更新日:18年07月17日

平成30年7月豪雨災害で緊急申し入れ



7月12日、日本共産党北九州市会議員団は、7月5日から降り続いた今回の豪雨災害に対し、緊急の対策を講じるとともに、市民のいのちと財産を守るために必要な防災上の対策を講じることを求めた共通14項目、各区33項目の合計47項目を市長に申し入れを行いました。

また、緊急の対応や被災者の支援に当たられた消防、並びに関係職員のご苦労に感謝を申し上げ、国会議員団、福岡県議団とともに市会議員が、各区で支援活動と被害状況の調査した内容について、資料を添えて手渡しました。

申し入れは下記の通りです。

7/12 秘書室長に緊急申し入れを手渡す日本共産党市会議員団

 

「平成30年7月豪雨災害」への対策についての申し入れ

 

北九州市長 北橋 健治 様

2018年 7月12日

日本共産党北九州市会議員団

団 長 石田 康高

 

7月5日から降り続いた大雨が、西日本一帯に甚大な被害をもたらしました。

本市でも、土砂災害による人的被害が発生した門司区奥田をはじめ被害は全区に及びました。この間、緊急の対応や被災者の支援に当たられた消防、並びに関係職員に心からの敬意を表します。

わが党も、国会議員団、福岡県議団とともに市会議員が、各区で支援活動と被害状況の調査を行っていますが、今後さらに被害が拡大することが懸念されます。

そこで、別紙のように今回の豪雨災害に対し、福岡県とも協議の上、市として緊急の対策を講じるとともに、市民のいのちと財産を守るために必要な防災上の対策を講じることを求め、申し入れます。

 

 

 

≪共通≫

  •  浸水、土砂災害、田畑の冠水など正確な被害実態を把握すること。
  •  避難所の改善について。
  • 避難所の指定や連絡のあり方などの見直しを。

(例1)――八幡西区・木屋瀬では、地元の人たちの要望で避難所に指定されていない木屋瀬小学校を避難所とさせてもらった。木屋瀬小学校は河川が近いため河川氾濫の避難所としては不適切だが、星ヶ丘市民センターでは遠い。適切な避難所を確保してほしい。

(例2)――八幡西区・指定避難所となった小嶺台集会所を開設し、地元の人が受け入れのために詰めたが、消防の判断で別の場所に避難誘導した。小嶺台集会所に詰めていた地元の人には何も連絡がなく、夕方まで待ちぼうけとなった。変更の連絡を徹底してほしい。

(例3)――小倉北区・土砂崩れの避難所となった南ヶ丘市民センターに連絡すると、目の前の小熊野川が氾濫しそうだということで、避難を断られた。そこで南ヶ丘小学校は高台なので安全と思って連絡すると、今度は「まだ体制が整っていない」と断られた。現場で混乱が起こらないようにしてほしい。

  • 設備の充実を――和室用の椅子、簡易シャワーの設置、マット、段ボールベッド、テレビなど。
  • 避難者が分かりやすい表示を――避難所の表玄関に開設していることの表示、中に避難所で配布される物品や施設利用可能なものの明示を。
  • 食糧備蓄を充実すること。
  • 避難所の運営体制について検討を――市民センターの中には、館長が嘱託であるにも関わらず、避難者の要望に応え、実質的に責任を負わされているところもある。「市の職員が行けないので、今日は泊まってほしい」と要請されたところもある。責任をはっきりさせるとともに、運営のありかたについて検討すること。
  • 避難所生活が困難な高齢者や障害のある人など要援護者が避難できる福祉避難所を開設すること。
  •  農作物被害について収穫時期まで継続的に調査を実施すること。
  •  住宅や宅地、農地に流入した土砂の撤去について市が支援すること。
  •  私有地におけるがけ地防災対策工事助成制度を創設すること。
  •  災害救助法に準じて被災者の住宅再建支援や生活再建支援を市独自に行うこと。あわせて、被災者支援に関する現行の各種制度等について、市民に広く周知を図ること。
  •  決壊の恐れのある護岸の総点検と対策を――篠崎3丁目3-2の小熊野川の護岸のブロック部分が、幅3m、高さ5~60㎝にわたって決壊し、直近の家が1軒床上浸水となり、家人が泥出し作業をしている。以前護岸工事の際、何らかの理由で護岸のかさ上げが出来ずに残されて、後年、周辺住民などが自らブロック等で工事を行い、その部分が決壊したものと思われる。この箇所について市は対応すると言っているが、他にも同様の箇所がないのか、総点検して対策をとること。
  •  危険な空き家の総点検と対策を――八幡西区・則松7丁目12-29村上宅の上段の太田宅の家屋の擁壁が崩壊し、村上宅の浴室を直撃。太田宅は1年前より空き家となっている。村上氏は市住に入居手続きをしているが、他にも同様の危険な空き家がないのか、総点検と対策を。
  •  被災者生活再建支援法を、全壊150世帯でなくても適用すること、および一部損壊にも適用することを国に要望すること。
  • 学校の休校措置は、可能な限り早く判断すること――休校措置が、いったん学校ごとの判断とされ、その後、午前8時ごろに全市一斉休校措置が決定された。そのためすでに登校済みの児童生徒がおり、安全確保などのため帰れず、混乱が生まれた。休校措置をとる場合は、児童生徒の安全確保を第一に、全市または各区ごとなど、わかりやすい判断基準で、早期に集団的に判断すること。
  • 土のうについて――詰め込む土の量を減らして重量を落とし、高齢者でも運べるよう改善すること。
  • 罹災者の市営住宅の入居家賃は、災害救助法に準じて市として減免を行うこと。
  • ため池に流木や土砂の流入などが発生している。市内のため池の総点検を行うこと。
  • 市内急傾斜地等の危険箇所の災害を防ぐため、小規模急傾斜地への対応を県へ要請するとともに、市独自の予算を計上するなど、対策を急ぎ強化すること。また治山事業(2m2戸)についても調査し対応すること。

