2015年6月定例会 山内涼成議員の一般質疑(60分)
2015年6月定例会 本会議一般質疑と当局答弁(6月11日 木曜日)
◎山内涼成議員の一般質疑(60分)
議場の皆さんこんにちは。日本共産党の山内涼成です。市議団を代表して一般質疑を行います。
平成20年12月に策定された「環境首都総合交通戦略」では、本市の交通の現状についてJR、モノレール、筑豊電鉄、路線バス及びそれを補完する「おでかけ交通」を含め、充実した公共交通ネットワークが形成されているとしたうえで、公共交通利用者の減少により、このままでは路線の廃止や減便が進行し移動しづらく暮らしにくい街になってしまうとしており、北九州市を暮らしやすい街にするために、公共交通の利便性を強化し、更なるサービス向上と維持存続を図る必要があると指摘しています。
また、戦略の基本方針として、利用しやすく安心で快適な交通体系の構築、地球環境にやさしい交通手段の利用促進、超高齢社会における「市民の足」の確保を掲げています。
さらに平成26年8月に行われた戦略の見直しの中で、特に後期高齢者の公共交通への依存度が高いことから、「超高齢社会」への対応を充実させ、市民が施策の効果を実感できる事業展開を進めることにより公共交通分担率を平成30年度には現行の20%から24%に引き上げる新たな目標値を設定しています。
しかしながら、この間にも高齢化は進み、目標設定年の平成30年には北九州市の高齢化率は30%を超えることが予想される中で、いまだ路線の廃止や減便に歯止めはかかっていません。一方で、交通事業者は経営のしわ寄せを利用者や労働者に転嫁しているのが現状です。
私は、「環境首都総合交通戦略」の理念や目標は素晴らしいと思います。では、なぜ具体化できないのでしょうか。簡単に言えば、市が公共交通利用者の減少により、公共交通が衰退する中で、やがて路線空白地が広がり買い物や通院といった生活に欠かせない移動ができなくなる市民が増えることを知りながら、公共交通政策を利益を上げなければならない交通事業者に丸投げしてきたことが指摘されます。
本市においては、交通事業者が赤字を理由に撤退し、路線空白地域になった地域を「お出かけ交通」という形で対応しています。しかし、高齢化が進み交通弱者が増える中で、路線空白地となった地域だけを穴埋めする手法では、北九州市は「お出かけ交通」だらけになってしまいます。現在の「お出かけ交通」の制度においても、その運営は交通事業者が行っていることから結局は採算性を重視せざるを得ないのが現実であり「市民の足」、「生活のための足」でありながら利用者負担は大きくなり不公平感が高まっていることが現状です。それよりも既存路線をいかに存続させるかを大前提に据え、総合戦略会議での調査結果を生かし、買い物や病院に行く時間、帰る時間などを把握し、減便しても不便さを感じさせない利用者のニーズに合った計画づくりでサービスの向上を図るなど、住民とともに考えるという「お出かけ交通」の本来の考え方を反映した、行政主導型の交通政策を考えるべきです。
具体的には、「生活の足」としての公共交通を市民の誰もが平等に利用できる体制を構築するために、市が市民と一体となって、市全体の効率的な公共交通の運行体制を検討し、交通事業者に対しては、その運行に必要な補助を行うといった交通政策の転換が必要と思いますが。見解を伺います。・・・・①
また、公共交通の維持・存続という観点からバス業界における乗務員不足は深刻な問題です。バス乗務員は人の命を預かる仕事であるにもかかわらず、低賃金で長時間労働など過酷な労働条件を強いられています。その結果、乗務員不足は慢性化し、平均年齢も高くなっています。全国的に見ると、現在、バスの乗務員になるために必要な大型2種免許の40歳未満の保有者は年々減り続けており平成25年では全体の10%に満たない状況です。このままでは公共交通を担う労働者が居なくなり市民の足を守ることができなくなります。
そして何よりも、このような状況が続けば公共交通に最も重要な安全さえも危うくなりかねません。早朝からの出勤、毎日が不規則な勤務形態、1日の平均睡眠時間は5~6時間、超過勤務、休日出勤の常態化などの過酷な労働実態の中でも決して事故は許されません。その上、接客業として気持ちよく乗っていただくために営業マンとしての接遇を求められます。高いスキルと責任感が求められるバス乗務員の労働対価として現状の賃金は低い水準にあります。これではバスの乗務員になろうと思う若者はますます少なくなる一方です。
