コロナ感染急拡大で、市長へ緊急申し入れ(第13回目) 「新型コロナウイルス感染症から市民のいのちを守るために感染拡大防止対策と医療体制充実を求める緊急申し入れ」
コロナ感染急拡大で、市長へ緊急申し入れ(第13回目)
「新型コロナウイルス感染症から市民のいのちを守るために感染拡大防止対策と医療体制充実を求める緊急申し入れ」
8月16日、コロナ感染の急拡大が続き、市民のいのちを守る取り組みが緊急に求められる中、日本共産党北九州市会議員団は、市長に対して①PCR検査の抜本的強化、②ワクチン接種の促進、③医療体制の強化と支援、④10月に本市で開催予定の「世界体操・新体操北九州2021」の中止など24項目の内容を、市議8名全員で申し入れを行いました。申し入れの内容はコチラです
2021年8月16日
北九州市長
北 橋 健 治 様
日本共産党北九州市会議員団
団 長 荒 川 徹
議 員 藤 沢 加 代
議 員 山 内 涼 成
議 員 大 石 正 信
議 員 高 橋 都
議 員 出 口 成 信
議 員 伊 藤 淳 一
議 員 永 井 佑
新型コロナウイルス感染症から市民のいのちを守るために
感染拡大防止対策と医療体制充実を求める緊急申し入れ
新型コロナウイルスの急激な感染拡大が続くなか、日々市民のいのちと安全、生業を守るために奮闘されている本市関係者のみなさんに、心から敬意を表します。
政府はコロナ感染の急拡大を受け、現在6都府県に「緊急事態宣言」を発出し、12道府県に「まん延防止等重点措置」を実施していますが、福岡県などの「緊急事態宣言」要請などを受けて今週前半にもその範囲を拡大すると報道されています。
また、政府は入院を重症者と重症化リスクのある人に限定するとの方針を出すなど、医療ひっ迫の極めて重大な事態となっています。
本市でも感染の広がりは歯止めがかからず、保健所をはじめ本市の担当部署の業務多忙化と、市内の医療機関ではひっ迫をきたして、医療崩壊が強く懸念される事態となっています。
本市において確認された陽性者数は、8月15日までの一週間で710人と過去最多となり、8月15日現在、入院157人、宿泊療養102人、自宅療養472人、その他調整中が260人と極めて厳しい状況です。
たび重なる「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」などで、飲食をはじめ、多くの事業者が「またか」「心が折れる」「もう持たない」と悲鳴を上げ、生活困窮者やひとり暮らしの学生の生活はこの上なく厳しいものとなっています。
わが党は、感染拡大を抑制し、市民のいのちと健康、暮らしと生業、子どもと教育を守る立場から、これまで繰り返し対策を求めてきました。それらを踏まえたうえで、第5波の感染急拡大に際して、とりわけ検査、ワクチン接種、及び医療体制について緊急に対策を求めるものです。
1.PCR等検査の抜本的強化をはかること
この間に確認された感染者のうち、感染経路不明の例が半数以上を占めており、無症状のために陽性との認識がないまま周囲に感染を広げていることが懸念されています。
政府分科会の尾身氏は7月30日の首相会見で「ちょっとでも具合の悪い人、感染の心配のある人は、職場でも学校でも地域でも、どこでも気楽に検査ができる体制を、その気になればできるはず」と指摘しています。
これまでの有症状者とクラスター対策中心のPCR等検査から、無症状感染者をいち早く把握して適切な措置をとることができるよう、検査の抜本的な強化を強く求めます。
- 「感染拡大の予兆」「感染源」をとらえるために、民間検査機関、医療機関の協力を得て検査件数を抜本的に引き上げること。
- 市内において、対象とする集団・地域を「幅広く」設定し、協力を求め、希望するすべての人に対して無料でPCR検査を実施すること。
