る市町村にも制度の確立を促し、協議して、対象世帯は原則無料にしたい考えを示しています。

その背景には、学童保育を利用する児童が全国的に増えており、2015年度に初めて100万人を超え、福岡県でも2015年度に約5万2千人を数え5年間で1万人以上増えている一方で、毎月2000円から7000円ほどの利用料の支払いが負担になって「利用をあきらめる家庭もある」という現状があります。

県の利用料減免措置は、経済的理由で子どもの健全育成が奪われてはならないこと、また、保護者が働きやすい環境を整え、子供の貧困を防ぐ狙いもあるとしています。そこで伺います。

福岡県の放課後児童クラブ利用料の減免事業は、生活保護世帯は100%、市町村税非課税世帯は50%の減免率、いずれも利用料5000円が上限で県と市町村が2分の1ずつ負担します。

しかし、この制度は運営主体である市町村が放課後児童クラブ利用料減免制度を持っていることが前提になっていることから、本市も運営主体として、県と同等の減免制度を設けることとしています。

これまで本市では、各運営委員会が独自の減免措置を設けているところもあれば、設けていないところもあるという状況で、今回、県と合わせる形で生活保護世帯と非課税世帯に対する減免制度が設けられたことは評価できるものです。

しかしながら、利用料が地域間で4000円から7500円とばらつきがある本市では、同じ「北九州市」という、1つの運営主体の中で、地域によって助成額が異なることとなり、こういった状況は、減免制度の性質上疑問です。利用料の基準額を見直し統一すべきと考えますが、見解を伺います。・・・①

多くの自治体が学童保育の対象を保護者が働く低学年の児童に限る中、本市の放課後児童クラブは2011年、「子育て日本一」を掲げ、希望するすべての小学生に拡大したことに伴い、施設の新設や改修を進め、「全児童化」のスタート時点で77施設を整備しました。

しかし、その後の登録児童の伸びは予想を超え、毎年400~600人ずつ増え現在は約1万1千人となっており、今後も増加傾向は続くとみられています。

本市はこの要因について、放課後、大人の目なしに子ども同士を遊ばせるのは防犯上問題という保護者の意識の高まりや、ひとり親家庭の増加が背景にあると分析しています。

この様な要因を受け、児童が増加している本市の放課後児童クラブでは、遊び盛りの子どもたちには施設が手狭になってきているクラブも少なくありません。

国の基準は、畳1畳に一人程度ですが、実際には実用部分の面積は畳1畳に満たないのが現実ではないでしょうか。雨天時などは室内で過ごすこととなり、放課後の生活空間としては圧迫感さえ感じます。今後の施設の整備についての本市の考え方を伺います。・・・・②

また、各地域の運営委員会では独自の減免措置に取り組んでいます。

現在133クラブのうち、生活保護世帯(5クラブ)や住民税非課税世帯(46クラブ)のほか、ひとり親家庭(19クラブ)や兄弟姉妹(62クラブ)などにも、それぞれ独自に減免を行っています。とりわけ6学年で兄弟姉妹が同時に利用しようとすればその保護者負担は大変大きくなることから、兄弟姉妹の減免は非常にニーズが高いものです。

先にも述べたとおり、本市は、「子育て日本一」を掲げ、放課後児童クラブの全児童化を先駆的に取り組んできました。

県の生活保護世帯と住民税非課税世帯の減免制度に加え、兄弟姉妹の減免制度を本市独自で実施すべきと考えますが、見解を伺います。・・・・③

次に、学校規模適正化に伴う安屋分校の廃校について伺います。

本市は、小・中学校においては、教科等の知識や技能を習得させるだけでなく、児童生徒が集団の中で切磋琢磨することを通じて、思考力や表現力、問題解決能力などを身に付け、心身の成長を促す場所と位置づけ、そのためには教育効果を十分に発揮するため適正な規模を確保する必要があるとして、平成26年3月に適正な学校規模の基準を定めました。

小学校規模の分類としては、11学級以下の学校が小規模校に、12~24学級が適正規模校、25学級以上が大規模校と位置づけられています。

安屋分校は、昭和26年に花房小学校の分校として1・2年生を対象に開校しました。今年度は、2年生のみで4名が分校で学び、3年生からは本校に通うことになります。

今回の計画は、大規模校については、宅地開発などにより一時的に児童生徒数が増加するものの徐々に児童数は減少し、自然に適正化する見込みだが、小規模校については、今後、児童生徒数に対しての比率が年々増加すると見込まれるため、小規模校を対象に、統合などにより適正化を進めるというものです。

今回、優先的に適正化の検討が行われる学校として、安屋分校が取り上げられていますが、そもそも安屋分校は、1.2年生を対象とした分校として設立されているのであり、小規模校のデメリットのみを当てはめ、統合を押し付けるのは納得できません。安屋分校には子どもたちにとって1番大事な2年間に教員が一人一人に寄り添うことができる、とても良いメリットがあります。