行政として、若者が自分の育ったこの町で就職し、市民の足を守るために誇りをもって働けるような環境を整えるために、バス乗務員の安全研修の補助で安全運行教育の充実を、車両購入費や免許取得等の補助を行うことで賃金の底上げ、労働条件の改善を図る必要があると思います。公共交通の存続に欠かせない大きな問題です。当局の見解を伺います。・・・・②
このようにこれまでのマイカー依存社会が生み出したバス部門の現況は、交通事業者だけの努力では限界に来ている中で、そこで働く労働者のかなりの犠牲の上に成り立っていると見ることができます。本市における高齢化のスピードを考えると10年後には公共交通が確実に必要とされる時代が来ることが予想される中で、公共交通に対する社会的期待は非常に大きくなっています。それと同時に取り組むべき課題も山積しています。本市の「環境首都総合交通戦略」を具体化するためには、公共交通に特化した条例を制定し、北九州市の責任において市民の移動する権利を保障する、このことを明確にするべきと考えますが、考えをお聞きします。・・・・③
現在、本市においてはバス通学を強いられている小学生・中学生が存在します。対象となる保護者の負担は、1か月の定期代はおおむね1人あたり4,000円を超え、兄弟がいればさらに大きな負担と聞いています。また、その対象となる地域は過疎路線がほとんどで便数が少なく、現状では一般の路線バスに混乗しているため登校時はバス、帰りは親が迎えに行くなどの二重の負担となっています。
本市においては、バス通学を認められた児童生徒のうち、就学援助受給者で通学距離が小学生は4km、中学生は6km以上の児童、生徒について通学費を補助する制度があります。しかしながら、小・中学校に通うために各家庭で通学費の負担が生じていることは事実です。
私は本来、義務教育において、居住する地域で不公平があってはならないと思います。子育てナンバー1を目指す本市においてこのような状況は是正し、市が通学距離に関係なく、地域の実情を考慮し、バス通学が必要な児童・生徒の通学費を全額負担すべきと考えますが見解を伺います。・・・・④
また、平成17年に広島市、栃木県旧今市市などで発生した通学路における児童生徒等に対する犯罪事案の発生を受け、平成18年2月にスクールバス活用の文科省通達が出されました。通達は主に児童生徒の登下校時の安全確保等の視点に留意したものです。昨今、登校中の小学生の列に車が突っ込むといった事故が後を絶ちません。理不尽な事故により子どもたちが犠牲になるリスクは避けなければなりません。
本市では、前述したように遠方からの通学については学校ごとに学校長の判断でバス通学を認めていますが、文科省通達の趣旨は、子どもたちの安全確保であり、遠方からの登校児童に限定するものではないとしています。
昨年7月に施行された北九州市安全安心条例の趣旨にかんがみ、通学路の安全確保のために行政、学校が果たすべき役割として、まずはバス通学を認めている小学校6校、中学校8校にスクールバスの導入を検討すべきと考えます。見解を求めます。・・・・⑤
子供たちの安全と親御さんの安心と負担軽減のため、市長の判断を期待するものです。
我が党はこれまで、世界に類を見ない荒波の外洋さらしの洋上に最大560万キロリットルの危険物を貯蔵する原油備蓄基地に対し、爆発事故の危険性はもとより、備蓄基地のメンテナンスに伴って生じる海洋汚染などについて繰り返し指摘をしてきました。また、白島国家石油備蓄基地建設では、ゼネコン、マリコンなど、財界大企業と暴力団、そこに当時の国会議員や県会議員、市会議員まで加わり、国民、市民の税金を資金源とした政、財、官と暴力団の癒着の中で大量の血税が暴力団に流れたその背景をも明らかにしてきました。
しかしながら、当局の答弁は油が流出すれば止めればいい、火が出れば消せばいい、そのための装置を完備している、だから安全だ。と聞こえます。その答弁や姿勢は東日本大震災前に原発の危険性を追求した我が党の国会質問に対する政府答弁にどこか似ています。残念ながらその指摘が現実のものとなり、その危機管理の脆弱さが露呈され原発の安全神話は完全に崩壊しました。今、国民は原発とそれを推進してきた政治に対して不信感を強めています。