 

≪門司区≫

  • 大字吉志ゴルフ場跡地造成中の地域で、崖崩落による2次災害の恐れがある。崖復旧の指導を行うこと。
  • 羽山2丁目軽費老人ホームやはず荘の山手側の土砂が崩壊した。下の大里東3丁目の家が土砂で埋まった。幸い避難して住民は無事だった。土砂崩落地の復旧と、周辺施設等の安全対策を進めること。
  • 門司区西新町1-8-29付近の村中川において流石が堆積し溢水した。堆積した石の除去を県に要請すること。
  • 大字吉志の櫛毛川護岸工事がされているが、川が急角度で折れ曲がっている流域で、今回の水害で護岸が決壊した。工事のあり方を見直すこと。
  • 上藤松2丁目の砂防ダムは、今回土砂災害を防ぐ役割を果たせなかった。道路と側溝の堆積土を撤去し、砂防ダムを強化すること。今後こういうことのないよう、この砂防ダムを強化すること。

 

≪小倉北区≫

須賀町・神幸町

  • 陸上自衛隊富野(弾薬庫)分屯地から土砂が須賀町のバス道路に溢れ出ている。昨年も自衛隊入り口付近の側溝の改修をしたが改善していない。抜本的な対策をおこなうこと。
  • 須賀町18-16 奥泉宅前で、延命川から大谷池に入らない土砂が溢れた。フェンスを可動式にするなど、その対策を講じること。
  • 大字富野・大谷池の山側斜面が崩落――崩落土砂を撤去し、今後の防止対策を講じること。

宇佐町・神岳町

  • 宇佐町2丁目14-5・菅原宅前から宇佐町8-32鳥仙人までと、小倉宇佐町郵便局から5-4中華料理店・玲玲までの床下浸水となった。一昨年まで豪雨災害対策で一定の改善をしたが、予想を超える大雨によるもの。今後同様の被害が起こらない対策をとること。
  • 寒竹川が氾濫し、神岳2丁目7-11 カラオケBABA床下浸水。寒竹川のかさ上げ等の対策を。

霧が丘・妙見町

  • 妙見町14-1世界真光文明教団から妙見町15-8当たりの市道が陥没して、自動車がそこに落ち込んだ。早急な対策をとること。
  • 妙見町6-8 真言宗東林院付近で側溝からの水があふれた。上流部からの対策をとること。
  • 霧ケ丘2丁目14-33宮崎宅横のがけ崩れによって、住宅が押しつぶされている。二次災害防止対策をとること。

板櫃町・愛宕公園西側護岸

  • 昨年7月の豪雨で崩れた小倉高校と東芝跡地の間、板櫃川西部の板櫃町の崖崩れ現場の上流部分で、新たに数カ所のがけ崩れが起こった。また対岸の愛宕公園西側の霊園の崖が大きく崩れて、森がそぎ落とされ、墓が丸見えになっている。両方とも非常に危険な状態なので、早急に抜本的対策をとること。

 