少人数学級は、学習のつまずきが手に取るようにわかるし、わかるまで、できるまで徹底的に向き合うことができます。また、跳び箱など練習を繰り返す学習では、待ち時間がなく個に合わせた指導ができるので、できないことができるようになり、自分に自信を持つことができるようになります。

また、豊かな自然の中での学習を通じても、教員の目が行き届くことで児童のいいところを見つけ、それを褒めることができる、低学年教育としては理想的です。

しかも、そもそも3年生からは本校に通うことになっているのですから、メリットこそあれデメリットはない、と言えるのではないでしょうか。

安屋分校は、花房小学校校区が最大10キロもあることから低学年の児童には負担が大きいとのことでできた分校です。

その当時と何か環境が変わったのでしょうか。答弁を求めます。・・・・④

地域のコミュニティーについてもしかりです。

田植え体験や収穫、しめ縄つくりと地域の方々や農家、お年寄りが子どもたちのために協力してくれます。

放課後には本校に通う、地域の子どもたちがごく自然に集まってきて運動場で遊んでいます。分校で借りた本を返しに来る子どもたちもいます。

そして、その様子を見守っていいた地域の大人たちが近所の子供を引き連れて家に帰っていきます。

昨今希薄になった、地域全体で子どもたちに寄り添う文化が根付いています。

5月13日と14日に行われた教育委員会の説明会には、児童の保護者の何倍もの地域の方々が分校で学んだ先輩として参加し、良い環境で、良い先生、良い友達を身近に感じながら学んだ2年間を誇らしげに語られていました。

あるお母さんは、「3年生になって本校に通ってもデメリットを感じたことはない。教育委員会から見て何か問題がありますか」と毅然と語っていました。

説明会で教育委員会は、学校規模の適正化という概念に無関係な安屋分校を、今年度いっぱいで廃校にするという極めて乱暴な提案をし、決して財政上の問題ではないと言い切ったわけですが、これが地域で子どもたちを健やかに育んでいくための「最善の選択」とは思えません。安屋分校の存続を求め、見解を伺います。・・・・⑤

 

山内涼成議員への答弁

■市長

(放課後児童クラブについて)

少子化、核家族化の進展、共働き世帯の増加、さらには子育てに対する社会的不安が増大する中で、放課後児童対策の充実は児童の放課後の安全な居場所づくりを図るうえで、本市の重要政策の一つだ。このため本市では平成20年度から施設の新設や増設などを行う一方、指導員の配置基準の見直しや委託料の増額を図るなど、ハード、ソフト両面から全児童化に向けた対策を集中的に実施した。この結果、平成23年4月には、放課後児童クラブの設置が必要なすべての小学校区で整備を完了し、本市の放課後児童対策は大きく前進した。

施設の整備にあたっては、児童一人あたりの専用区画において国が示す基準が確保できるよう、計画的に整備に取り組んできた。専用区画の確保にあたっては、国の基準では児童の数について利用率を加味することとされており、この考え方を踏まえると本市では基準を概ね満たしているところだ。

一方でニーズの増大や住宅開発の影響などから、クラブ利用児童が増加し、既存の施設では専用区域の確保が難しくなった場合には、施設の新築や増築、余裕教室の活用などに適切に取り組んできたところだ。なお今年度については、利用児童が増加し施設の整備が必要な4つのクラブで増築の工事や、プレバブリースを行うとともに、8つのクラブで増築などの実施設計を行うこととしている。

今後とも施設の整備にあたっては、クラブの利用状況や小学校の児童数の動向などを踏まえ、将来的な利用見込み数を精査し整備の必要性を判断することにしている。その上で整備が必要な場合には、児童の安全性や利便性などを勘案し施設の増築等を行うこととしている。引き続き、利用を希望するすべての児童のため必要な施設整備を計画的におこない、児童やその保護者が安心して利用できるよう、放課後児童クラブの運営の充実に一層努めていく。

 

■こども家庭局長

(放課後児童クラブの利用料見直しについて)

本市の放課後児童クラブは、地域の子どもは地域社会全体で見守り育てるという相互扶助的な制度として発足した経緯があるため、校区の社会福祉協議会など地域が運営委員会を構成し主体となって運営しているところだ。

保護者負担金についても、地域の実情に応じてそれぞれの運営団体が主体的に決定してきた。そうした中で地域間で負担金の格差が生じたことから、平成20年度からの全児童化の取り組みの中で、月額7000円以下での運営の標準モデルを示し保護者負担金の高い運営団体に対して見直しをお願いしてきた。その結果、団体間の格差の是正が進むとともに現在平均月額は6400円程度と、全国的に見ても平均的となっている。

標準化の取り組みは、今後も着実に実施していくが各運営団体が保育サービスの水準等を維持しながら、創意工夫をこらして地域の実情に応じた保護者負担金を決定していることから、市としてこれを統一することは難しいと考えている。