自然災害の脅威をもろに受けた福島第1原発と同様に、白島石油備蓄基地の立地条件は大量の危険物貯蔵施設としては最悪と言わざるを得ません。また、その立地条件ゆえに他の施設とはけた違いの税金が投入されたことは言うまでもありませんが、自然災害は誰にも予測はできませんし、いつどこでどのような災害に見舞われるかは誰にもわかりません。ましてや、周辺の埋め立てによる海流の変化など人工的な要素も加わり、非常にリスクの高い環境にさらされています。昨今、日本列島を襲った火山噴火や深海を震源とする地震など、まさに専門家さえも予測できない自然の驚異を感じます。
私は大量の危険物貯蔵施設の危険から市民の安全を守るという観点から伺います。
故野依謙介議員は、備蓄基地内の主電源などの心臓部が想定外の津波などで冠水した場合の電源喪失に伴う爆発事故の危険性を指摘し、このことが備蓄基地の運転管理における致命的な問題であると追求しています。
東日本大震災の教訓は、もしものことを想定し、それに備えるため住民一人一人が身を守るためにどう行動するのか常日頃から訓練するということです。そのためには最悪の災害を想定した住民避難のための指針を示すべきではないでしょうか。白島で働く従業員のための避難マニュアルはあると聞きました。従業員の避難が必要となる災害とはどのようなものですか、併せて最大560万キロリットルもの大量の原油が爆発炎上した場合の被害想定と、周辺住民の避難マニュアルの必要性について見解を伺います。・・・・⑥
そしてもう一つ、関連する問題として重要な点は、基地建設の計画段階からの政・財・官の癒着構造と、その利権に群がる暴力団に莫大な血税が流れ込んだ事実を忘れてはなりません。この事実が結果として、この北九州市の暴力団を増幅させ多くの市民が犠牲となりました。
北九州市は過去の反省を踏まえ、平成27年2月19日に港湾開発等に伴う漁業補償金の透明化を図るために、市内5漁協と県との3者会議を開きました。
その中身は、漁業補償を受けた各漁協支所等は組合員に分配する補償金の額や、漁協支所等で留保する補償金額のリストを市に提出する。漁協を監督する県は、リストに組合員以外の人物がいないかをチェックする。問題があり、市の改善要請に応じない場合は、漁協に違約金の支払いを求める。また、暴力団への利益供与や資金提供などを行わないよう定めるコンプライアンス規定を漁協に導入する。としています。
漁業補償金などは、すべてが税金でありその使途は厳格にチェックされなければなりません。その透明化を図るために、市民に対して今回の会議で決定された具体的な内容について、今後の進捗状況を公表すべきと考えますが答弁を求めます。・・・・⑦
昨年9月に我が党が行ったアンケートでは、若松区高須、青葉台地区における芦屋航空自衛隊の飛行訓練に伴う騒音に対する意見や苦情が数多く寄せられました。その中身は、「だんだん音が激しくなっている、低空飛行になっている」「電話の会話が聞き取れない」などでした。また、これまではあまり聞くことのなかった二島地域周辺からもジェット機の騒音に対しての苦情が寄せられています。訓練範囲が拡大しているのではないかとの不安が広がっています。
当局は、平成24年10月に我が党の指摘を受け同基地への聞き取り調査を行いました。それによると、通常の飛行訓練は、平日の午前8時から日没までを基本としていること。また、夜間の飛行訓練は周辺住民への影響を考慮し、ひと月のうち2日間、日没から午後9時ごろまでに限定して行っているとのことでした。
しかしその一方で、訓練の実態としては、パイロットの熟練度や気象状況などにより飛行航路が変わるため特定の時間帯や飛行回数は掌握していない。また、昼間の飛行訓練についても洋上の訓練空域が狭く、1日の訓練スケジュールの過密化で正午から午後1時の間に住宅地上空を飛行しないことは難しいとの回答でした。
これでは事実上、いつでもどこでも住宅地上空を爆音を上げてジェット機が飛行しているということではないでしょうか。
少なくとも、防衛省は従前の訓練から比べると訓練スケジュールの過密化などを理由に住宅地上空での騒音被害は拡大していることを認めていますが直接被害を受ける周辺の住民に何の説明もなされていません。
