旭硝子北九州工場からの「自動車ガラス事業の撤退」等に関する緊急申し入れ
北九州市長 北橋 健治 様
2009年5月11日
旭硝子北九州工場からの「自動車ガラス事業の撤退」等に関する緊急申し入れ
日本共産党北九州市会議員団 団長 石田 康高
旭硝子は4月15日、同社北九州工場(戸畑区牧山)から自動車ガラス事業の撤退を行うと発表しました。それによると、北九州工場の生産を本年末までに打ち切り、自動車ガラス事業に従事する従業員約170名については愛知県や神奈川県の工場への転勤や早期退職優遇制度の適用などで対応するとしています。
同社は「北九州工場における他の事業については今後も継続する」とも発表していますが、報道においても、残るのは倉庫機能のみと見られており、現在174名の従業員のほとんどが転勤あるいは退職を迫られることからも、このままでは事実上、「工場閉鎖」の事態が生じることとなり、雇用破壊と地域経済への深刻な影響が懸念されます。
さらに旭硝子北九州工場は1914年に生産を開始した同社で最も古い歴史を有する工場であり、その95年の操業の歴史に幕が下ろされようとしていることは、戸畑区民をはじめとする多くの市民に大きな衝撃と深い悲しみを持って受け止められています。
旭硝子は08年12月期の決算においても6602億3700万円の利益剰余金を有しており、自動車ガラス需要の急減を勘案したとしても、従業員の雇用を継続・確保するに経営上の十分な体力があります。また、同社が1世紀近くの長年にわたり、市内の各種インフラを利用して生産を行ってきた経緯からも、地域経済の安定と雇用の確保については最大限の社会的責任を果たすことが求められます。
本年3月の日銀短観においては、日銀北九州支店管内の製造業の業況判断指数はマイナス57と前回調査よりも51点の落ち込みで、下落幅は過去最悪を記録しています、この調査結果からも東芝の事業移管、旭硝子の「工場閉鎖」に続いて、今後も北九州市内において工場閉鎖や事業縮小が相次ぐ恐れがあります。
ついては、市民の雇用と地域経済の安定を守るために、市長として以下の対策を講じることを緊急に申し入れます。
記
1、雇用を維持し、市民の暮らしと地域経済を守る立場から、旭硝子北九州工場からの自動車ガラス事業の撤退を行わないよう、市長が同社に対して直接の申し入れを行うこと。
2、仮に事実上の「工場閉鎖」が行われた場合には、市長として旭硝子に対し、雇用確保対策を講ずるよう申し入れるとともに、早期退職を強いられた労働者に対する生活や再就職の緊急相談窓口を関係機関と連携して開設すること。
3、合わせて東芝の事業移管等に関しても同様の措置をとること。
4、市民生活や地域経済に大きな影響を及ぼす工場・事業所の縮小、撤退や、人員整理を未然に防ぐとともに、あるいは実施された場合でも影響を最小限に食い止めるため、市内の大企業に対して、事前に市への報告・協議を求める緊急措置をただちに講じること。
以上