一方、今年度、県が低所得との世帯を対象とした市町村が行う放課後児童クラブの保護者負担金の減免を支援する、放課後児童クラブ利用料減免事業を創設した。本市としてもこの県の事業を活用して低所得のみなさんへの支援を始めることとし、今回補正予算を計上した。

ご提案の、兄弟姉妹がいる世帯の減免については、これまでそれぞれの運営団体が主体的に決定してきており、本年4月現在で134団体中65団体が減免制度を設けているところで、市独自に減免制度を設けるつもりなない。今後とも児童や保護者が安心して利用できるよう、放課後児童クラブの運営の充実に一層努めていきたいと考えている。

先ほどの私の答弁の中で、「格差の是正が進む」というところを、「格差が進む」と読んでしまったようだ。申し訳ない。

 

■教育長

(安屋分校の統合について)

まず開校当時と何が環境が変わったかという点。安屋分校は今年度は新入学の児童がおらず、現在2年生4名のみとなっている。開校は昭和26年だったが、当時56名の児童が通っており、昭和32年が最大で、80名が在籍している。その後昭和40年代から60年代までは、ほぼ40名前後で推移していたが、それ以降、徐々に減少して平成17年度以降は20名を下回り、平成25年度には1,2年生あわせて8名となったために複式学級となっている。

児童数が減少したことによって、一つには運動会の練習が本校との合同授業ということで年に50回から60回、本校に分校から通っているので、移動時間のロスが大変大きいと思っている。本年度はたまたま2年生のみとなったので、授業は単式でやっているが、複式学級では2学年同時に授業を行うということで実質授業時間が半分になるということになる。

集団の中で多様な考え方に触れる時間が、学び合い、切磋琢磨する機会がなくなりやすいという点がある。それから3年生から本校に通うことが、人間関係などでハードルとなる、いわば小3ギャップ、これが生じる恐れがる。さらに分校には放課後児童クラブがないので、放課後、教員がボランティアで子供たちの面倒を見ている。こういったことが課題だと思う。

小規模校はおもに一人ひとりの児童に対して、教員の目が行き届き、きめ細かい指導を行いやすいというメリットがあるが、これが適正な規模校においても指導方法を工夫したり、子どもたちのコミュニケーションを充実させることによって可能だと考える。

しかしデメリットといわれる、グループ学習や体育の授業編成などが難しいという制約や人間関係の固定化など、こういった点については教員の工夫や努力ではなかなか解消することが難しい。小規模校ならではのメリットがあることも理解しているが、教員の努力や工夫では解決できないデメリットについては、学校統合によって1年生から本校に通うことで解消されるものであり、教育環境の整備による教育効果の向上を図るためにも、適正化は必要だと考えている。

現在の状況は、4月以降地元の自治会やPTAなどの学校関係者への説明会を計9回開催し延べ95名の方に参加していただいている。分校には愛着があるので存続してほしいといういけんはあるものの、子どもたちのことを考えると現状では廃止はやむを得ないという意見もいただいている。

学校規模の適正化は子どもたちの教育環境の整備をはかることにより、教育効果を向上させることが目的だ。子どもたちのためにこの取り組みを理解いただき、今後も保護者や地域の皆さんに丁寧に説明していきたい。

 

<第2質問以下への答弁>

■教育長

(安屋分校は廃校を決定したように保護者説明会でいうのは、どうなのか)

説明会の中で廃校が決定したとの言い方はしてないと思う。先ほど答弁したような理由で統合してはどうかと、我々としてはそうしたいということは申し上げているが、現時点で廃校は決定したということはいっていないと思う。

 

■教育長

(保護者から「決定か?」との質問が出て、教育委員会側は「決定です」と明言している。もうどうにもならないような印象を与える。こういうやり方はどうなのか)

当然ながら学校の統廃合というのは、地元にとっても非常に関心事だし、歴史がある学校についてはなおさらだと思う。地元に丁寧に説明するというのは心掛けているので、教育委員会の考え方としては決めているわけだが、最終的に決定するのは学校なので、条例の改正ということにもなるし、決定したということは申し上げていないが、誤解があったとしたら次の説明会の時にでも丁寧に説明したいと思う。私どもの考え方としては、気持ちを固めてきているというのは、そういう意味では決定だが。

 

■教育長

(人数は減ったとはいえ、通っている生徒はいるし将来通うであろう子どももいる。全く切り捨てていいのか)

やはり教育効果というのは一定の集団が必要で、それが望ましいと思っている。子どもたちを切り捨てるということではなくて、むしろ子供たちのために、いまのままでいくと複式学級で授業時数は実質半分になるということだ。わたしがいったときでも、先生と子どもたちが非常に仲良く休み時間に遊んでいる、それも拝見している。そういう意味では非常にいい環境ではあるが、全体として授業時間が実質半分、それから年間、50回、60回本校に通っている。そういうことを考えれば、花房校にいってもらって、花房校であっても全学年1クラスだ。ほぼ30人以下だ。小規模な教育もしっかりできると思う。子どもたちには一人ひとり寄り添って見守っていきたいと思う。

以上

 

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