夜間の飛行訓練については、基地周辺の30の自治会に対し、事前に日程を知らせていること、この予定はほぼ適正に行われているとのことでした。
私は、市が、飛行訓練日程を昼間も夜間と同様に周辺住民に事前に知らせることを申し入れるとともに、訓練が適正に行われているのかをチェックする必要があると思いますが。見解を伺います。・・・・⑧
第2に、航空機騒音に伴うNHKの受信料補助について伺います。この補助は、自衛隊などの航空機が頻繁に離着陸を行う周辺地域において、航空機騒音によるテレビ放送の聴取障害の緩和のために防衛省が受信契約者に対して、受信料の半額相当の補助金を交付するものです。
高須地域においては、補助基準を満たしているにもかかわらず補助制度開始当時に山林であったことを理由に交付されていません。市の要望に対する防衛省の回答では助成区域の見直しは慎重に行うとの回答でありますが、30年たっても変わらない状況は納得ができません。現状が伝わってないのではとの疑念さえ持たれます。
また、芦屋町では山鹿地区について、若松区高須地域同様に防衛省から受信料補助地域に指定されていませんが、芦屋町が独自に同額の補助を行っています。芦屋町全体が補助地域という中で山鹿地域だけが補助対象から外れているという不公平感の是正措置ではありますが、同じ騒音被害を受ける生活者としては同じです。北九州市内でも同じ騒音被害を受けながら、NHK受信料の補助を受けている地域と受けてない地域があることは、不公平であると言わざるを得ません。
市は、防衛省に対して、指定地域の見直しを強く求めるとともに、あわせて、防衛省が地域指定するまでの間は、芦屋町と同様に、独自に高須地区のNHK受信料を補助すべきと考えますが、見解を伺います。・・・・⑨ 以上で第1質問を終わります。
山内涼成議員質問への答弁(6月11日)
■市長
本市では元気発信北九州プランに示すまちづくりの目標を実現するため、都市交通分野の取り組みを戦略的に推進する基本計画として、平成20年12月に北九州市環境首都総合交通戦略を策定した。その中では、まず公共交通の人口過大率について現状の80%を維持すること、また公共交通分担率について現状の20%を維持することなどを計画の目標として、まちづくりと一体となった持続可能な市民の足の確保を目指してきた。
またこの戦略は市民、企業、交通事業者、行政が一体となって政策を取りまとめたものだ。実施にあたっては、それぞれの役割分担に基づき、積極的に取り組んできた。これまでの実績だが、具体的にはICカード乗車券の導入及びその相互利用、バリアフリー化の推進、幹線バス路線や筑豊電気鉄道の高機能化、お出かけ交通への支援強化などの政策を実施し、公共交通におけるバリアフリー化や利便性の向上が図られてきた。
またこの戦略は概ね平成30年度までの10年間を目標としているため、中間年にあたる平成25年度にPDCAサイクルに基づく事業の評価、検証を実施し、見直しを行った。その中で計画目標である公共交通の人口過大率や分担率は、策定当初と比較して増加し、公共交通利用者の減少傾向に歯止めがかかっていることや、利用者アンケートにおいても満足度が増加していることなどから、一定の効果が得られたものと理解している。
こうした結果を踏まえて、今回の見直しでは計画目標を公共交通人口カバー率について現状の80%を維持、公共交通分担率について20%から24%に向上するなど上方修正を行ったところだ。今後はこれまでの計画の継続的な実施とさらなる充実に取り組んでいくことにしている。今後とも環境未来都市にふさわしい公共交通の実現に向け、公共交通がより利用しやすいものになるよう、引き続き市民、交通事業者、市などが一体となって環境首都総合交通戦略を着実に推進していきたいと考えている。
漁協関係者を取り巻く事件が相次いで発生したことは、市民生活に大きな不安を与えるとともに都市の発展、イメージへの影響も計り知れないものがあった。また議会での議論や一連の報道がなされることによって社会的な関心が非常に高まってきた。そうした中、昨年6月には北九州市内の漁協、北九州市沿岸漁業振興協議会が、市暴力追放推進会議に加入し、その後、新体制となった組合の組合長からも暴力団排除に努めたいという旨の発言があった。本市としてはこうした漁協の前向きな取り組みを最大限バックアップしていくことが重要と考え、昨年7月、わたしは県警本部長を訪問し、未解決事件の早期解決、漁協関係者をはじめとする安全対策の強化を要請した。