≪小倉南区≫

  • 母原川等準用河川の整備計画を作ること。
  • 合馬・道原への県道他各所で渓流の土石流が繰り返し発生している箇所について、県と協議し抜本対策を講じること。
  • 葛原3丁目24-3・的場宅――家の裏に土砂と流木が押し寄せ、床下浸水となった。民地だが、土砂・流木を撤去すること。土砂崩れを起こした山も民地だが、そこには今、倒れかかっている木もあり、放置すれば二次災害の恐れもある。県は「保安林に指定し、山腹崩壊を抑える手立てをとる方向で動きたい」という意向を示している。市は、山の所有者への当面の安全対策と流出土砂撤去を指導するとともに、住民の安全に最後まで責任を果たす立場で対応すること。
  • 石原町393-5・池田宅――深さ5メートルの水路が土砂で埋まり、水が逆流して家が床上浸水寸前だった。水路の土砂撤去を南区まちづくり整備課にお願いしたところ、道路の土砂は撤去した。二次災害防止のために水路の土砂を撤去すること。
  • 春吉200・平林宅――6年前に続き、裏山からの土砂が敷地に流れ込み、床上浸水。ご近所総出で土砂を撤去していた。前回、平林氏が自費で水路を作ったが、今回同様の被害となった。裏山の土砂崩れ防止策をとること。
  • 辻三の辻の蔵川の堆積土砂の撤去と護岸の溢水対策を――取水口の近くで水が漏っているので、その対策を。前回被災後、辻の蔵川の片側に溢水防止のためにブロックを2段重ねたところ(辻三582)があるが、そのため逆に反対側に水が押し寄せた。同様のブロックをもう片方にも重ねてほしい。(辻三683-4・下田氏)
  • 道原から石原町にぬける市道が陥没しているので、早期復旧を。
  • 葛原高松一帯――大量の土砂が水路に流れ、周辺の住宅が床下浸水し、池の中にも大量の土砂が流入した。現在、市が土砂を取り除く作業に入っている。
  • 前回は、「池の中の土砂については池の管理をしている財産区で」といわれ、何年も放置されていた。昨年やっと撤去したばかりだが、今回の災害となった。池に流入した土砂についても市が撤去すること。
  • 水路の三面張りのところどころが割れており、水が道路下に流れていると推測される。放置すれば、陥没につながるので、水路の補修を急ぐこと。
  • 上流に砂防ダムがあるとのことだが、今回の大量の土砂はそれを越えて流れてきている。コンクリートの塊も見られたので、砂防ダムの一部ではないかと思われる。県に砂防ダムの強化、補修を求めること。
  • 合馬川が増水し、農道下の護岸を削って崩壊させているので修復を。合わせて合馬川の浚渫を。(合馬568・戸畑廣幸氏)
  • 道原2171-1・後郷宅――6年前に続き、土砂が大量に家の敷地に流れ込んだ。今回作業中に御主人は骨折した。前回被災のあと、県が砂防(治山かも)ダムをつくったが、「ポケットが小さくて詰まっていた」とのことで機能していない。(道原のもう1箇所の砂防ダムは機能して、今回は全く被害なし)県に、砂防ダムの調査と対策をとるよう求めること。
  • 合馬川の増水で、砂入橋の少し上流の井堰がこわれ、取水できない。早急な対策を。また、「門司から21・2」地点の高速道路高架下の水路が土砂で埋まった。昨年は自力で撤去したが、今年は量が多く、自力ではとてもできないので、土砂の撤去をお願いしたい。(合馬165・永津賢二氏)

 

≪若松区≫

高塔山に上がっていく道路の白山3丁目3番の部分で法面が崩れ、土砂崩れが起こった。この2年間、その地域では道路の拡幅工事が行われてきたが、この工事と法面崩壊との関係を調べること。

 

≪八幡東区≫

羽衣町の勝田公園からの排水が、周辺住居に流入して被害をもたらしている。早急に排水溝の設置、点検等を行うこと。

 

≪八幡西区≫

  • 清納2丁目8番の法面が崩れて、道路に土砂が流れ込み、道路を埋めた。電線が土砂に埋まり、引っ張られて電柱が途中から折れている。復旧を急ぐこと。
  • 元城町6-28の城戸洋一宅――6日の朝3時ごろ、市道と城戸宅間の法面が崩れて、城戸宅に流れ込んだ。本人は黒川に行っており、留守だった。法面のカキの木が倒れ、ベランダが土砂で崩れ、家屋内に水が入っている。法面の所有者を調査の上、除去へ適切に対応すること。

 

≪戸畑区≫

  • 浅生の飛幡八幡宮の境内、駐車場の雨水排水対策――参宮通りに向いた鳥居の階段から激しく雨水が流れ落ちてくるため、参道沿線の店舗や住家が浸水被害を受けた。鳥居下の雨水集水桝の数を増やすとともに、形状を変更するなど、雨水処理の設備を改善すること。

  • 菅原1丁目4番の市道41号線の法面崩落事故について。
    • 住宅(蒲刈邸)の外壁に達し、通路を塞いでいる土砂について、二次災害を発生させないよう、慎重かつ速やかに、土砂の撤去を行うこと。
    • 菊山邸及び岩本邸に面した法面の安全性について調査し、必要な安全対策を実施すること。
    • 土砂災害警戒区域となっている同地域について、災害を未然に防止する定期的な把握を行うこと。
  • 天籟寺通りの浸水について
    •  同エリアは多方面から雨水が流れ込むポイントになっているため、大量の降雨があるといつも沿線の店舗や住家が浸水被害を受けているため、下水道の容量の改善を行うこと。
    •  天籟寺交差点付近では、街路樹からの落葉が集水桝に詰まっていたため、雨水を処理しきれず浸水被害が生じた。ついては、適宜街路樹の剪定や、集水桝の清掃を日常的に行うこと。
    •  天籟寺小学校運動場の雨水処理対策を実施すること。
  • 境川2丁目9番、10番、14番、15番に接する交差点について――短時間に大量の雨が降ると行き場を失った雨水が溜まるため、雨水を下水道に導くルートの確保と道路の傾斜を改善すること。

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