- 無症状感染者を発見し保護するため、「感染震源地(エピセンター)」となりうる場所での住民・在勤者全体を対象にしたスクリーニング検査や、人の多く集まる場所でのモニタリング検査を強化するなど、大規模で網羅的な検査を実施すること。
- 北九州空港、JR小倉駅などで実施されているPCR検査は、東京・大阪から戻ってくる人や来訪する人に限られており、感染の拡大とワクチン接種の状況からみて、検査対象を拡大するなど、政府や福岡県に抜本的な拡充を要請すること。
- 専門家の提言にもとづき抗原検査キットやPCR検査キットを事業所や家庭に配り、市民が日常的に自主採取ができるようにすること。
- 濃厚接触者に指定された人の家族に対するPCR検査を実施すること。
- 感染力が強いとされる変異株の感染事例、クラスターの発生が、各地で報告されており、政府に対し変異株の疑いを確認するゲノム検査の実施割合を大幅に引き上げ、変異株感染患者の早期探知と感染状況の把握を急ぐよう要請すること。
- コロナ封じ込めのための大規模検査を行うために、接触者の追跡を専門に行うトレーサーの大幅増員、保健所の人員・体制の抜本的な拡充を行うこと。
- 医療、福祉、保育、教育などの分野で、集団感染リスクの高い施設職員や利用者・入所者などへの週1回の検査を実施すること。
- 「感染拡大の予兆」「感染源」を探知した集団・地域に対して、十分な補償と一体に感染防止対策を行い、感染封じ込めをはかること。
2.安全で迅速なワクチン接種を促進すること
- 政府に対してワクチンの安定的な供給を強く求めること。
- 職域や大学関係者のワクチン接種、広域接種の実施について、早急に見通しをつけられるよう、政府に強く要請すること。
- 感染が急拡大している20代、30代を中心に、若い世代のワクチン接種を促進するために、あらゆる手立てを講じること。
3.医療崩壊を招かないために体制の抜本的強化、現場への支援を強めること
- 新型コロナウイルス患者の入院を、重症や重症化リスクのある患者に限定する政府方針を撤回するよう求めること。
- 市内の医療機関におけるコロナ患者の病床確保によって、一般医療に支障をきたす恐れがあるため、特別の人的体制と場所の確保を行って対応することも視野に入れて取り組むよう福岡県に要請すること。
- 政府及び福岡県に対し、自宅療養者による家庭内感染を防止するためにも、ホテル等を借り上げた宿泊・療養施設の十分な整備と、必要な医療スタッフ配置に責任をもった対応を行うよう要請するとともに、市独自の対策をとること。
- 政府及び福岡県に対し、家庭の事情で自宅療養を余儀なくされている人の健康観察やケアの提供に万全を期し、重症化の発見が遅れないようにするとともに、保護された人の生活を保障する措置を取るよう要請すること。
- 重症化を防ぎ、医療ひっ迫を回避するために、抗体カクテル療法の積極的な対応を関係機関に要請すること。
- コロナ対応であるなしにかかわらず広がっている医療機関の減収を、直接補てんする制度を創設するよう、政府に強く求めること。
- 医療機関の実情に応じて、本市独自の支援制度を新たに設けること。
- 引き続き医療機関や福祉施設に、マスクや消毒液など感染防護資材を迅速に供給する取り組みを充実させること。
- すべての医療従事者に緊急に特別手当を支給するよう、政府に要請するとともに、本市独自の対策をとること。
4.感染拡大のリスクを最大限に減らすために
- 東京オリンピックの開催強行が、人流の抑制とは矛盾するメッセージを発して感染拡大の要因となったことを踏まえて、東京パラリンピックを中止するよう政府に要請すること。
- 感染急拡大のなかで10月に本市での開催が予定されている「世界体操・新体操 北九州2021」は、市民のいのちを守ることを最優先に、中止するよう大会組織委員会に要請すること。
以上、緊急に申し入れます。