このような状況を踏まえて、漁協のイメージ向上策や安全対策を協議するため、市内5つの漁協の代表者、漁協の監督権をもつ福岡県、本市の3者による安全・安心な漁協づくり推進会議を設置し、本年2月に第1回の会議を開催した。この会議では、まず漁業補償に関して組合員までの配分表を市に提出することで、補償の透明化を図ること、第2に市内すべての漁協の信頼性を回復するため、遵法体制の確立や反社会的勢力の排除などのコンプライアンス規定の整備を進めること、などについて協議をした。この結果、漁業補償の透明化については、概ねその方向構成に同意が得られるとともに、コンプライアンス規定についても整備が徹底された。
このように漁協がそのイメージ改善に向け具体的なスタートを切ったことは、市のイメージアップにつながりひいては水産振興にもつながると期待している。これを踏まえて現在、漁業補償の透明化については、事例の一つとして響灘西防波堤整備事業に伴う保障協議を関係漁協と行っているところだ。またコンプライアンス規定については、漁協を監督する福岡県から市内5つの漁協で順次整備が進んでいると聞いており、協議の成果は着実に出てきている。
協議結果やその進捗状況についてできる限り公表していくことは、漁協のイメージ向上の観点からも望ましいと考えている。今後とも漁協や県と一体となって取り組みを進め、協議結果の進捗状況については適宜公表していきたいと考えている。
■建築都市局長
本市では過度のマイカー利用から地球環境にやさしい公共交通への利用を促すため策定した、環境首都総合交通戦略を鋭意推進しているところだ。
一点目の、交通事業者に対する補助について。公共交通を維持・充実させるためには市民に利用していただくことが最も重要なことだと考えている。このため利用促進による、公共交通の維持をはかるため、交通事業者に対し積極的な支援を行うほか、市民や企業に対しモビリティマネジメントを実施してきた。具体的には、筑豊電気鉄道の低床式車両やICカード導入、低床式バスの導入、JR駅をはじめとする主要駅へのエレベーター設置、バスの待合環境改善のためのバスロケーションシステムは上屋及びベンチの整備などをおこない、今後とも公共交通の利用促進に資する支援を引き続き行っていくこととし、運行支援に必要な補助を行うといった交通施策の転換は現時点では考えていない。
なお、バス路線廃止等で公共交通が空白となった地域では、当該住民の発意のもと市民、交通事業者、市がそれぞれの役割分担に基づき、連携して行うおでかけ交通を引き続き実施することとしている。
二点目の、バス乗務員の労働条件の改善について。
バス乗務員の労働環境に関しては、交通事業者がその改善を図ることであり、本市としても地域の生活交通を支えるバス輸送の維持や安全の確保の観点から重要だと認識している。国においても、交通政策基本法のもと、交通政策基本計画に交通を担う人材を確保し育てることが目標として掲げられており、市としてもその動向を注視したいと考えている。
三点目に、条例の制定についてだ。
本市の交通政策については、これまでの取り組みにより一定の成果を得られていることから、引き続き北九州市環境首都総合交通戦略を着実に推進することとしており、公共交通に特化した条例を制定することは考えていない。
■教育長
まずバス通学だが、各学校で通学経路の状況や児童生徒の身体的負担を考慮し、学校長の判断により認めているところだ。
このバス通学への支援だが、いくつかのパターンがある。まず経済的に困窮している世帯を対象に片道の通学距離が小学生については4キロ以上、中学生については6キロ以上ある児童生徒の保護者に対し、通学費として交通費実費分を支給する就学援助の制度、それから小中学校の特別支援学級に就学する児童生徒の保護者に対し、通学費として交通費実費分を支給する特別支援教育就学奨励制度がある。
さらに学校統合に伴って、片道の通学距離が3キロを超える児童生徒の保護者に対して通学費を補助する、あるいは公共交通機関がない場合にはスクールバスの運行による通学支援制度を実施している。そしてバス路線の見直しに伴って、北九州市地域交通会議においてお出かけ交通など地域を限定した料金体系が認められたバス路線に変更されることにより、児童生徒の通学に要する運賃が著しく値上がりした場合に、保護者に値上げ幅の2分の1を補助する特定路線にかかる通学支援制度、これを昨年度創設したところだ。
このようにバス通学を認められている児童生徒については、保護者の経済的事情等に配慮し一定の支援を行っている。
安全対策だが、平成18年2月に文科省の通知によって、スクールバスについて登校時における事件から子どもたちを守るという考え方から、安全確保手段の一つとして提案されているものだ。本市での通学安全対策としては、平成24年度に全国で登校中に発生した事件が連続したことで、学校、道路管理者、警察、保護者などが合同で通学路の緊急合同点検を実施した。これを受けて順次信号機やガードレールの設置などを行って、点検当時に579か所あった危険個所のうち平成27年3月末時点で541か所において対策が完了している。
通学路の安全点検については、毎年全小中学校で実施しており改善が必要な危険個所は関係部局および警察署などに改善をお願いしている。さらにPTAやスクールヘルパーによる交通安全登下校指導、地域の生活安全パトロール隊や警察による巡視、学校からの緊急連絡などいっせいメール、「いっせいくん」の運用、そして福岡県警メール配信システムのフッケンメールの活用、こういったことで学校と家庭、地域、関係機関との連携を深め児童生徒の通学路における安全対策の強化を推進している。
こうしたことから、通学における安全性は確保されていると考えている。
通学に要する経費は従来から保護者に負担していただくことを基本と考えており、バス通学が必要な児童生徒への通学費の全額負担やスクールバスの導入については考えていないところだ。
■危機管理官
白島国家石油備蓄基地では、消防法や国土交通省令の港湾の施設の技術上の基準など様々な基準、法律にもとづき独立行政法人・石油天然ガス金物鉱物資源機構だが、ここや白島石油基地株式会社によって基地の管理がなされ、十分な安全対策が講じられている。
その中で事業所における電源喪失の危険性については、自家用発電機は予備発電機も含め強固な基礎に設置されており、すべての機能が消失する可能性は低いと考えている。万一、電源が喪失した場合でも、貯蔵船のタンクは密閉されており直ちに危険な状態とはならない構造となっている。
白島国家石油備蓄基地では、大規模な爆発、炎上といった事態が発生しないような対策がなされていると認識している。
従業員の避難関係は、従業員の避難については基地を操業する白島石油基地株式会社の社内規定で、津波警報が発令された場合には従業員の安全確保のため基地内の耐震性を有する建物へ避難することを規定している。次に災害の対策だが、白島地区などの石油コンビナート地区で災害が発生した場合には、福岡県の石油コンビナート等防災計画にもとづき、県知事を本部長とした防災本部が災害対応を行うことになっている。
この計画では、自衛防災組織や諸葛消防署、または海上保安部の防災力をもって防御、鎮圧が困難な場合には、本部長の指示のもと市長を現地防災本部長とした現地防災本部を設置し、海上保安部や警察などの関係機関と協力して警戒区域の設定や住民の避難指示および誘導など、安全確保を行うこととしている。
白島地区など市内の石油コンビナート地区においては、災害は発生した場合にはこのように福岡県石油コンビナート等防災計画にもとづいて、市民の安全確保に向け適切に対応したいと考えている。
■市民文化スポーツ局長
航空自衛隊芦屋基地では、将来のパイロット育成のため必要な訓練を行っており、運行の安全等を踏まえ主に洋上を訓練空域として、住宅地上空の飛行は離着陸時など最小限にしていると聞いている。飛行訓練の日程については、通常は土日、祝日を除く平日の午前8時から日没までを基本としており、夜間の飛行訓練は周辺住民への影響を考慮しひと月のうち二日間、日没から午後9時頃までに限定をしている。
その上で夜間訓練の実施にあたっては特別に関係自治体をはじめ、本市では基地周辺の自治会に対して事前に日程などのお知らせがなされているところだ。また芦屋基地とは適時情報交換を行っている。飛行訓練については予定された日時の中で適正に行われるなど、従来と変更がないことを確認していることから改めて訓練の変更を行うことは考えていない。
自衛隊の活動に関しては、国防上の問題であり国の専管事項だが、飛行訓練に関して市民生活への影響が考えられる場合には、適時自衛隊への要請を行うなど適切に対応したいと考えている。
■環境局長
自衛隊の航空機が頻繁に離発着を行う周辺地域においては、航空機騒音によるテレビ放送の聴取障害の保障として、防衛省が受信契約者に対してNHK放送受信料の半額相当を限度に交付している。この事業は昭和57年にNHKから防衛庁、現防衛省だが、引き継がれて現在に至っている。
本市では平成26年度末現在で、八幡西区の浅川周辺地域の約1万1000戸が受信料補助を受けている。しかしながら受信料の助成域外の住民からも毎年、騒音苦情が10数件程度寄せられている。この原因としては、毎年実施している航空機騒音にかかる環境測定では、環境基準に適合しているものの一時的に高い騒音が発生していたと考えている。
受信料の助成地域拡大については、平成7年度以降、毎年防衛省および九州防衛施設局に職員が出向いて要望を行っているところで、平成21年度には高須地区を含む自治会からも同様の要請が市に対してなされている。
防衛省からは受信料の助成区域の見直しについては、全国に所在する飛行場全体にまたがる問題でもあり、慎重に検討する必要があると回答を受けている。市独自に高須地区の受信料を補助すべきではないかとのご提案だが、本市としては原因者負担の原則から、国がすべきものと考えており防衛省および九州防衛施設局に対して、現状に見合った受信料の助成区域の拡大について引き続き要望を続けていきたいと考えている。
<第2質問への答弁>
この環境首都総合交通戦略、中間年の25年度に事業の評価・検証を実施しその見直しも行っている。先ほど議員の方からも高齢者の満足度の話があった。この計画目標である公共交通の人口カバー率、分担率、これは策定当初と比較して増加している。
それと交通公共業者の減少傾向に歯止めがかかっている。業者アンケートにおいても、高齢者の方からも満足度については数値も上がっているという状況だ。このようなことから、一定の効果が得られたとわたしどもは認識している。引き続き、市民、交通事業者、市が一体なって北九州環境首都総合交通戦略を着実に推進していきたいと考えている。
<第3質問への答弁>
■建築都市局長
バスの乗務員の労度環境については、交通事業者がその改善を図ることが基本であると考えている。これについてはぜひご理解いただきたいと思っている。現在、国においてバス運転手の現状、運転手不足の実態について分析をしているということが一つある。その状況を踏まえて、具体的な対策案の検討を行っているということだ。その動向を注視していきたいと思っている。
<第4質問への答弁>
■教育長
通学路については各学校で安全な通学路を指示している。
<第5質問への答弁>
■教育長
通学路の安全については先ほども答弁したようにハード面で緊急点検をし、できるところはほぼ終わっている。若干残っているところは用地買収等の問題があるところがあるが、引き続き取り組んでいきたい。ソフト面でも先ほど言った通り、様々な点検活動、見守り活動を行っているところだ。
<第6質問への答弁>
■教育長
3キロだ。
<第7質問への答弁>
■教育長
児童生徒の通学区域というのはなるべく適正になるように努力しているが、どうしても人口分布の関係で広くなっているところがある。わたしどもとしては基本は保護者に負担をしていただく、その中で経済的に困窮されている方には就学援助という制度、そして特別な支援を要する子どもさんをお持ちの方には特別の制度、そして学校統合あるいはバス路線の見直しということで、まあ外的な環境で長距離の通学を余儀なくされる場合、この場合には新たな制度と、こういうことで取り組むのが私どもの基本だ。
<第8質問への答弁>
■担当理事
えー、あのー。ただいま議員が言われましたような想定について、白島に関する防災上ではそういう想定はなされていない。先日の本会議の質問への答弁でも答えたが、津波とか地震、こういったことに対する想定がまずあって、東日本の大震災を受けて福岡県がアセスを見直して、それに対する見直しを今、全部は終わっていないがしているところだ。
ですから東京湾の事故を引き合いに、のことですとか、あるいはタンクの直接の爆発ということについては機能の答弁と重なるが、万全な管理がなされているという風なもとで、そういった想定はしていない。 以上